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特集2 食材まるかじり(3)

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日本料理の原点 だし

初めてでも意外と簡単 天然だしをひいてみよう!


鰹節を火にかけるのはほんの一瞬。他の材料は、寝る前や出かける前に水と一緒に鍋の中に入れておけばよく、意外と手間がかかりません。
よい香りとうま味いっぱいの天然だし作りに挑戦してみましょう。



合わせだしならうま味も倍増

うまみ
合わせだしならうま味も倍増

だしに含まれるうま味とは、甘味、塩味、酸味、苦味に次ぐ第5の味覚といわれます。植物性のコンブにはグルタミン酸(アミノ酸の一種)、動物性の鰹節や煮干にはイノシン酸(核酸の一種)、きのこの仲間であるしいたけにはグアニル酸といううま味成分が多く含まれています。

近年、アミノ酸系の成分と核酸系の成分を一緒に使うことで、よりいっそううま味が増すことが科学的に解明されてきました。ところが、日本料理の世界ではコンブとカツオの合わせだしでうま味を増す料理法が昔から知られ、長く受け継がれているのです。海のものと山のものなどを組み合わせてうま味の相乗効果を引き出す日本ならではの伝統の技、覚えておきたいものです。

だしの基本「一番だし」を作ろう
材料/水1ℓ、コンブ20g、カツオの削り節30g

コンブだしをとる   カツオの削り節を入れる   カツオの削り節を沈殿させる   上澄みをこす

(1)コンブだしをとる

鍋に水1ℓとコンブ20gを入れてひと晩おく(1時間でもよい)。火にかけたらコンブの周りに泡が立つくらいのところで火を弱め(消してもよい)、10分ほどしたらコンブを引き上げる。お湯を沸騰させないのがポイント

 
(2)カツオの削り節を入れる

火を強め、沸騰直前になったらさし水を少々加え、その後にカツオの削り節30gを加えてすぐ火を止める

 
(3)カツオの削り節を沈殿させる

そのまま放置して、削り節がそこに沈むのを待つ。その間菜ばしなどでかき回さないように
 
(4)上澄みをこす

削り節が沈殿したら、上澄みだけをザルとふきん(キッチンペーパーが手軽)を使って静かにこす。ザルにたまった削り節をギュッと絞ると苦味が出てしまうので注意する。出来上がった一番だしは、すまし汁や高級な煮物にどうぞ

コンブだしをとる   残ったコンブと削り節は二番だしに   鰹節削り節(本枯節)

鰹節削り節(本枯節)
  鰹削り節(荒節)

鰹削り節(荒節)
あまっただし汁は、ポットなどに移して冷蔵庫で2、3日保存できます。それ以上になるときは密閉袋などに移して冷凍保存を。2週間を目安に使い切りましょう

  残ったコンブと削り節は二番だしに
一番だしをこした後、残ったコンブと削り節を鍋に戻し、水を700ccほど加えてもう一度中火にかけます。煮立ち始めたら削り節をひとつかみ加え、コトコト20分ほど加熱すると二番だしの出来上がり。一番だしに比べて香りは落ちますが、深いうまみが出てみそ汁や煮物に最適なだしになります。

 
今回使った削り節は、カビのついた本枯鰹節を削った「鰹節削り節」というもの。深い香りと独特のうまみが特徴です。一方、市販のパック詰め商品は、カビをつける前の「荒節」を削った「鰹削り節」が一般的です。香りは一段落ちますが、手頃な価格が魅力。この違いは、パッケージ後ろの「製品表記」の部分で確認できます。また、袋入りでも厚く大きく削った「厚削り」は長く煮出すことでカツオの味と香りをじっくり引き出すもの。蕎麦屋のめんつゆ作りなどでよく使われます。削り節は元の鰹節の種類、削り方の違いによって上手に使い分けましょう。

この合わせワザで家庭料理をもっとおいしく !

毎朝おいしいみそ汁を   うまみたっぷりのだししょう油に   四国名物のそうめんつゆに   本格的な中華粥を

コンブ+煮干で
毎朝おいしいみそ汁を

煮干だけでもおいしいみそ汁ができますが、コンブを加えることで風味がアップ。しかもこの組み合わせなら夜寝る前に鍋に入れておくだけ(煮干は頭とはらわたを取って)。朝は鍋を火にかけ、沸騰直前にコンブを、少し煮出してから煮干を時間差で引き上げるだけ。ふだんから適量の大きさにコンブをカットしておくとさらに便利です。

 
カットコンブ+しょう油で
うまみたっぷりのだししょう油に

しょう油差しにしょう油と一緒にカットしたコンブを入れておくだけで、コンブのうまみ成分が溶け出し、とろっとしてまろやかなだししょう油が出来上がります。コンブはだしなどに使ううちに残る小さな切れ端で十分です。お刺身や冷奴、炒めものにも。保存は冷蔵庫に入れて、一週間をめどに使い切りましょう。
 
コンブ+干しエビで
四国名物のそうめんつゆに

水1ℓにコンブ20g、干しエビ30g程度を加えて数時間おき、火にかけたら沸騰前にコンブを引き上げ、干しエビをさらに10分ほど煮出したら出来上がり。これにみりんとしょう油を各1カップ加えると、独特の香り豊かなそうめんのつけ汁になります。だしがしっかりしているので調味料の加減はお好みで。残った干しエビも一緒に、また煮物や炒めものにも利用できます。
 
干ししいたけ+干し貝柱で
本格的な中華粥を

鍋に干ししいたけ1個と干し貝柱を適量入れて一晩放置。お米は洗ってザルにあけておきます。翌朝は鍋にお米を加えて弱火でコトコト。おかゆならお水の量も目分量でかまいません。数十分後、塩で味を調えれば滋味豊かな中華粥の出来上がり。ふだんよりゆっくり過ごせる休日の朝にいかがですか?

だしをひいた後はこんなレシピで無駄なくリメイク !

コンブ   削り節   煮干    

コンブ
長寿国・沖縄に学ぶ
クーブイリチー(コンブの炒めもの)

だしに使った後のコンブを細く切り、豚肉、にんじん、油揚げと一緒に油で炒め、酒、砂糖、しょう油で味つけ。仕上げに青菜をプラス。食卓にあと一品欲しいときにうれしい副惣菜になります。

 
削り節
フライパンで乾燥させるふりかけ

残った削り節を熱したフライパンの上に広げてからいりするだけ。同時にちりめんじゃこやゴマを加え、砂糖・しょう油・みりんなどをお好みで加えて味を調えます。カツオだしの風味がきいた極上のふりかけに。
 
煮干
オリーブオイルで大変身
オイルサーディンもどき

小さな密閉容器にオリーブオイル大さじ3、塩ひとつまみ、黒こしょう、オレガノ、小口切り唐辛子少々を合わせておき、だしからあげた煮干を加えるだけ。熱が冷めればおいしくいただけます。和から洋への変身が爽快な一皿です。