このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

駅弁紀行 第17回

  • 印刷

ヨネスケ

東海道本線

浜松駅「しらす弁当」


安政元年創業の老舗仕出し屋が地道につくり続ける遠州ならではの名物弁当
しらす弁当

遠州灘名物 しらす弁当
安政元年(1854年)、浜松城主・井上河内守正直から授けられた屋号を守り、さまざまな弁当を世に送り出している自笑亭の名物駅弁。1,000円
製造元・自笑亭
Tel.053‐442‐2121

【おしながき】
塩ゆでのしらすを敷き詰めた白飯
イカ団子、
がんも
里イモ・ニンジン・シイタケ・コンニャクの煮もの
そぼろ胡麻団子
卵焼き
エリンギの天ぷら
タラのすり身フライ
ヒジキの煮もの
ウグイス豆
千切り桜漬け
ワサビ漬け
紅ショウガ

ヨネスケ

ヨネスケ(桂 米助)
かつら・よねすけ/落語家。千葉県市原市出身。桂米丸氏に弟子入り、1967年デビュー、1981年真打ちに昇進。その人情味あふれるキャラクターで幅広い年齢層に親しまれる。日本テレビの「突撃! 隣の晩ごはん」では、全国津々浦々の家庭にいきなり訪問。アポなしながら最終的に歓迎されてしまうのは、やはりその人柄によるものであろう。また、こうした取材移動から、日本中の駅弁・空弁を食べ尽くし紹介するブログ「ヨネスケの駅弁! 空弁! 食べて答弁!!」を公開、大評判となっている。
http://blog.livedoor.jp/yonemeshi/
仕事で浜松を訪れた。東京への帰り道、新幹線「こだま」を待ちながら、浜松駅で駅弁を物色。

そこで見つけたのがこの「しらす弁当」。なんたって静岡県はしらすの漁獲量・生産額ともに日本一ですからね。

浜名湖の沿岸域は塩分濃度が低く、プランクトンが豊富なのだそうだ。浜名湖は海とつながっている汽水湖。流出する湖水で周辺沿岸の塩分濃度が薄まるのである。一帯の豊富なプランクトンを食べに、黒潮に乗ったイワシの群れが遠州灘沖に集まるのだという。

ちなみに「しらす」とは、カタクチイワシやマイワシなどの生後1~2カ月の稚魚のことである。遠州灘沖では春から秋にかけてが、しらす漁の最盛期。しらすは足が早いので、水揚げされるとすぐに釜茹でされる。

パッケージにはしらすの写真とともに「黒潮かよう遠州灘。毎日繰り出す漁師たちのお弁当に、必ずといっていいほどのっているのが、真白に光る塩茹でのしらす。そこで自笑亭も、とれたてのしらすをさっと塩茹で天日干し。ふっくらごはんにふりかけ、幕の内弁当にしてみました。ふたをあけると、潮の香りとお天道さまのあたたかさが、ふんわりと……。遠州灘の味を存分にご賞味下さい」と書いてある。ハイハイ、では早速いただきましょう。

しらす満載のご飯をひと口パクリ。塩味のパンチを予想していたけれど、思いのほかあっさりした味わいである。

その分、あるものはしっかりと、あるものは程よく味付けされた品数豊富なおかずの数々が、しらすご飯を引き立てている。

静岡県の駅弁には必ずと言っていいほど添えられているワサビ漬け。鼻にツンとくる辛みが酒粕の甘みと一体になって口の中に広がって、実にうまかった。

しらすご飯、ガンモ、エリンギの天ぷらをほおばっては、またしらすご飯。ときどき車窓から風景を眺め、今度は卵焼きと、あれこれ楽しいひとときであった。

右手に海が広がっている。駿河湾だ。遠州灘だけでなく、駿河湾もシラスの漁場である。晴れた日には富士山の眺望も素晴らしい。おなかは満腹。心は満足。目の保養にもなりました。(語り下ろし)