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MAFF TOPICS(4)

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affラボ 地域の特産品を目指せ

水稲新品種「越のかおり」を使った米麺を製品化


(独)農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は新潟県内の自治体企業、JAと共同で水稲新品種「越のかおり」を使った米麺を製品化しました。
「越のかおり」の米麺は、米の消費拡大にもつながる新潟県の新たな地域特産物として期待が寄せられています。

「越のかおり」を原料として開発、市販されている米麺

「越のかおり」を原料として開発、市販されている米麺

籾(もみ)と玄米。「越のかおり」はインディカ種を交配した品種だが、短粒なので、選別、精米に既存の設備が適用できる

籾(もみ)と玄米。「越のかおり」はインディカ種を交配した品種だが、短粒なので、選別、精米に既存の設備が適用できる

左が高アミロース米の「越のかおり」を使用した米麺。右は中アミロース米の「春陽」を使用した米麺

左が高アミロース米の「越のかおり」を使用した米麺。右は中アミロース米の「春陽」を使用した米麺

インディカ種の性質を導入

食料自給率の向上や米の消費量の拡大に向け、米粉を使った麺が各地で注目されています。

ところが、「コシヒカリ」など一般のジャポニカ種のうるち米の米粉を使った米麺は表面の粘りが強く、茹でてしばらくすると麺同士がくっつきやすく、麺離れが悪くなることが欠点です(米の種類と粘りの関係については「特集1 米粉の可能性(5)」をご覧ください)

農研機構中央農業総合研究センター北陸研究センターは、こうした欠点を改良し、製麺に適した水稲新品種「越のかおり」を育成しました。

「越のかおり」は関東から九州まで広い範囲で栽培されている水稲品種「キヌヒカリ」に、インディカ種「Surjamukhi(サージャンキ)」の粘りの少ない性質を導入した品種です。

「越のかおり」の育成が始まったのは平成2年。平成10年には、その特性が評価できる段階になっていましたが、当時は粘りが少ない性質をもつ米の需要がなく、育成を中断せざるを得なくなりました。

粘りの少ない米の特徴を生かして米麺に
再び日の目を浴びたのは平成15年。粘りの少ない特性の米(高アミロース米)が持つ、消化されにくく食物繊維と同様の働きをする「難消化性デンプン」の機能性を生かした食品の開発に向け、育成が再開されたのです。

「平成17年には、この高アミロース米の水稲を『北陸207号』としました。この米を使った糖尿病患者用食品の開発を進めていましたが、さまざまな要因から難航していました。このような状況のなか、上越市役所と製麺企業の(株)自然芋(じねんじょ)そばの方が当研究センターに見えました。北海道の『ゆきひかり』で米の麺を作っているが、上越地域でも栽培できる麺に向く米の品種はないか、というご相談でした」(農研機構中央農業総合研究センター北陸研究センター三浦清之さん)

『高アミロース米はライスヌードルに適する』という報告を思い出した三浦さんは、『北陸207号』を紹介し製麺試験をしてもらいました。その後、(株)自然芋そば、上越市、JAえちご上越、上越米粉研究会の共同研究により米麺への加工適性が明確になり、栽培農家の確保や製品化が進められて、『北陸207号』は『越のかおり』という品種になりました。

「品種というものは、人との出会いやその後のつながりで生まれる、とこの経験を通して改めて思いました。『越のかおり』に関わった方々へは感謝しています」(三浦さん)

「越のかおり」は耐倒伏性が「コシヒカリ」より強く、農家からは作りやすいと評価を得ています。また米の麺は、うどんとは異なったコシの強い歯ごたえと、米本来の味が生かされていると消費者にも好評です。

米の麺の消費は、直接、米の消費拡大や食料自給率の向上にもつながります。機会があったら米の麺を味わってみてはいかがでしょう。