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MAFF TOPICS(2)

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affラボ 欧州ぶどうと米国ぶどうの長所を持った話題の品種シャインマスカット


シャインマスカットは大粒の果実で味・食感に優れ、種無し栽培ができ、皮ごと食べられるぶどうとして評判を呼んでいます。
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所が開発し、品種として登録されたのは2006年。
まだ全国での栽培面積は少ないものの、商品価値が高く育てやすいとぶどう生産者の関心を集めています。今後、生産量の増加が期待されるぶどうの品種です。

棚栽培されているシャインマスカット

棚栽培されているシャインマスカット

まるまると大きな粒。糖度は18~19度ほどで巨峰と同程度だが酸味は少ない

まるまると大きな粒。糖度は18~19度ほどで巨峰と同程度だが酸味は少ない

おいしくて病気に強く育てやすい品種
夏から秋にかけてはさまざまな種類のぶどうが市場に出回り、私たちの味覚を楽しませてくれます。

シャインマスカットは欧州ぶどうの持つ硬くてしまりある肉質、大粒な果実といった品質の良さと、米国ぶどうの持つ病気に強く、果皮が割れにくい、栽培しやすいという特徴を併せ持つ品種として開発されました。

日本で開発された品種としては珍しくマスカット香もあります。

欧州ぶどうは世界のぶどう生産量の9割以上を占める、しまりのある肉質でサクッと噛み切れ、果皮が薄い品種が多いので皮ごと食べられるのが特徴。ただし日本のように生育シーズンに雨が多い地域では、病気が発生したり果皮が割れてしまったりするため、栽培しにくいぶどうと言えます。

一方、米国ぶどうは病気に強く、生育期に雨が多くても果皮が割れにくいので、日本での栽培に適しています。しかし欧州ぶどうと比べると生食用の品質としてはいまひとつです。

延べ30年の研究の成果
この欧州ぶどうと米国ぶどうの両方の長所を持つぶどうの品種改良は1988年から始められました。
欧米雑種(欧州ぶどうと米国ぶどうを交配したもの)の安芸津21号に欧州ぶどうの白南を交配し、交配集団のなかから選抜したものを日本各地で試作栽培しました。

その特性の優秀性が認められシャインマスカットと命名されたのは、研究開始から実に15年後の2003年。親の代の安芸津21号の交配から考えると、のべ30年もの期間を経て品種改良されました。

果樹の品種改良は交配を行い、取った種子から育成した苗をほ場で栽培し、実を結ばせます。果実や樹の特性を把握するには一定の時間がかかるため、それらの調査には数年を要します。多いときには1年間に1,000ほどのぶどうの樹を調査するそうです。

「ほかのくだもの同様、ぶどうは同じ親の種をまいても、果実の大きさ、色、味などは親とも兄弟とも全く違う個体が生じます。果実調査は、その中から、目的に合った個体を慎重に選ぶ重要な作業です。もし目的の個体を見逃して伐採してしまったら二度と同じ個体は得られませんので緊張します」と、果樹研究所 ブドウ・カキ研究領域の佐藤明彦さんは話してくれました。

現在、研究所には、シャインマスカットの視察に、全国のぶどう生産者が来るそうです。

今はまだ生産量が少なく、市場への流通も限られていますが、近い将来スーパーなどでもおなじみの果物となりそうです。