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MAFF TOPICS(4)

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affラボ特別編 2011年には全国での発売予定も

青いバラ「サントリー ブルーローズ アプローズ」


2004年6月、サントリーが世界で初めて青いバラ「サントリー ブルーローズ アプローズ」の開発に成功したという知らせは世界中の人々に驚嘆を持って迎えられました。実際に東京、名古屋、大阪など大都市圏で販売が開始されたのは2009年11月。今年の11月には福岡、宮城両県でも販売が始まりました。
「青いバラ」の開発の裏には研究者たちの挑戦する心と地道な努力があったようです。

サントリーブルーローズアプローズ

サントリーブルーローズアプローズ
従来の「青いバラ」は赤色色素の含有量を少なくしたもの。サントリーの「アプローズ」は青い花から取り出した遺伝子を使い、青色色素100%を実現した。今後は空のような「青」色のバラを開発することが目標とか。アプローズの市販価格は1本2000円~

不可能という夢を追って
「青いバラ」を作り出すのは不可能といわれ、バラ育種家にとってその存在は夢のまた夢でした。

 過去にも「青いバラ」を作る試みはありましたが、バラにはほかの青い花に含まれる青色色素を作る能力がないため、成功に至った例はありませんでした。

 サントリーが「青いバラ」の研究を始めたのは、いまから20年前の1990年にさかのぼります。

「バイオテクノロジーを利用し青色色素を合成すれば青いバラが作れるかもしれない」。

「やってみなはれ」がサントリーの精神ということもあり、不可能といわれていた夢への挑戦が始まりました。

 当初は数年で成果が得られると予測していたそうですが、思うようには進まず困難の連続でした。

「植物が相手なので時間がかかるというのが一番大変なところでした。バラは樹木の仲間ですが、草本に比べ、青い色素を作る遺伝子を入れること自体が難しいうえに、生長に時間がかかります。また、導入した遺伝子の働き方が他の植物に導入した場合と比べ大きく異なるため、いままで蓄積されたモデル植物のデータや過去の知見がそのまま通用しないことが多く、大変苦労しました。ひとつの結果を待ってから次の手を打っていたのでは、時間がいくらあっても足りませんので、可能性がありそうな作戦は片っ端から試して、多くの実験を同時に進めるという力技で乗り越えてきました。最先端のバイオテクノロジーというと言葉の響きはかっこいいですが、実際はとても泥臭くて手間も暇もかかる地道な作業の積み重ねなのです」とサントリーホールディングス(株)植物科学研究所主席研究員の勝元幸久さんは話してくれました。

特別な日の贈り物として
「青いバラ」が開発されたのは、研究開始から14年目の2004年。「青いバラ」は遺伝子組換え技術を用いて開発された花なので、市場に出す前に法律に基づき承認を受ける必要があります。このため、国内における栽培試験を経て、生物多様性に影響を与える恐れがないとの評価を行ったうえで2008年に承認されました。

 一般向けに大都市で販売が始まったのは2009年11月。今年は生産体制を強化し販売エリアを福岡、宮城に拡大しました。2010年度の販売予定本数は5万本。

 青いバラ「アプローズ(喝采)」の花言葉は「夢 かなう」。長年の夢をかなえた歓び、そして新しい夢への勇気を伝えるこの花は結婚記念日やプロポーズ、人生の節目など特別な日のギフトとして人気を集めています。女性より男性の購入客が多いのも特徴。

 来年は全国での販売も目指しているとか。近所の花屋で青いバラを見られる日も近そうです。

青いバラができるまで
写真提供:サントリーホールディングス(株)

青いバラ作出の手順は、青い色素を作る植物の遺伝子を取り出し、それをバラの葉から誘導した細胞に入れ、植物に再生するまで培養して、温室で花が咲くまで栽培する。

バラの葉からカルスを誘導

バラの葉からカルス※を誘導
カルスのアップ

  青い花から青色遺伝子を取得

青い花から青色遺伝子を取得

  カルスに遺伝子を導入し、選抜する

カルスに遺伝子を導入し、選抜する

遺伝子の入ったカルスを増殖する

遺伝子の入ったカルスを増殖する

  カルスから植物体に再生

カルスから植物体に再生

  閉鎖された温室で育成

閉鎖された温室で育成

青いバラの開花

青いバラの開花

       
※カルス:植物の組織培養により培地上に形成される細胞のかたまり