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農林水産省

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特集2 食材まるかじり(3)

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手軽でおいしい!世界のナッツを食卓に


スーパーなどで購入でき、家庭で手軽に利用できるのがアーモンドやカシューナッツといった世界の木の実。
日本の木の実のような季節感はありませんが、香ばしく炒ったり刻んだ実は、お菓子やパン作りのほか、毎日のメニューにもさまざまな形で利用できます。


アーモンド   ヘーゼルナッツ   マカダミアナッツ

アーモンド
4000年以上も前から食べられていたという記録があるほど歴史のあるナッツで、現在もナッツの中で最も生産量が多い。西アジア、地中海沿岸から広まったとされ、日本には江戸時代にポルトガル人によってもたらされた。世界の生産量の約8割をアメリカが占め、そのほとんどがカリフォルニア州で生産されている。香ばしくカリッとした歯ざわりが特徴で、炒ったものをそのままおつまみとして、また菓子や料理の材料として幅広く利用される。バラ科の木で、春に桃や桜に似たピンクの花を咲かせる。

 
ヘーゼルナッツ

セイヨウハシバミの実。地中海沿岸から西アジアが原産地とされている。生産量の約7割がトルコ産。その他の産地はイタリアなど。独特の風味とコリコリとした食感を持ち、アーモンド、カシューナッツと並び世界三大ナッツのひとつといわれている。よく炒ったものを砂糖で作ったカラメルソースに混ぜて、砕いたり、ペースト状にした「プラリネ」はチョコレートやアイスクリーム、ケーキの素材として有名。

 
マカダミアナッツ

1857年にオーストラリア東海岸の亜熱帯森で発見された、歴史の新しいナッツ。その後ハワイに防風林として移植され、大規模農園が開拓されてハワイ島が一大産地となっている(現在生産量第1位はオーストラリア)。日本ではお菓子の原材料としての利用が盛んで年々消費量が増えている。上品で淡白な甘みと軽い口当たりが特徴。ほかのナッツに比べて生産量が少ないため、やや高価。
ピーカンナッツ   クルミ   ピスタチオ

ピーカンナッツ

ペカンナッツとも呼ばれる。アメリカ原産のクルミ科の木になるナッツで、新大陸が発見される以前からアメリカ先住民の貴重な栄養源とされてきた。主な生産地はアメリカ、メキシコなど。「ピーカンパイ」といえば“アメリカのおふくろの味”。軽い食感はクルミそっくりだ。苦みの少ないまろやかな味で、さまざまな料理に利用できるが、ほかのナッツに比べて生産量が少ないためやや高価。

 
クルミ

紀元前7000年には食用されていたという、最古のナッツ。代表的なペルシャグルミは紀元前2000年には栽培されていたようだ。日本には、江戸時代にペルシャグルミの変種であるテウチグルミが中国から、明治時代にペルシャグルミがアメリカから渡来。南北アメリカ、ヨーロッパ、アジアまで広く分布するが、現在の主生産地はアメリカや中国など。木の実はパン、菓子、料理や油の原料に、木は家具や建具にと用途が広い。なお、日本にはオニグルミ、ヒメグルミという原産種がある。

 
ピスタチオ

地中海沿岸から西アジアが原産地とされている。かつては王家のものにしか供されることがなく、シバの女王が好んだことから「ナッツの女王」とも呼ばれている。独特の風味があり、殻の中の実の緑が濃く鮮やかなものほど珍重される。日本でも年々消費量が増加し、お菓子やアイスクリームなどの材料として利用されている。

カシューナッツ   松の実    

カシューナッツ

熱帯アメリカ原産。リンゴのような芳香を放つ「カシューアップル」という果実の外側先端にできる殻の中に入っている。勾玉(まがたま)状の大変珍しい形の木の実だ。主な生産地はインド、ベトナム、ブラジル、アフリカ各地などだが、特に皮をむいたり加工したりする技術を持っているインドの加工輸出量が多い。油で揚げてカリッとさせるとさらにおいしく、料理にもよく使われる。
 
