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お宝!日本の「郷土」食 10[秋田県横手市]

なたで大根ザクザクが醍醐味

「なた漬け」は甘酒が決めて


なた漬け。白く清らかでほんのり甘い

なた漬け。白く清らかでほんのり甘い

枝を切るなたが刃こぼれしたり、切れなくなると、なた漬け用になる

枝を切るなたが刃こぼれしたり、切れなくなると、なた漬け用になる

佐々木絹子さん

佐々木絹子さん。仙台からお嫁にきて40年。姑さんが使ったなたを受け継ぐ。

藁を編んだ「こも」は手刈りで天日干しのあきたこまちを編んだもの。麹の乾き防止に使用。

藁を編んだ「こも」は手刈りで天日干しのあきたこまちを編んだもの。麹の乾き防止に使用。

石造りの麹室で、箱に麹を猛スピードで盛るのは御年75歳のベテラン女性。

石造りの麹室で、箱に麹を猛スピードで盛るのは御年75歳のベテラン女性。

左から娘さん、母・絹子さん、息子さん。娘婿さんと羽場こうじ店のファミリー絆は強固

左から娘さん、母・絹子さん、息子さん。娘婿さんと羽場こうじ店のファミリー絆は強固

文・写真 山本洋子

「まんず、おちゃっこ飲んで」が秋田流おもてなし。そのお茶と一緒に出てくるのが、がっこ=漬物。お菓子代わりになるほどバリエーション豊かながっこ、冬は大根が主役です。有名なスモーク沢庵の”いぶりがっこ”そして”外干し”と呼ばれる沢庵、生大根を塩漬けした”生漬け”の3種が代表格。生漬けには果物の柿を使った甘い”柿漬け”と”なた漬け”があります。

姑時代から現役のなた
 ”なた”漬けとは、枝打ち用のなたで、大根を鉛筆を削るようにそぐのが特徴。秋田のお母さんはMyなたを必ず持っています。秋田美人がにこりと笑って、なたを振り下ろす姿は武道家のような立ち居振る舞い!

塩でしめた後、甘酒で漬けるなた漬け。家の数だけ味があるといいます。そこで名人と言われる麹屋の女将さん、佐々木絹子さん(65歳)を訪ねました。

絹子さんは仙台から嫁いで40年。愛用のなたは生前、姑が使っていたもの。見るからに猛々しいそのなたは計ると645gもあり(普通の包丁の5倍)、ずっしり重たい年代もの。そのなたを絹子さんが軽々と振り回し、大根を面白いようにそぎ切っていきます。思わず見とれてしまいました。

甘酒の価値を伝えたい
なた漬けは甘酒が味の要。「砂糖使うと保存がききますが、私は入れません。麹だけの甘さがおいしいし、それが自然の味だから」。

「甘酒は酵素が働くから毎日飲むと健康にいいんですよ。原料はもち米と米麹だけ。本当の健康食です」と絹子さん。

「母の口ぐせは”甘酒飲むと美人になるよ”でした!」とお嬢さんの百合子さん。

なたを使うのは冬のなた漬けを作る時だけ。絹子さんが言う「なた漬けの季節が始まる日、なたの重みを手にしたときに、今年はどんなふうに漬かるかなあ、父さんや子どもたちがどんなふうにいうかなあ…って、なたを持つだけでワクワクするんですよ!」

なた漬けの作り方

なた漬けの作り方
なた漬けの作り方  

【材料】
大根4kg、甘酒700g、塩90g、赤唐辛子1本
【作り方】
1. 大根は皮をむく。
2. なたで食べやすい大きさにそぐ。
3. 桶に入れ、塩をふりよく混ぜる。2~2.5kgの重石を載せ、1~2日間下漬けして大根の辛味を抜く。
4. ザルに上げて水気を抜き、桶に再び戻す。小口切りした赤唐辛子を散らし、甘酒を加えてよく混ぜる。
5. 1kgの重石を載せる。2日程度で漬け上がったら重石を外し、冷蔵庫で保存。早めに食べる。

なた漬け用の甘酒の作り方
もち米1合に対し麹1kg。もち米を4時間ほど水に浸した後、水1リットルで炊く。米に割れ目が入ってのり状になるのが目安。80度まで冷めたらほぐした麹を混ぜる。水分が足りなければ80℃の湯を少し足す。ふた付きの容器に入れ50~60度で6時間保温し、その後急冷する。電気炊飯器を使うと簡単(1.5~2時間で完成、その後急冷する)。
*急冷しないと黒ずむため。

羽場こうじ店
秋田県横手市増田町羽場72
電話.0182-45-2600
http://www.habakoji.com/

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