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農林水産省

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特集1 いろんな豆(4)

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バランスのとれた優良食材

渋み豊か、豆の魅力


「生活習慣病」「メタボリックシンドローム」の対策が話題になって久しい現代。今、豆類は高血圧やコレステロール、血糖値、中性脂肪などの増加を予防する健康食品として見直されています。

子どものおやつやビールのおつまみにオススメの煎り豆。煎り豆の保存は密閉できる容器ならガラス瓶でもOK

子どものおやつやビールのおつまみにオススメの煎り豆。煎り豆の保存は密閉できる容器ならガラス瓶でもOK
2つのグループの豆をバランスよく取り入れる
 豆類は、含まれている栄養成分の構成割合によって、炭水化物を主体とするグループと脂質を主体とするグループに分けられます。

 炭水化物主体のグループの豆はあずき、ささげ、いんげん豆、花豆、えんどう、そら豆などで、重量の半分以上が炭水化物です。これらの豆はたんぱく質も豊富に含んでいますが、脂質はほとんど含んでいません。このため、健康維持やダイエットに最適な低脂肪・高たんぱく食品ということができます。

 一方、脂質主体のグループの豆は主に大豆と落花生。大豆は重量の約20%が脂質で、植物油として世界的に広く利用されています。落花生も脂質の含有率が約50%と高く、ピーナッツオイルやピーナッツバターはおなじみです。どちらもたんぱく質の含有量は多いものの、炭水化物は炭水化物グループの半分程度となっています。

 炭水化物と脂質の含有率でグループ分けはされていますが、どちらのグループの豆も、食物繊維、ビタミンB1、B2、B6などのビタミンやカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛といったミネラルを豊富に含んでいます。

 豆類をたくさん食べたからといって、すぐさま効果が現れるわけではありませんが、普段の料理に取り入れることが、健康的な食生活につながるのです。

加藤淳さん

加藤淳さん
地方独立行政法人北海道立総合研究機構中央農業試験場研究参事。平成12年「小豆・インゲン豆の加工特性と変動要因に関する研究」で学位を取得。著書に『小豆でぐんぐん健康になる本』のほか、『北海道発農力最前線−日本人の食を支えるのは誰か』がある。
あずき博士の豆の栄養学
 地方独立行政法人北海道立総合研究機構中央農業試験場作物開発部で農産物の品質を研究し、『小豆でぐんぐん健康になる本』の著者である農学博士・加藤淳さんに、あずきの栄養についてお話を聞きました。

 豆類は優れた機能性食品です。大豆については加工食品も多く、よく知られているので、今回は特にあずきについてお話ししましょう。

 今、大腸ガンや生活習慣病の予防対策として、食物繊維の摂取が大切であると盛んにいわれています。あずきは食物繊維が豊富で、なんとゴボウの3倍以上の含有量があります。

 また、高血圧は食塩の取り過ぎなどで、ナトリウムとカリウムのバランスが崩れることによって引き起こされますが、あずきはこの高血圧の予防にも有効です。ナトリウムとカリウムのバランスをとるには食塩の摂取量を減らすほかに、積極的にカリウムを取る方法がありますが、あずきはカリウムが豊富で100gでホウレン草の約2倍を摂取できるのです。カリウムは水溶性なのでお赤飯やお汁粉のように、あずきの煮汁ごと使った料理は大変理にかなっているといえますね。

 鉄分もやはりホウレン草の約2倍含まれています。あずき餡の大福餅1個食べるとホウレン草のお浸し1食分の2倍の鉄分を取ったことになる。何だか不思議な気がしますよね。

 今話題の抗酸化物質であるポリフェノールに関しては、100g中400~600mgとずば抜けて多く、赤ワインの1.5~2倍の量が摂取できます。

 あずきは東アジアでしか栽培されていない農産物です。古くから日本人の食生活に取り入れられてきたあずきを、これからもさまざまな料理に積極的に使ってください。

コトコトふっくら幸せ時間上手な豆のゆで方
コトコトふっくら幸せ時間上手な豆のゆで方

とら豆のビフォー&アフター

とら豆のビフォー&アフター
左は乾燥とら豆。右は8時間水に浸したとら豆。水を吸って、こんなにふっくら。乾燥豆は十分水を含ませることが料理を成功させるポイントだ
まず「洗って」「水に浸してもどす」
 乾燥豆を軽くさっと洗います。浮いてきた豆や割れた豆は取り除きましょう。乾燥した豆をムラなくゆでるには、十分水に浸してもどしておくことが大切です。

