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農林水産省

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特集1 おもち(2)

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人々の暮らしとともに

日本人と「もち」


もちは、お雑煮に代表されるように、正月の食べ物と思われがちですが、本来、さまざまな祭りや年中行事など、ハレの日に欠かせない食材でした。
かつては暮らしの節目や儀礼の際に、もちをついては祝ったり、近隣の人々に配ったりしていました。
日本人ともちとの関わりが分かる事柄を拾ってみました。
おもち

もち

糯と餅
もちを表す漢字には「糯」や「餅」があります。「糯」は、米・粟・黍(きび)など、粘りが強く、ついてもちにすることができるものをさします。一方「餅」は、もち米を蒸して臼でついた後、さまざまな形にしたものをさします。つまり米粒状のものは「米偏」、食べられる状態になったもちは「食べる偏」。先人の知恵を感じますね。


子どもの成長を願う「一升もち」
子どもの成長を願う「一升もち」
一升分ついたもちは「一升もち」と呼ばれ、古来より子どもの誕生日や還暦などの節目の祝い、上棟式などの祝い事に用いられてきました。子どもの1歳の誕生日に、風呂敷に包んだ一升もちを背負わせて歩かせたり、床に置いて踏ませたりして、健やかな成長を願う伝統行事を行っている地域があります。この日のためについた一升もちは「誕生もち」「背負いもち」「力もち」などと呼ばれ、もちを背負った子どもが泣けば泣くほど、元気に成長するともいわれ、盛大に祝います。

写真提供:新潟菓子工房 菜菓亭


鏡開きの意味、知っていますか?
昔の人々は、鏡もちには神様の霊力が宿ると考えていました。固くなった鏡もちを叩いて割り(鏡を開き)、それを食べることで、新しい生命をいただくことができると信じられていたのです。鏡開きには1年の無病息災を祈る気持ちが込められています。

 鏡開きは松の内が明けた1月11日に行うのが一般的ですが、地方によって違いがあります。

箱根峠に今も残る甘酒茶屋の「力餅」

箱根峠に今も残る甘酒茶屋の「力餅」


峠の茶屋にはもちがつきもの?
ご飯100gが168kcalなのに対して、もちだと100gで235kcal。もちのほうが少量でもエネルギー補給源になります。ゆっくりと消化され、ゆっくりとエネルギーに変わるもちは、持久力が必要なときに最適な食べ物といえます。

安藤広重の浮世絵「木曽街道六十九次」の「関ヶ原」には、「さとうもち」と書かれた提灯のある茶屋が描かれています。カロリー計算などのない時代にも、もちのパワーをみな知っていたのですね。主要街道の峠の茶屋には「力餅」を出すところが数多くありました。磯辺巻きだったり、あんこもちだったり、場所によってもちの食べ方は違いますが、東海道「箱根峠」の甘酒茶屋の力餅や中山道「和田峠」の力餅は、今でも食べることができる有名な「峠の名物」です。

季節ともち

季節ともち

季節ともち


お正月
鏡もちを飾り、お雑煮を食べます。

2月15日 涅槃会(ねはんえ)
釈迦が亡くなったとされる日。お寺で行う法会(ほうえ)の際、ヨモギ入りの団子を作ったり、白い団子を子ども達に配ります。

3月3日 雛祭
三色のもちを重ねた菱もちを雛段に飾ります。赤と緑は魔除け、白は清らかにという意味があります。

桜の頃
桜もちを食べます。奈良時代から続く習慣です。

春の彼岸、春分の日
ぼたもちを作って仏壇や先祖の墓に供えます。ぼたもちは土用の丑の日に供えると「土用餅」、秋の彼岸に供えると「はぎのもち(おはぎ)」と呼ばれます。

入学、卒業、進学の時期
親戚縁者から祝いもちが贈られます。

5月5日 端午の節句
柏もちを食べます。柏もちを食べるようになったのは江戸時代中期からです。

7月7日 七夕
地域によっては、祖先の霊を迎えるために七夕もちを供えます。

土用の丑の日
地域によっては、暑さを乗りきるために土用餅を食べて、体力をつけるといわれています。

8月15日 盂蘭盆会(うらぼんえ)
お盆に先祖が帰ってくるお祝いとして、もちを供える風習が今も残っています。米粉の団子やもち粉から作る最中、おはぎなども供えます。

仲秋
萩やすすきと一緒に米粉で作った月見団子を供えます。

団子を供えます。秋の彼岸、秋分の日
 仏壇や先祖の墓におはぎや米粉の団子を供えます。

10月の亥(い)の日
主に西日本の風習で、10月13日前後に子孫隆盛と無病息災を願って、亥の子もちを食べます。

11月15日 七五三
親戚縁者から贈られた祝いもちを食べます。お祝い返しに「千歳飴(ちとせあめ)」を返す習慣は江戸時代末期から始まりました。

出典:全国餅工業協同組合「日本人とお餅の関係」