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affインタビュー CLOSE UP 仕事人 Vol.06

ハーブ生産者
大西正雄さん

土にこだわった無農薬・無化学肥料で150種を数えるフレッシュハーブの栽培で、高い評価を得ている大西正雄さんを訪ねました。
大西正雄さん

おおにし・まさお
おおにし・まさお
昭和25年、青森県上北郡に生まれる。昭和61年からハーブの栽培研究を始め、平成7年、大西ハーブ農園を開業。口コミで評判が広がり、現在では、全国100軒近くのレストランにフレッシュハーブを出荷している。

有賀建具店の周囲にはこのようにたくさんの木が桟積みされている

無農薬栽培なので虫が寄ってくる

無農薬栽培なので虫が寄ってくる。防除には、一緒に植えておくと害虫が寄りにくいハーブを植えて対応。収穫は葉を1枚1枚手で摘み取る。右中の花はナスタチウム。ワサビのようにピリっとした味わいだ。右下はハナオクラのつぼみ。開花する前に収穫する。オクラと同じ味がするから不思議だ

大西ハーブ農園の「ハーブサラダミックス」(350g)4,800円

大西ハーブ農園の「ハーブサラダミックス」(350g)4,800円

園内に入るとハーブの香りが漂ってくる。大西さんのハーブは香り高く、生命力に溢れているのだ

園内に入るとハーブの香りが漂ってくる。大西さんのハーブは香り高く、生命力に溢れているのだ

大西ハーブ農園
青森県上北郡六戸町大字折茂字前田3-2 TEL.0176-55-3459
※)注文は電話で問い合わせ後、ファックスで。商品は代引きで発送されます。

Photo:Shinjiro Yoshioka

ハーブは人間の生活に有益な植物です。
ハーブの効用をもっと大事にしなければなりません。

料理人たちが絶賛するハーブ農園
日本各地の有名料理人のみならず、海外から訪れたフレンチ、イタリアンのシェフたちが、種類の豊富さと味や香りの濃さを絶賛し、「ぜひここのフレッシュハーブを使いたい」と申し出るほどのハーブ農園があると聞き、その生産者を訪ねた。

ローズマリー、タイム、セージなど、よく耳にするハーブは地中海沿岸が原産のものが多い。地中海沿岸といえば、ほとんどの人が温暖な気候をイメージするのではないだろうか。

ところが、目的の大西ハーブ農園は青森県上北郡にあった。地中海のイメージとはほど遠い場所だ。おそらく「この地でハーブ?」という質問をいく度となく受けてきたのだろう。農園主の大西正雄さんは、ほほ笑みながらこう言った。

「青森は本州では確かに北の果てですが、地球規模で見たら北でも南でもない。地中海沿岸地方は北緯40度前後に位置しています。ここもほぼ同じ北緯40度ですよ。青森というと『津軽海峡・冬景色』のイメージが強い。どこも豪雪で厳寒の地であるかのように思うでしょう。でも、太平洋側のこの地域は雪も少ないし、冬も晴れる日が多く、日照時間が長い。ハーブにとって、この日光が大事なのです」

それにしても、代々、米や葉タバコを栽培してきた農家に育った大西さんが、なぜハーブ栽培を始めたのだろうか。

大西さんは普通高校を卒業し、大学では電子工学を専攻していた。大学時代から、国内外を旅行していた。当時、家業の葉タバコ栽培に、大量の農薬を使わざるをえないことに、疑問を感じていた頃だった。旅の道連れは、パール・バックの『大地』とモーパッサンの『脂肪の塊』。本を読みながら旅を続けるなかで、いつか食料危機が叫ばれる時がくるのではないかと感じ、生きる糧として食に関わることに携わりたいと思った。

人々の健康を支える安全なハーブ作り
その後、渡航先でハーブと出会う。まだ日本ではハーブの種類もそれほど知られていない時代で、海外でハーブが人々の生活に浸透していることを初めて知った。

「一目惚れしたんですよ、ハーブに。それに、次男だからできたこと。長男は米や野菜を作る農家を継いでいます。私がここでハーブを作ると言ったとき、周囲からは頭がおかしくなったのではないかと言われましたよ」

と大西さんは笑った。

サラリーマンをしながら、ハーブの栽培を始めたのが25年前。海外から種を取り寄せ、10年間、調査と研究に費やした。徐々にその評判が口コミで広がり、購入者も増えてきた。そして、ハーブ農園の看板を掲げたのが15年前だという。

初めから完全無農薬・無化学肥料栽培である。苗床は3種類の土をブレンドして作っている。ブナの森が育てた黒い腐植土、八甲田山が噴火したときの火山灰土、それに川砂である。

「火山灰土は地球の内部から噴き出てきた土でしょ。地球のミネラルが豊富です。また、地中海沿岸のハーブ畑は石ころだらけですからね。いろんな岩石がぶつかり合ってできた川砂も混ぜてやっています」

極めつけは、馬糞を使った自家堆肥である。かつて馬産は上北地方の一大産業だった。軍馬や競走馬の産地として発展してきた上北地方では、今でも乗馬ビジネスが盛んである。

当然、排泄物の処理問題が出てくる。馬は牛や鶏と違い、自然素材の飼料しか口にしないという。だから、馬糞を使えば化学物質が含まれていない堆肥が作れるのだそうだ。大西さんの自家堆肥は、馬糞の処理と肥料の安全性を両立させた傑作なのである。

大西さんは、おいしいといわれるハーブ作りを目指しているわけではないという。

「私にとっては、おいしいといわれるより、人の体にいいかどうかが重要なのです。食べたら体が喜ぶというハーブを作っていきたい。ハーブがもつ本来の力とは、そういうものですから」


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