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農林水産省

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特集1 応援しよう!国産の力(3)

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畜産業の国内生産を支える

輸入飼料から国産飼料へ


わが国ではとうもろこしなど、飼料穀物のほとんどを海外から輸入しています。
近年、これらの穀物は化石燃料に代わるバイオ燃料の原料として注目され、世界的な需要拡大に伴う国際価格の上昇が懸念されています。
これらの飼料穀物も、できる限り国内で自給していく必要があります。


トキワ養鶏では籾がらがついた米を鶏に与えている
トキワ養鶏では籾がらがついた米を鶏に与えている

まほろばライブファームの伊藤幸蔵さん(左)と、飼育担当の石川公士さん(右)。

「コメから育てたTHAT’S国産鶏」の生みの親。まほろばライブファームの伊藤幸蔵さん(左)と、飼育担当の石川公士さん(右)

国産の飼料を食べ、鶏舎で平飼されているまほろばライブファームの鶏たち

国産の飼料を食べ、鶏舎で平飼されているまほろばライブファームの鶏たち

「コメから育てたTHAT’S国産鶏」のムネ肉

「コメから育てたTHAT’S国産鶏」のムネ肉。肉質がしっとりしていると評判だ

純国産鶏「岡崎おうはん」

トキワ養鶏で飼育しているのは、平成20年に国が品種開発を行った、国内で持続的に生産が可能な純国産鶏「岡崎おうはん」だ

手前が飼料用米で育った鶏の卵で、奥はとうもろこしで育った鶏の卵

卵の黄身はエサによって色の濃さが変わる。手前が飼料用米で育った鶏の卵で、奥はとうもろこしで育った鶏の卵。米を食べて育った鶏の卵は甘みがあると好評

生草やサイレージ(牧草や飼料作物を貯蔵し発酵させたもの)、乾草、わら類など、自給できる国産飼料にこだわって、乳牛を飼育している酪農家もいる

生草やサイレージ(牧草や飼料作物を貯蔵し発酵させたもの)、乾草、わら類など、自給できる国産飼料にこだわって、乳牛を飼育している酪農家もいる
鶏の飼料は約9割が輸入
日本は1人当たりの卵の消費量が世界でもトップクラスです。平成21年度の消費量は260万トン。これを個数換算すると約400億個に及びます。

消費量がこれだけ多く、また96%以上の卵を国内自給できているにもかかわらず卵の自給率は10%です。これは鶏の飼料原料の約9割を輸入しているからです。

養鶏農家の多くが、養鶏に必要な栄養成分を補給するために、とうもろこし、マイロ(こうりゃんの一種)などの穀物を主体に何種類もの原料を混ぜ合わせて作られる「配合飼料」を使っています。

鶏の月齢や用途などによって数多くの配合飼料が販売されていますが、その原料は輸入された穀物が中心となっています。

ヒナからすべて国産飼料で飼養
鶏肉を生産している山形県高畠町のまほろばライブファームでは、平成16年から飼料に米を使い始めました。ここ数年、輸入穀物は国際相場が高騰し、供給は不安定で先が読めません。同社では将来的にも飼料の自給体制を確立したいと考えていました。

そこで地域の仲間と飼料用米を栽培し、飼料の約半分を占めていたとうもろこしを米に変えることに成功したのです。そして、平成21年3月からすべて国産の飼料で育てた「コメから育てたTHAT’S国産鶏」の販売を開始しました。

まほろばライブファームの伊藤幸蔵さんは、高畠町置賜(おきたま)地区で組織の枠を超え、飼料用米をつくって地域の水田を守ることを米農家に呼びかけ、「置賜地区飼料米協議会」を設立。会員が栽培した飼料用米を鶏のエサにし、その排泄物を使った堆肥を田畑に還元すると言う循環型農業に取り組んでいます。

また、酪農や畜産の現場でも国産飼料の割合を増やしていく取り組みが進められています。

米で育った鶏が、続々登場
最近徐々に、鶏の飼料に国産の飼料用米を使う養鶏農家が増えてきました。米で育った鶏卵も続々と登場しています。

まほろばライブファームと同じように、青森県常盤村養鶏農業協同組合トキワ養鶏では、休耕田を利用して栽培した飼料用米で鶏を育てる「こめたまプロジェクト」を進めてきました。

ほかにも、青森県の坂本養鶏株式会社「青森の米たまご」、京都府の赤岩山麓自然卵組合「めでたまご」、ユーコープ事業連合の「味菜卵」など、各地で飼料用米を食べた鶏の卵が生産されています。

飼料自給率を考慮した畜産物の自給率


ポークランドグループが生産している「こめ豚」の肉

ポークランドグループが生産している「こめ豚」の肉。消費者からは「肉に臭みがなくて、軟らかい」といった声が届いている
産地での取り組み
米で育った畜産物
25%しかない飼料の自給率を上げる方法のひとつが、飼料用米の生産拡大です。

今、飼料用米をエサとして利用する動きは各地で始まっています。

秋田県のポークランドグループでは、県内の稲作農家に飼料用米の栽培を委託し、1万8,000頭の豚の飼料として活用しています。また、山形県の株式会社平田牧場では、休耕田を利用して飼料用米を作り、飼育している豚の飼料にすることで食料自給率を高めようという「飼料用米プロジェクト」を展開しています。飼料用米の生産は食料自給率の向上につながるだけでなく、稲作農家と畜産農家の「耕畜連携」の強化にもなり、地域の活性化につながっています。今後さらに飼料用米の生産農家が増えることが期待されています。