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農林水産省

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特集2 食材まるかじり(3)

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愛しのじゃがいも

じゃがいも農家訪問


神奈川県から移住して10年。
農場を丸ごと譲り受けカントリーライフを満喫しています。


大久保農場|大久保 淳さん・真由美さん

収穫後の大量のじゃがいもをサイズ別により分けるのがひと苦労

収穫後の大量のじゃがいもをサイズ別により分けるのがひと苦労。パートさん(近隣のママさん友達)にも助けてもらう

収穫後の大量のじゃがいもをサイズ別により分けるのがひと苦労

規格外サイズや傷のあるものは、別にでんぷん用として出荷する。「病気や腐りがなければちゃんと利用できるんです」

収穫後の大量のじゃがいもをサイズ別により分けるのがひと苦労

農場内に数棟ある倉庫にはコンバインやトラクター、ハーベスターなど。先代の愛用機を修理しながら大切に使っている

収穫後の大量のじゃがいもをサイズ別により分けるのがひと苦労

左は収穫を終えた今年のじゃがいも畑。右の緑は秋蒔き小麦。どこに何を植えるかは冬季中にマップを作って計画

大久保農場|大久保 淳さん・真由美さん
北海道の東北部、旧石器時代の黒曜石の遺跡でも有名な遠軽町白滝地域に、じゃがいも農家の大久保さんを訪ねました。大久保さん夫婦は神奈川県横須賀市から移住した新規就農者。今から10年前「北海道の大自然の中で暮らしたい」との夢を膨らませて「北海道農業担い手育成センター」へ出向き、その斡旋で、当時後継者を探していた白滝地域(旧白滝村)の農家に出会いました。最初の3年間は公営住宅に住みながら農作業の研修。同時に役場の地域センターや農協、農業改良普及センターで経営や作物について学び、2003年に農場や農機具、住宅などを丸ごと譲り受ける「リレー方式」で、大久保農場として独立しました。

「実はじゃがいもの専業農家ってないんですよ。じゃがいもは圃場を毎年変えて輪作する必要があるから、小麦やてん菜、とうもろこし、かぼちゃなど他の作物と一緒に計画的に栽培しなきゃならない。だから当然農機具もいろいろ必要で、予想以上に大規模な事業です。だからこそ、丸ごと農場が譲り受けられるリレー方式は僕らにとって幸運でした」と淳さん。

農場を譲ってくれた先代は、同じ白滝に新居を構え、じゃがいも作りの大切な時期を見計らっては畑に顔を出し、経験者ならではのアドバイスをくれるのだとか。また移住してから生まれた2人の息子さんにとっては「横須賀の祖父母以上に身近な、白滝のジジババ」なのだそうです。

おふたりは「新たに始めるのだから環境や安全に配慮した農法で」と、化学肥料や化学農薬の使用を低減するための生産方式をすすめ、エコファーマーの認定を取得。

「畑作は1年で1回ずつの仕事。何十回と挑戦できるわけじゃない。だから毎年工夫して、自慢のできるじゃがいもを作っていきたいですね」。そう語る淳さん。立派な農家の風格がありました。


大久保さん夫妻の1年 ホクホクじゃがいもができるまで
じゃがいもの花

じゃがいもの花

大久保農場
http://www.ookubo-nojo.com/

北海道の長い冬を越え、雪解けの畑でいちばん最初に始まるのがじゃがいも作り。短い夏を駈け抜け、秋の声を聞いて収穫するまで大久保農場は息つく暇もない忙しさです。

4月
土や種芋の準備に大忙し
ひと冬越したイモを出し、強い芽になるよう日光にあてます。1個ずつ腐れがないか確認し、消毒し、夜は凍らないよう上にテントをかける毎日。重労働です。

熊やエゾシカの被害は年ごとに増加中。広い畑を見回り、熊が掘った場所、鹿が力づくで歪ませた網を補修します。

1カ月かけて種芋を準備

1カ月かけて種芋を準備
   熊と鹿よけの柵を補修

熊と鹿よけの柵を補修


室(ムロ)に一冬貯蔵した越冬いもはでんぷん質が糖に変わっているので糖度がぐんと上がり、絶品。少しでも多くの人に知ってもらおうと、日曜日は近所の道の駅で直売!

絶品! 越冬じゃがいもを販売

絶品! 越冬じゃがいもを販売
  ホクホクのじゃがいも


5月
好天を見計らって一気に播種
たっぷり日にあてた種芋を、ポテトプランターという機械を使って播種。蒔きそびれた場所は手作業で。雨が降ると数日は畑に入れないので一気に進めます。

5月 好天を見計らって一気に播種    

6月
3回に分けて培土作業
力強い芽が出てきたら、イモに光が当たらないよう土をかける作業が欠かせません。3回に分けて徐々に畝を作るようにすると、同時に畝部の除草もでき、除草剤、防除の作業が低減できます。

6月 3回に分けて培土作業    

7月
満開の花にうっとり
じゃがいもの花は北海道の広大な農地ならではの爽快な夏景色。思わずうっとり見入ってしまうけれど、この時期には防除作業も欠かせません。

7月 満開の花にうっとり    

8月
花が終わると後は実りを待つのみ!
土の下でイモがすくすく育つのを待つ時期。早い物は8月下旬から収穫が始まります。減農薬基準にあわせて茎葉処理剤を使わず、上部をリーフチョッパーで刈り取ってから土を掘り起こします。

8月 花が終わると後は実りを待つのみ!    

9月
いよいよ収穫!
あらかじめデガーという作業機で土を掘り起こしたのち、4人乗りのハーベスタで一気に収穫。土や石と一緒にベルトコンベアで運ばれたいものうち、変形したイモや傷イモ、緑化イモをより分けます。

9月 いよいよ収穫!   4人乗りのハーベスタで一気に収穫

10月
ネット販売も始めました
自分たちが一生懸命作った野菜を直接売って、消費者の生の声も聞きたいと、農場のスタート時からインターネット販売をしています。ホームページや受注の管理は真由美さんが担当。「今年は猛暑のため、男爵いもが一気に肥大し、中にすき間のできる中心空洞も多いようですが味はいいですよ」といった正直な添え書きや、真由美さん手製の「白滝じゃがリンピック入賞レシピ集」などを同送。リピーターのお客様が多いそうです。

ネット販売も始めました   ホームページや受注の管理は真由美さんが担当