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農林水産省

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特集2 食材まるかじり(2)

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日本料理の原点 だし

コンブの選び方・使い方、煮干


だし


水に浸けただけのコンブだしの「飲み比べ」をしながら産地の特徴を語る吹田さん

水に浸けただけのコンブだしの「飲み比べ」をしながら産地の特徴を語る吹田さん

コンブの表面に吹いた白い粉の正体は、うま味の元の「グルタミン酸」。

コンブの表面に吹いた白い粉の正体は、うま味の元の「グルタミン酸」。「昔は使う前にコンブの表面をよく拭けといったけれど最近は産地の管理が良いから小石や汚れはめったにない」(吹田さん)。白い粉も取らないで使おう

晴海通りに面した老舗店。店に出すコンブはみな1年寝かせたもの。磯臭さが抜けてうま味が増すのだそうだ

晴海通りに面した老舗店。店に出すコンブはみな1年寝かせたもの。磯臭さが抜けてうま味が増すのだそうだ

吹田商店
東京都中央区築地4-11-1
TEL:03-3541-6931
営業時間:6:00~14:00
東京・築地の昆布問屋で聞きました
色やブランドに惑わされない
コンブの選び方・使い方

「最近のお客さんはみな一様に利尻産をくれとか、大きくて黒いコンブがいいなどという。でもそれって何の根拠もないんですよ」というのは、戦前から東京・築地に店を構える昆布商「吹田商店」の店主、吹田勝良さんです。

最初に通されたのは小売もする店舗2階の事務室。そこで冷蔵庫からコンブと水の入ったポット5つをおもむろに出され「どれが好きですか?」といきなりの「味見会」。塩気のない「だし」を恐る恐る口に含むと、すっきりと上品なもの、コクのあるもの、磯の香りの強いものなどおどろくほど味が違う。なんとなく「自分の好み」がわかる気がします。

「その好みが大事なんです。コンブは色や形、大きさなどの見た目じゃわからない。『一等検』などの基準も各産地が決めているので比べにくい。どんな料理に使うか、今ならどれがおいしいか、お店の人と相談して買うのが一番です」。
しかし、最近はコンブを扱う乾物屋さんが激減。今ではスーパーで買うのがせいぜいです。そこは吹田さんも残念そう。みんなにもっとコンブを好きになってほしいと、愛情いっぱいの方なのです。

「コンブは手のかからない食材です。水入りのポットに入れて冷蔵庫で4~5日は持ちます。だしをひいた後のものも2~3日中に煮物などに利用すればいい。よく、沸騰する直前にコンブを引き上げるなどというけれど家庭なら多少ぐつぐつ沸いてもいいじゃない。もっと気軽に使って好きな味、好きな種類を見つけてください」

昔、戦国時代の武士たちは、濡れても乾いてもカビが生えない限りはおいしく食べられるコンブを携帯食にしたのだそうです。時代は変わっても、コンブのよさを上手に生かしたいものですね。

北海道コンブマップ
それぞれの特徴を知って上手に利用しましょう(解説・吹田勝良氏)

コンブの表面に吹いた白い粉の正体は、うま味の元の「グルタミン酸」。

羅臼コンブ   利尻コンブ   日高コンブ(三石昆布)

羅臼コンブ
味わいの濃いだしがひけます。また柔らかく、口当たりもよいので細切りをそのまま食べたり、酢コンブなどにしても美味。富山地方で好まれています

 
利尻コンブ
塩味がかった味が特徴の、澄んだ香りのよいだしがひけます。京都では、お椀ものや千枚漬け、湯豆腐などによく使われます。だしをひいた後のものは堅くて煮物には不向き

 
日高コンブ(三石昆布)
だしコンブとして使われるだけでなく、柔らかく煮上がることから昆布巻きなどの副惣菜用にも適しています。だしをひいた後に佃煮などにも利用できます。関東以北で人気の昆布です

真コンブ(山出しコンブ)
だし汁が清澄で上品な味わいがあるので、お吸い物などに適しています。また塩コンブや、佃煮、おぼろコンブなどの原料にもなります。大阪地方で特に多く使われています
  長コンブ
煮上りが早く、煮崩れしないコンブなので、昆布巻きやおでんの煮物などに適しています。長寿で有名な沖縄では、この長コンブを料理に使っています
   

種類によって大小さまざま。腹側にへの字に曲がっているものが、品質がよいとされる

種類によって大小さまざま。腹側にへの字に曲がっているものが、品質がよいとされる

種類によって大小さまざま。腹側にへの字に曲がっているものが、品質がよいとされる
これぞ日本の庶民の味! 煮干

九州や四国など、西日本で使われることが多い煮干は、「いりこ」(九州)、「じゃこ」(関西)など、さまざまな呼称をもつ日本を代表するだしの1つ。最大の産地は長崎県で、原料の多くは黒潮にのって押し寄せるカタクチイワシやマイワシの稚魚ですが、ほかにアジやサバの稚魚で作られることもあります。鰹節に比べて安価なため、古くから庶民に親しまれてきました。濃厚な風味と味を持ち、みそ汁や煮物などふだんのおかずによく利用されます。頭とはらわたを取り除いて苦味を抑えたり、そのまま煮出して濃厚な味に仕上げるなど、地方によってさまざまな使い方があります。

殺菌し香りをつける「いぶし」は鰹節作りの要所

個性豊かな日本のだし

干ししいたけ   干し貝柱

干ししいたけ

日本を代表するきのこ、しいたけを干したもの。冬茹(どんこ)、香信(こうしん)、香茹(こうこ)など、産地や収穫の時期などによって呼び名が違う。代表産地は大分、宮城、岩手、静岡。だしは香り高くコクのある味わいに

 
干し貝柱
中国の食材と思われがちだが、北海道オホーツク沿岸、函館・噴火湾、青森・陸奥湾などで優良な干し貝柱が生産されている。水出しで濃厚なだしができる。柔らかくなった身と一緒にスープやおかゆに使うことが多い

干しエビ   あご

干しエビ
瀬戸内海沿岸などで採れたエビの皮をむき、塩茹でして干したもの。そのまま食べられるほどの柔らかさだが、コンブとの合わせだしでそうめんのつゆを作るのがこの地方の郷土食。香ばしく上品な味になる
 
あご
あごとは山陰・福岡・長崎でのトビウオの地方名。内蔵を取り除いて焼いたものを干した「丸焼き干し」がだしに使われる。クセがなく上品な味わいで、九州地方のお雑煮のだしとして有名。生産量が少ないため高価