ホーム > 報道・広報 > 2012年aff(あふ)5月号 > aff(あふ)バックナンバー > 11年10月号目次 > 特集2 食材まるかじり(1)
| 秋の里山には、栗、クルミ、ギンナン、トチの実などの木の実がたわわに実ります。 毎年、木の実拾いを楽しみにする人がいる一方で、 最近では「木の実ってどんなふうになっているの?」と、その様子を知らない人も多いことでしょう。 今回は、収穫直前の里山を取材。現地の方々に木の実の拾い方や、調理の仕方などを教わりました。 併せておつまみ気分で手軽に食べられる、世界の木の実もご紹介。 秋の献立作りにお役立てください。 |
![]() ![]() 左から岩崎キクノさん(88歳)、細見恵美子さん(81歳)、渡辺ふじ子さん(85歳)、渡辺和重さん(59歳) ![]() 高さ30mにも成長するトチノキ科の落葉樹「トチの木」になる実で、縄文時代の遺跡からも出土するほど古くから食用にされてきた木の実。シイ、カシ、カシワ、クヌギ、ナラといったブナ科の木の実(=ドングリ)に比べてあくが強く、あく抜きに非常に手間がかかるため、最近では、トチ餅が里山の一部でお正月などの行事食として食べられたり、お土産屋で販売される程度となっている |
「トチの実のある暮らし」を通して小さな集落の活性化を図る新しい試み 京都府北部に位置する綾部市の山間地にある、わずか5世帯6人が暮らす「古屋集落」を訪ねました。ここは由良(ゆら)川、上林(かんばやし)川の源流となる豊かな水に恵まれたまさに「水源の里」。集落の裏山には谷沿いにおよそ500本ものトチの木があり、そこに実るトチの実は、お正月やおもてなし料理の貴重な食材となります。京都府綾部市・古屋(こや)集落の皆さん しかし、この木の実の収穫にも高齢化の問題が。採る人が足りないし、収穫してもこの人数では食べきれるものではありません。 「集落の貴重な財産であるトチの実を通して、もっと多くの人に古屋集落のことを知ってもらおう」と、自治会長の渡辺和重さんが綾部市や京都府などの協力を得て現在挑戦しているのは、全国にボランティアを募ってのトチの実拾いと、住人による、特産品の「とちの実おかき」作り。大変手のかかるトチの実のあく抜きや餅作りは、集落の公民館を利用し、すべて住人6人で協力して行います。 女性の年齢は80〜88歳。みなさんお元気で、家の仕事を終えるとすぐに集まり、今後の事業計画を語り合うのだとか。「わずかな報酬でもうれしいものよ」「毎日が楽しいわ」と明るい笑顔がこぼれます。 Photo:Hiroya Ogino |
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郷土料理のトチ餅作りを見せていただく
ボランティアのトチの実拾い当日は、お礼にぜんざいをふるまうため、朝早くからトチ餅作りの準備。昨年収穫し、乾燥させあく抜きしておいたトチの実を、もち米と一緒に蒸していく。できたて熱々のトチ餅は、山菜に似たほろ苦さがある。砂糖醤油をつけたり、ぜんざいにしたり、甘いものと一緒に食べるととてもおいしい。
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![]() 取材日の参加者は綾部市の住民や東京の大学生のゼミ仲間など総勢18名。高木から落ちてはじけたトチの実は、斜面を転がって沢沿いに集まりやすい。シカなどの鳥獣害を防ぐロープもあって足元が不安定な中「ここであの女性たちが毎年収穫していたの!」と驚きの声も |
ボランティアを募ってトチの実を収穫
存続が危ぶまれる「限界集落」に、かつての活気を取り戻そうと立ち上がった集落自主応援組織「古屋で頑張ろう会」(代表/華頂短期大学教授、秋山道男さん)が中心となって、山道を整備。トチの実の収穫期である9月には毎週末ボランティアを募ってトチの実拾いを開催しました。「本当にありがたい」と住人の皆さんに喜ばれています。
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マイペースで特産品の「とちの実おかき」作り
トチ餅を薄くスライスし、陰干ししてからオーブンで焼いた「とちの実おかき」(500円)とサイコロ状の「とちの実あられ」(300円)は、地元のあやべ温泉や綾部駅前の観光案内所などで販売されている。住人6人での手作りだから量産はできないが、「マイペースで古屋集落をアピールする特産品にしたい」と、夢は大きく膨らみます。綾部市水源の里 http://suigen.ayabe-teijyu.org/ |