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農林水産省

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特集 生物多様性(4)

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海からの発信

豊かな藻場の再生に向けた取り組み


小さな島が点在する瀬戸内海。豊かだった海にも水産資源の減少が見られます。
愛媛県越智郡上島(かみじま)町の岩城生名(いわぎいきな)漁業協同組合では、魚たちを育む「海のゆりかご」と呼ばれる藻場(もば)の再生に尽力しています。
そんな漁業者の声を取材しました。

日本の「島の宝100景」に選ばれた岩城沿岸の風景
アマモ保全の取り組みが実を結び、「アマモ実る海」として岩城沿岸の風景が日本の「島の宝100景」に選ばれた

岩城島の漁港

岩城島の漁港

岩城島

イラスト
恵まれた海を次世代に残したい
愛媛県越智郡上島町は、県の東北部、広島県境に位置し、瀬戸内海のほぼ中央に浮かぶ島々が合併して誕生した町です。

岩城生名漁業協同組合は、上島町の島の中でも2番目に大きな岩城島にあります。

同漁協では平成18年に「岩城・生名地区漁業振興長期計画推進委員会」を設立し、藻場の保護区域の設定を行うなど、漁業者自らが藻場の保全や再生活動を始めました。そのきっかけを林喜代行組合長は次のように語ってくれました。

「かつては沖合漁業も盛んであったが、漁業者の高齢化、後継者不足も深刻で、沖合に出て行く船は減る一方でした。

漁場を沿岸に移し、その環境を見てみると、岩城島、生名島周辺には、瀬戸内海でも少なくなってしまったアマモ(浅い海に群生する藻の一種)場がまだ残っていたのです」

アマモ場は豊かな海の象徴
そして「減り始めた魚のすみかやエサ場である、このアマモ場を守ろう。この豊かな沿岸環境を保全することも漁業者の役割だし、水産資源を回復させることが、後に続く漁業者を育てることにもつながるんじゃないかと思って、この取り組みを始めました」と林さん。

アマモ場は魚介類の産卵場や稚魚の生育場となる重要な環境です。

同漁協ではアマモ場の保護区域を設定し、清掃活動をしたり、採貝藻の規制をするなど、アマモ場保全管理のための自主ルールを設定しました。また漁業者がアマモの種子を育て、地域のイベントとして移植活動を行うなど、保全と周知にも力を注いでいます。

子どもが参加できるアマモの現況調査や移植会   子どもが参加できるアマモの現況調査や移植会

子どもたちにも興味をもってもらえるように、子どもが参加できるアマモの現況調査や移植会を行っている

写真提供:株式会社アミタ持続可能経済研究所


特別寄稿