松の実

松の木の球果(まつかさ、まつぼっくり)の内側にできる種子。1粒1粒が茶色い皮に覆われていて、その皮をむくとクリーム色の小さな木の実が現れる。日本にも松はあるが、10~15㎝以上という大きな球果ができる種類はごく少なく、残念ながら国産松の実はめったに見られない。市販のものは主に中国産で、ほかの木の実に比べてやや割高。甘みと香ばしさが際立つ木の実で、薬膳料理の定番食材だ。
   

とろろ昆布
おいしい木の実は
パン屋さんでもいただけます。
秋になると、町のパン屋さんでも「木の実入りのパン」が数多く登場します。アーモンドやクルミといった定番の木の実に、秋らしい栗やヘーゼルナッツを加えたもの、イチジク、レーズンなどのドライフルーツを合わせたものなど実に多彩。木の実の料理はちょっと面倒、という方は秋のパン屋さんをのぞいてみませんか。


松の実とベーコンと水菜のパスタ

松の実とベーコンと水菜のパスタ
松の実は
サラダやパスタにあしらって。
スーパーなどで市販されている袋も20~30gと少量で、高価な松の実は、パクパクおやつにするのもためらわれますね。でもこの分量はサラダやパスタで使うのにぴったり。サラダならそのまま振り掛けて、パスタには最初に油でこんがり焼き色を付けておくと、香ばしさが増してさらにおいしくいただけます。

<材料>
パスタ200g、ベーコン80g、松の実30g、水菜90g、ニンニク1片、塩小さじ1、コショウ、オリーブオイル適宜

<作り方>(2人分)
(1)大鍋に水を入れ、沸騰したら塩大さじ1を加えてパスタ200gをゆでる。
(2)フライパンにオリーブオイルを入れ、刻んだニンニク、ベーコン、松の実を入れたら中火で香りが立つまで炒める。
(3)(2)のフライパンに(1)のゆで汁をお玉1杯分加え、塩小さじ1とこしょうで味を調えたら(1)のパスタを加えて味をなじませる。さらに3cmに切った水菜を全体にからめ、しんなりしたら出来上がり。


ナッツQ&A

レシピのヒント
もやしと合わせてシャキトロ! サラダ

Q1:「ナッツ」とは木の実の総称?
A1:ナッツとは、堅果種子類と呼ばれる木の実の、堅い殻に包まれた種子の胚や仁(胚乳)のこと。アーモンドやクルミ、カシューナッツなどを指します。ヒマワリやカボチャの種は本来ナッツではありませんが、店頭で同様に扱われることもあります。

Q2:保存の仕方、おいしい食べ方を教えてください。
A2:脂肪分の多いナッツは、常温で空気に触れていると酸化して風味が落ちやすいため、密封した状態で保存しましょう。長期保存したい時は密閉袋などに入れて冷凍庫へ。また食べる直前にフライパンやオーブンで軽く炒ると香ばしさがよみがえります。

Q3:脂肪分が多いと聞きますが、太りませんか?
A3:ナッツには、種子植物が発芽し、幼植物期の発育のために必要な栄養分が貯えられているため、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが非常にバランスよく含まれています。
また、近年注目されている不飽和脂肪酸が多く含まれています。毎日少しずつ食べていきたいものです。

Q4:塩で味付けしたものと、無塩の違いは?
A4:ナッツには、おつまみとしてそのまま食べられるように塩を加えたものと、ローストしただけの無塩の製品があります。パッケージを見て確認してください。無塩のナッツは、もともと香ばしくコクがあるので、塩をつけなくてもそのままおいしくいただけます。塩分を控えている方は、料理だけでなくおつまみにもこちらを利用しましょう。

取材協力/
日本ナッツ協会 http://www.jna-nut.com
参考文献/
『新訂原色樹木大圖鑑』 邑田仁監修(2004 北隆館)
『果実・木の実、ハーブ(地域食材大百科 第3巻)』(2010 社団法人 農山漁村文化協会編)


Photo:Eri Iwata