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駅弁紀行 第30回

ヨネスケ

JR千歳線・石勝線

南千歳駅「ほっきめし」


ホッキ貝全国一の水揚げを誇る北海道名物の弁当
晩秋のウトナイ湖。苫小牧市東部にある淡水湖で日本初のバードサンクチュアリ
晩秋のウトナイ湖。苫小牧市東部にある淡水湖で日本初のバードサンクチュアリ

ほっきめし

ほっきめし
創業101年の老舗弁当屋まるい弁当の駅弁で、苫小牧市公式ホームページに
「苫小牧市認定特産品」
として掲載されている同店の人気商品。
苫小牧駅でも販売している。1,000円。
製造元:株式会社まるい弁当
TEL.0144-32-3131

【おしながき】
炊き込みご飯
醤油ベースで煮たホッキ貝
千切りの甘酢しょうが
大根の酢漬け
山菜の醤油漬け ほか

ヨネスケ

ヨネスケ(桂 米助)
かつら・よねすけ/落語家。千葉県市原市出身。桂米丸氏に弟子入り、1967年デビュー、1981年真打ちに昇進。その人情味あふれるキャラクターで幅広い年齢層に親しまれる。日本テレビの「突撃! 隣の晩ごはん」では、全国津々浦々の家庭にいきなり訪問。アポなしながら最終的に歓迎されてしまうのは、やはりその人柄によるものであろう。また、こうした取材移動から、日本中の駅弁・空弁を食べ尽くし紹介するブログ「ヨネスケの駅弁! 空弁! 食べて答弁!!」を公開、大評判となっている。
http://blog.livedoor.jp/yonemeshi/
「ほっきめし」を購入したのは南千歳駅である。かつての「千歳空港駅」だ。旧千歳空港にアクセスする拠点として、多くの人が利用した駅である。平成4年に新千歳空港がオープンし、新千歳空港駅が開業したことから、現在の駅名に改称されたそうだ。

「ほっきめし」の製造元である株式会社まるい弁当は、明治43年に苫小牧市で創業した老舗の弁当屋だ。同社では平成9年から「ほっきめし」の販売を開始し、今や同店の目玉商品になっている。

同社がある苫小牧市は、ホッキ貝の水揚げ全国一を誇る港湾都市。毎年秋になると、苫小牧漁港で「市の貝」になっているホッキ貝を広くPRする「苫小牧漁港ホッキまつり」が開催される。この祭りでも販売している「苫小牧ホッキカレー」は、ご当地グルメとして有名らしい。

ホッキ貝は、殻の長さが10cmあまりに成長する2枚貝で、茨城県鹿島灘以北の東北沿岸、北海道で漁獲されている。学名は「ウバガイ」。一般になじみのあるホッキ貝という名称は、アイヌ語の「ポッキ」に由来しているそうだ。ちなみに、漢字の「北寄貝」は当て字だといわれている。

東日本大震災で被災した宮城県沿岸部の亘理(わたり)郡山元町も、ホッキ貝の水揚げ量が多い地域だ。やはり毎年2月に「やまもとホッキ祭り」を行っている。一日も早く復興し、来年も「ホッキ祭り」が開催できることを願ってやまない。

さて、「ほっきめし」は、南千歳駅で人気ナンバー1の駅弁だそうだ。気になる中身は、炊き込みご飯に大粒のホッキ貝。しいたけ、ニンジン、わらび、姫竹などの具を、ホッキ貝の煮汁で炊いた炊き込みご飯は、魚介の旨味と野菜の旨味が味わえる逸品であった。醤油ベースで煮たホッキ貝はあくまでも柔らかく、また甘味があって最高においしい。あっという間にたいらげてしまった。本場で、しかも手軽にホッキ貝の料理が食べられて、大満足であった。

南千歳駅の駅弁は、ホームでしか売っていない。駅弁を買うには、ホームに降り立たなくてはならないが、急ぐ旅でなければ、駅弁にこだわって途中下車することも、印象に残る旅の思い出になるのではなかろうか。(語り下ろし)


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