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特集2 食材まるかじり(1)

植物の恵みで元気に! 植物油


揚げ物や炒め物など、普段の料理作りに何気なく使っているサラダ油、ゴマ油、オリーブ油などは、様々な植物を原料とする「植物油」です。まさに、植物の栄養を抽出した植物油は、豊かな食生活を支える大事な食品。その製造法や、種類、特徴、使い方のコツなどをご紹介します。
植物油の原料となる大豆の畑風景。
植物油の原料となる大豆の畑風景。

ナタネ油の原料となる菜の花

ナタネ油の原料となる菜の花
植物油の歴史とその特徴
エジプトのピラミッドから油脂を使用した痕跡が発見されるなど、人類は今から数千年以上も昔から、油を利用してきました。

日本でも、日本書紀に「ハシバミの実から油を取った」という記述が残されています。

その当時の油は、食用よりも灯り用が主でした。食用の油は、限られた階層の人のもので、庶民の食卓にのるようになったのは、ごく最近のこと。江戸時代にナタネ油や綿実油の生産が増加して天ぷらが広まります。さらに明治の文明開化で西洋料理が作られ、大正時代に本格的な製油工場ができ、昭和の家庭料理にサラダやフライなど欧米風の献立が増えるのと同じ歩みで植物油の消費量が増えていきました。

そして平成の現代には油を使ったおいしい食べ物があふれ、いつでも好きなだけ食べられるようになった反面、一部で脂質の摂取過多による弊害も見られるようになっています。

しかし、本来の「植物油」は、植物の栄養をたっぷり含み、健康の維持に欠かせない身近な食品。体を動かす重要なエネルギー源であり、上手に利用することで食品に含まれるビタミン類の吸収率を良くしたり、塩分控えめでもおいしく料理ができるなど、健康のためのメリットがたくさんあります。

「植物油」の正しい知識を持って、毎日の食卓に賢く取り入れたいものです。


Photo:Kouji Sugawara

個性もいろいろ 世界の植物油
植物油には、植物の種子を搾ったもの、種子の中の核を搾ったもの、果実を搾ったものの3つのタイプがあります。
「油」としてのカロリーは全く同じですが、原料や精製の度合いによる、色や風味の違いがあります。

1.天日に干したトチの実をぬるま湯に浸して皮をふやかす

米油
玄米を精米するときにできる米ヌカが原料。淡白でさらっとした味わいが特徴で、酸化しにくく、加熱にも強いため、揚げ物からドレッシングまで幅広く使える。マヨネーズや揚げせんべい、スナック食品など業務用に使われることが多い。供給量の3分の2は国産原料。

  1.天日に干したトチの実をぬるま湯に浸して皮をふやかす

コーン油
トウモロコシの胚芽を原料とする植物油。加熱に強く、熱するとトウモロコシの香ばしい香りが立つ。ナタネ油同様、揚げ物や炒め物に向き、また劣化しにくいので揚げた後の料理の保存性にも優れている。原料の主な輸入先はアメリカ。

  ナタネ油

ナタネ油
アブラナ科のナタネの種子からとれる植物油で、国内の需要、生産量ともにトップ。ほとんど無臭で軽くあっさりとした味が特徴で、揚げ物や炒め物などに幅広く使える。原料は、カナダで品種改良された「キャノーラ種」が主に使われている。

ゴマ油

ゴマ油
原料はゴマの種子。特有の香ばしい香りと濃厚なコクが特徴で、日本では精進料理などで古くから使われてきた。酸化しにくく、加熱にも強いため、揚げ物や炒め物、ドレッシングなど幅広く利用できる。原料の主な輸入先は中国、ミャンマー、アフリカ、中南米諸国など。

  ベニバナ油(サフラワー油)

ベニバナ油(サフラワー油)
伝統の紅色染料の原料として知られるベニバナの種子が原料。淡い色でクセのない風味が特徴で、ドレッシングなどに利用されることが多い。主な輸入先はアメリカ。

  大豆油

大豆油
ナタネ油と並ぶ、代表的な植物油。独特のうま味とコクがあり、他の植物油とブレンドされて「サラダ油」や「天ぷら油」として利用されるのが一般的。マヨネーズやマーガリンの原料にもなっている。原材料の主な輸入先はアメリカ。

ヒマワリ油

ヒマワリ油
ヒマワリの種子が原料。あっさりとしたクセのない風味が特徴で、ドレッシングに向いている。主な輸入先はアメリカ、アルゼンチン。
  オリーブ油

オリーブ油
オリーブが原料だが、他の植物油のように種子ではなく、果実を搾って作られる。黄色や薄い緑色で、フレッシュな風味と香りが特徴。イタリア料理やスペイン料理には欠かせない。搾っただけの油をバージンオリーブオイルという。主な輸入先はイタリアとスペイン。
  綿実油

綿実油
綿を取った後の、綿花の種子から作られる植物油。ほとんど香りがしないが、軽くまろやかなうま味があるので、他の植物油と混ぜずに、単独でサラダ油にされることが多い。マーガリンの原料にもなっている。原料の主な輸入先はオーストラリア。

個性もいろいろ 世界の植物油
パーム油…パームヤシの果肉から作られる油。マーガリンのほか、チョコレートやアイスの原料になる。
グレープシードオイル…ブドウの種子から作られる油。薄い緑色でドレッシングにぴったり。
エゴマ油…シソ科の植物、エゴマの種子からとる油。独特の風味があり、日本では古くから使われてきた。
ナッツ系油…落花生、ヘーゼルナッツなどから作られる油で、独特の風味があるが、日本での消費量は少ない。

ボランティアを募ってトチの実を収穫

パームヤシの果実

植物油は不飽和脂肪酸が豊富!
油脂に含まれる脂肪酸には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、いずれもバランスよく摂取することが大切です。不飽和脂肪酸は、人の成長に重要な役割を果たしますが、体の中で合成できない種類のもの(必須脂肪酸)もあるため、食品から摂取する必要があります。

植物油は不飽和脂肪酸が豊富です。不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸は、オリーブ油やナタネ油、米油などに多く含まれています。必須脂肪酸の一種であるα-リノレン酸はエゴマ油などに、リノール酸は大豆油、ゴマ油などに多く含まれています。


取材協力/社団法人 日本植物油協会
http://www.oil.or.jp/
日清オイリオグループ株式会社
http://www.nisshin-oillio.com/

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