★ここがポイント
水の量は豆の4倍程度。浸す時間は春と秋なら4時間程度。気温が高い夏は少し短くてもいいかもしれません。冬はもどりが遅いので、一晩(およそ8時間)くらいを目安にしましょう。ただし、小豆やささげは洗ってすぐにゆでるのがオススメ。

さあ、豆をゆでましょう
 ゆでるときの水加減は豆に対して4~6倍程度を目安に。豆と水を厚手の鍋に入れ、強火で加熱します。

★ここがポイント
軟らかくふっくらとゆでるコツは一度煮立ったら差し水をして、ゆで汁の温度を下げること。そうすると豆の表面と内部の温度差が縮まり、熱が豆の中まで浸透しやすくなるのです。
差し水の量は、豆の半分程度。急に冷たい水をかけられた豆がびっくりするというイメージから、この差し水は「びっくり水」といわれています。

アクを取ってゆで上げます
 差し水をした後、再び沸騰したら泡状のアクをすくい取ります。そして、落とし蓋をして弱火でコトコト。ゆで上がりが待ち遠しいですね。

★ゆで上がりはどうやって知る? 45~70分程度(大形の豆は1時間から1時間半くらい)ゆで、豆を指先で軽く押してつぶれるようになれば、下ゆで完了。これを料理の素材として使います。

おいしさと栄養をいただく煎り豆活用法
その1.酢大豆
その1.酢大豆
 煎った大豆を酢に漬けて作る大豆のピクルスです。醸造酢には血流をよくする働きがあるといわれ、昔から疲労回復によいとされてきました。また殺菌効果が強く、食品の保存性を高めます。大豆に含まれるイソフラボンは血管を若々しく保つ働きがありますから、酢と一緒に摂取できれば、動脈硬化などの予防につながりますね。酢大豆は1週間くらいしたら食べ頃です。

[作り方]
大豆(300g)はさっと洗って水切りし、厚手の鍋に大豆を入れて火にかけ、表面に軽くこげ色がつくまで遠火の中火で煎る。大豆の粗熱が取れたら容器に入れ、上から酢500ccを注ぎ入れる。好みではちみつを入れてもOK。冷蔵庫に入れて保管し、豆が膨らんで酢に浸からなくなったら、ひたひたになるまで酢を加える。
 
その2.黒豆茶
その2.黒豆茶
 黒豆(黒大豆)の黒い色素はポリフェノール。ポリフェノールは発がんや老化現象を防ぐ…で注目されている抗酸化物質です。そんな黒豆を家庭で煎ってみませんか。お湯を注ぐだけで簡単に黒豆茶が楽しめます。残った黒豆はそのまま食べてもいいのですが、ご飯に炊き込んだり、甘酢に漬けてサラダに使ったりと、いろいろアレンジして使ってください。

[作り方]
厚手の鍋に黒豆を入れて火にかけ、弱火で煎る。煎った黒豆を大さじ2杯くらいカップに入れて、150cc程度お湯を注いで少し蒸らせばできあがり。

参考文献:
『食べて直す・防ぐ医学事典』聖路加国際病院理事長・日野原重明総監修
『食材図典』小学館
『遺伝子が喜ぶ長生きごはん』家森幸男著

たっぷりゆでて冷凍保存
たっぷりゆでて冷凍保存  ゆでた豆をすぐ使うのであれば、密封容器に小分けして冷蔵庫に。夏は2~3日以内に、冬は5日以内に、使い切るようにしましょう。

 冷凍保存の場合は、フリーザー用のビニールパックなどに小分けして、1カ月をめどに使い切りましょう。たくさんゆでてフリージングしておけば、豆料理もお手軽カンタン。

 ゆで汁には豆のうま味と栄養素が含まれているので、ゆで汁ごと小分けにしてフリージングすることをおすすめします。スープや煮物に使用するときも便利です。