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MAFF TOPICS(1)

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将来にわたる食料安定供給を目指して

APECで初めての「食料安全保障担当大臣会合」を日本で開催


MAFFとは農林水産省の英語表記「Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries」の略称です。
MAFF TOPICSでは農林水産省のお知らせを中心に、暮らしに役立つさまざまな情報をお届けします。
今年は日本で15年ぶりにAPEC(アジア太平洋経済協力)関連会合が開催され さまざまな議題が討論されることになっています。
なかでも今回は、日本の呼び掛けのもと、初めてとなる「食料安全保障担当大臣会合」が新潟で開かれ世界的な視点から食料問題や今後の農業の持続的発展などについて話し合われます。

稲穂

開催地となる新潟の稲穂が実る水田風景

開催地となる新潟の稲穂が実る水田風景。米どころとして知られている新潟は、戦後まで水はけが悪い土地が多く、農業を行うのには困難な地域であった。現在に至るまで、排水対策や栽培技術向上など、知恵とたゆまぬ努力で農業を発展させてきたという歴史を持つ

APEC食料安全保障担当大臣会合は10月16日と17日に新潟県新潟市「朱鷺(とき)メッセ」にて開催

APEC食料安全保障担当大臣会合は10月16日と17日に新潟県新潟市「朱鷺(とき)メッセ」にて開催
ひっ迫する世界の食料情勢
APEC(アジア太平洋経済協力)は、日本、中国、アメリカ、オーストラリア、タイ、インドネシア、ペルーなど、太平洋を取り囲む先進国や開発途上国を含む21の国・地域で構成されています。参加メンバーを合計すると、人口は、世界の約4割、※GDPは世界の約5割を占め、世界経済にも大きな影響を持つ地域です。

APECでは、毎年、参加メンバーの首脳や閣僚が集まり、アジア太平洋地域の持続的な経済発展のために、貿易、エネルギーなどさまざまなテーマについての相互協力について話し合っています。

今回のAPECで重要な会議となるのが、議長国である日本がリーダーシップを取り、食料問題や農業問題を取り上げる「食料安全保障担当大臣会合」です。10月16日、17日に新潟市「朱鷺メッセ」で開催されます。

私たちは当たり前のように毎日の食を享受しています。

しかし世界に目を向けて見ると、栄養不足に苦しむ人々は既に10億人を超えています。これは世界の人口の7人にひとりという高い数字です。

また飢えで亡くなる人は毎日2万5000人にも及び、このうち5歳以下の子どもは1万4000人を占め、6秒にひとりの幼い命が消えている、との報告もあります。

こうした現状であるにもかかわらず、2050年には世界の総人口は現在よりも26億人増の91億人に達し、現在の1.7倍の農産物を生産しないと人々の食料の必要分を賄いきれない、と予測されています。

身近な食料問題では、2007年から08年にかけての小麦、大豆、トウモロコシ、そして米などの国際価格の高騰があげられます。日本国内でもパン、スパゲティなどの麺類、味噌や醤油が値上がりし、家計に直接影響を与えました。今後も同様の問題が起こることは十分考えられます。APECとして、将来にわたり解決しなくてはならない食料に関する課題は山積しているのです。

APECにおける食料問題の重要性
APECで食料問題や農業問題について話し合うことは、次の4つの点で意義があります。

第1は、APEC地域では栄養不足人口は減少しているものの、依然として世界の栄養不足人口の約4分の1が存在していること。

第2は、APEC地域は小麦、米、トウモロコシなどの穀物について、世界の半分の生産量を占め、またアメリカ、カナダ、オーストラリアなどの農産物の主要な輸出国や日本、中国、フィリピンなどの輸入国が含まれており、世界の食料生産と貿易の中心であること。

第3に、07年から08年にかけての食料価格高騰時にAPEC地域においても抗議運動や暴動が発生したこと。

第4に、APEC地域は食料生産に多大な影響を与える地震、台風、干ばつなどの自然災害が多い地域でもあり、こうした自然災害への対応が参加メンバーの共通の課題であることです。

生産と流通が重要なテーマ
さて会合のテーマとなる「食料安全保障」とはどういうものでしょうか。

私たちが生きていくためには、将来にわたって食料が安定的に供給されることが不可欠ですが、そのためには「十分な量の食料生産」と「円滑な流通」の2つが必要です。食料需給のひっ迫が懸念されているなか、将来にわたって食料の安定供給を図っていくためには、農業の持続的な発展によって必要な食料が生産され続ける必要があります。また生産された食料を消費者の手元に届けるために、加工、流通、販売や貿易などの体制を整える必要があります。

今回の「食料安全保障担当大臣会合」では、この「生産」と「流通」が議題として話し合われます。
これから先も食料が安定して供給されていくよう、農業を持続的に発展させていくためにはどうしたらいいか、また農業投資、貿易や市場の円滑化などをどのように図っていくかについて、議論が進められる予定です。

APEC参加メンバーの食料安全保障を担当する大臣が一堂に集まり話し合うことで、さらなる地域内の協力、連携を築く重要な一歩となります。

食料問題はAPECだけでなく、全世界が共有している課題でもあります。我が国についても食料自給率が40%のいま、国内だけでは賄いきれない不足分については海外からの輸入に頼っています。

国内の農業生産を増やし、食料自給率を向上させる努力が先ずは必要ですが、それとともに、APEC参加メンバーと協力して食料生産の増加と安定供給を図っていくことが、我が国と世界全体の食料安全保障につながることになります。

※GDP
国内総生産、一定期間内に国内居住の生産者により生産された物やサービスの付加価値の総額


「栄養不足人口の推移」と「世界人口の見通し」グラフ