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| 今年4月、国際宇宙ステーションからスペースシャトルで帰還した山崎直子さんが食事について 「各国のクルーにカレーが好評でした」と感想を述べたのは記憶に新しいところ。 「あれ? 宇宙にカレーが持って行けるの?」「日本食も食べられるの?」と気になることしきりの宇宙食。 その最前線を探ってみました。 |
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![]() 中沢 孝さん 宇宙航空研究開発機構 有人宇宙技術部 主任開発員。6年前から宇宙飛行士の健康管理に携わる。群馬県の出身で小学生の頃は「宇宙ですいかを作りたい」という夢を持っていたそう。 ![]() 野口宇宙飛行士に和菓子の差し入れ
去る4月5日、ケネディ宇宙センターから打ち上げられたスペースシャトルに搭乗の山崎直子宇宙飛行士と共にボーナス食として、井村屋の「つぶあんとっぴんぐ」「甘納豆」「葛まんじゅう」といった和菓子が、国際宇宙ステーションに長期滞在中の野口聡一宇宙飛行士へ届けられました。 JAXA認定の宇宙食パックに包装された和スィーツは、甘いモノが好きな野口さんにとってまたとないプレゼントになったことでしょう。 |
宇宙食ってどんな食事?
宇宙食とは、宇宙飛行士がISS(国際宇宙ステーション)やスペースシャトルなどの宇宙船内で食べるために開発された食品のこと。開発の担当者にお話を伺いました 宇宙開発が始まって以来、宇宙食といえば米国とロシアの食品がほとんどでしたが、この数年の間に、日本食も数多く利用されるようになったそうです。なぜ日本食なのか、どんな工夫があるのか、開発に携わった宇宙航空研究開発機構(JAXA)、主任開発員の中沢孝さんにお話を伺いました。 宇宙食開発は機能性からおいしさへ
「世界の宇宙食の開発は機能性の追求から始まりました。宇宙飛行士が十分な栄養が摂れること、常温で長期保存できること、安全であること、微小重力状態の中で飛行士が上手に食べられること、などの条件が求められたんです」たしかに、食品容器から有毒ガスが発生したり、万一火事のとき火災を広げるような材料は使えません。また食品自体が容器から飛散して狭い船内を漂ったら…飛行士たちは食事のたびにどれほどひどいストレスにおそわれることでしょう。 「そこで、宇宙食は食品自体の加工技術と、容器の開発の2つの側面から研究されてきました。例えば米国ではフリーズドライ食品やレトルトパウチ食品が、ロシアでは缶詰やチューブ食品が多いようですね。また容器が食事中に浮遊しないようにベルクロテープでテーブルに固定したり、ゴムにはさんだり、いろいろな工夫があります。しかしこういった食品のハード面の開発だけでは宇宙飛行士の精神的なストレスは解消できません。もっとおいしいモノが食べたい、好物が懐かしいと思うのは人間として当然ですから」 宇宙飛行士の好みで選べる食事に
現在、ISSでは宇宙食を以下の3種類に分類しています。(1)標準食(米ロの認証済み宇宙食。米ロ2国が半分ずつ用意し、原則16日1セットで全宇宙飛行士が好きなものを食べる) (2)嗜好食(各宇宙飛行士の希望により、滞在1カ月につき60パック程度選択できる) (3)ボーナス食(宇宙飛行士の希望に基づき、NASAの検査に合格した市販の食品を 宇宙食用のパッケージに入れて搭載できる) 現在JAXAが認証している「宇宙日本食」とは基本的には(2)の嗜好食にあたるもの。2001年から調査検討を開始し2006年11月に「宇宙日本食認証基準」を制定。それに基づいて各食品メーカーが独自に開発した品目を申請、認証された食品が、現在11社28品目あります。 「宇宙日本食はパッケージの性能、安全性や衛生管理の水準が非常に高く、味の点でも各国の飛行士に好評です。最近、NASAの宇宙食の一部を置き換える形ではありますが、標準食として打ち上げられるようになりました」 今後は、宇宙での長期滞在でも飽きがこないバラエティ豊かな品揃え、より簡便に扱える容器の開発などが課題。さらに有人火星探査計画に向けて非常に長い賞味期間を持つ食品の開発など……宇宙食の将来は無限大に広がります。 NASA=アメリカ航空宇宙局 |
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人気の宇宙日本食・ラーメン
インスタントラーメンのトップメーカーである日清食品では、創業者の安藤百福氏の「宇宙食を開発したい」という強い意向を受けて、2001年に社内にプロジェクトチームを結成。微小重力の中でも飛散しないとろみのあるスープ、70℃のお湯で湯戻し可能で、形状を保持する一口大の塊状麺、地上のカップ麺と同じ具材などを開発。「スペース・ラム」と名づけられ、2005年、野口飛行士の宇宙食として採用されました。創業者の一声で誕生した「スペース・ラム」 また2008年には土井飛行士に「うどん」「そば」「焼き鳥」「いなりずし」「お好み焼き」を、2010年には野口飛行士に「ちらし寿司」「豚しゃぶ」「柏餅」を提供。いずれもインスタントラーメンの開発で培った技術が随所にみられます。 (日清食品 http://www.nissinfoods.co.jp/)
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人気の宇宙日本食・カレー
「宇宙船の中でいかにおいしいカレーを食べてもらうか」。カレーで有名なハウス食品では誰も行ったことがない未知の環境での「食べ方」や「味」について、宇宙の専門家や栄養学の教授と研究を重ねたり、種子島の宇宙センターで宇宙空間に似た閉塞環境で作業する人に試食してもらうなど、様ざまな苦労の末に開発したのは、普通より1.5倍の粘度があり、ウコンを2倍加えたスパイシーな「宇宙カレー」。70℃に温め、宇宙日本食として認証された白米と一緒に食します。パッケージの裏面にはベルクロテープがつけられ、容器そのものの浮遊を防止するなど工夫満載。同じレシピのカレーはJAXA筑波宇宙センター・科学未来館、ハウス食品のホームページなどでも購入できます。世界の宇宙飛行士に大好評 (ハウス食品 http://housefoods.jp/)
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