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MAFF TOPICS(2)

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affラボ 眠っている間にいちごを収穫!

世界が注目する「いちご収穫ロボット」


いちごの栽培や収穫はすべて手作業で行われています。
収穫期間も約半年と長く、出荷までに多くの時間と労力を必要とします。
いちご農家の負担を軽減するため、いちご収穫ロボットが世界に先駆けて開発されました。

いちご

ロボット本体とハウス内を移動するための走行部

ロボット本体とハウス内を移動するための走行部。ロボットは、地面より高い位置でいちごを栽培する高設栽培に対応。1粒を9秒で収穫する

ロボットに装備されているLED照明、3台のカメラと採果ハンド。

ロボットに装備されているLED照明、3台のカメラと採果ハンド。
採りたい果実の熟度の設定は収穫ロボットに搭載されているパソコンで簡単に設定できる。ロボットは画像処理を行っており、収穫時に果実の大きさも認識できているので少しのプログラムの追加で大きな果実のみを採ることも可能

果実の色味具合、熟度を判定し茎を切断する

果実の色味具合、熟度を判定し茎を切断する。品種による果実の色味具合の差も、着色度を判定するプログラムを調整することで対応ができる

収穫したいちごは順次トレイに収納される。トレイが一杯になったら自動で次のトレイが準備される

収穫したいちごは順次トレイに収納される。トレイが一杯になったら自動で次のトレイが準備される

切望されていた省力化
店頭を鮮やかに彩るいちごですが、栽培して出荷するまでに10アールあたり2,000時間と、米作りの約70倍もの時間がかかるのをご存じでしょうか。

そのうち1,000時間は収穫と、店頭に並べるためのパック詰めに費やされます。収穫しケースに詰めて出荷するという作業は、いちご農家にとって大きな負担となっているのが現状です。とくに収穫作業は全体の労働時間の25%を占めており、なんとか省力化や機械化ができないものか、と切望されていました。

そこで(独)農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター(以下、生研センター)は、エスアイ精工(株)(現・シブヤ精機(株))と共同でいちごの収穫作業の省力化を図るため、いちご収穫ロボットの開発に着手し、世界で初めて実用ロボットの完成に成功しました。

収穫作業の約2/3をロボットが担当
ロボットはハウス内に設置しているレールの上を移動しながらいちごを摘み取ります。  

ロボット本体は3台のカメラ、LED照明、果実を採る採果ハンドとトレイを装備。両脇の2台のカメラが実際の果実の位置と色合い・熟度の判定を行います。中央のカメラが果実の果柄を探し、切断位置を決め採果ハンドで切断し、トレイに収納します。

ロボットが稼働するのは夜間。照明条件が安定するので果実が見つけやすいこと、果実温度が低いので傷つきにくいといった理由からです。いちご農家にとっては眠っている間に収穫が終了していることになります。ただし収穫できるのは成熟した果実の60%から65%。収穫する果実の周辺に未熟果実が重なっていたり、ロボットから見えない場所に果実が隠れていたりする場合は摘み残しとなります。

「果実の重なりを判定する方法・プログラムは難しく今でも苦労しています。収穫する果実の周辺に未熟果が重なり合っている場合に、無理に収穫して果実に傷を付けたり取ってしまわないように、工夫しています」(生研センター園芸工学研究部主任研究官 林茂彦さん)

現在このロボットは農家のいちごハウスで実証試験を積み重ねており、近いうちに実用化される予定です。農家にとって収穫労働の削減と果実損傷の低減、また将来的には果実の収穫データの蓄積、栽培状況の監視も可能になります。

消費者にとっては生産者、収穫時刻、場所といった正確なトレーサビリティの情報を得ることができるようになります。


独立法人 農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター
http://brain.naro.affrc.go.jp/iam/Team/iam_team_robo00.html