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農林水産省

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特集1 漁業の未来を担う 水産高校(5)

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全国各地で特徴ある活動を展開中!

がんばる水産高校生


隠岐水産高等学校や焼津水産高等学校だけでなく、各地でがんばっている水産・海洋高等学校の活動事例を紹介します。

調理師コースの実習風景

調理師コースの実習風景

生徒たちが作った料理

生徒たちが作った料理

果樹の品種開発の流れ
北海道
厚岸翔洋高等学校

調理師免許を取得できるコースを設置
北海道厚岸翔洋(あっけししょうよう)高等学校は、昭和16年に設立された北海道庁立厚岸水産学校を前身とする北海道厚岸水産高等学校が、北海道厚岸潮見高等学校と統合して平成21年に誕生した高校です。普通科と海洋資源科が設置されており、海洋資源科は調理師コース、生産技術コースに分かれています。

一般に高校に通いながら調理師免許を取得するには、空いた時間に調理師の専修学校などに通うダブルスクール方式によって取得することになりますが、同校の場合は調理師コースに在籍している3年間に食品衛生や栄養学、調理などに関する基礎的な知識と技術など、調理師免許取得に必要なことを授業で学び、31単位以上修得すれば卒業と同時に調理師免許が取得できるのです。同コースでは卒業後に観光業や食品関連産業、船舶料理士として活躍できる食のプロを育成しています。

宮古水産高等学校で作られている人気の缶詰類

宮古水産高等学校で作られている人気の缶詰類

北海道大学水産学部の練習船「おしょろ丸」でのイカ釣り実習

北海道大学水産学部の練習船「おしょろ丸」でのイカ釣り実習

操舵室で操舵実習を受ける生徒たち

操舵室で操舵実習を受ける生徒たち
岩手県立
宮古水産高等学校

世界で初めてサケの中骨だけの缶詰を開発した水産高校
今ではたくさんのメーカーがサケの中骨缶詰を作っていますが、初めてサケの中骨缶詰を作ったのは、岩手県立宮古水産高等学校の先生と生徒たちでした。昭和61年11月のこと、岩手県立宮古水産高等学校の教諭だった中嶋哲(さとし)先生が、実習で廃棄されるサケの中骨に注目し、生徒たちと一緒に世界で初めてサケの中骨だけを詰めた缶詰を開発したのです。

海洋技術科(海洋コース・工学コース・栽培コース)、食品管理系・家政系がある食品家政科、食物科、専攻科漁業科が設置されています。同校は、三陸沿岸部に位置していたため、東日本大震災で被災。震災後、漁業実習を実施することができませんでしたが、10月3~6日まで、北海道大学水産学部の練習船「おしょろ丸」で短期乗船実習を行うことになり、海洋技術科の1年生38名、同科海洋コースの2年生11名が乗り組みました。三陸沖合でのイカ釣り実習、ロープワーク、航海当直・機関室見学、目視観測、海洋調査など、さまざまな作業を体験することができました。

また、食品家政科水産物有効利用研究班の生徒たちは、11月2日に青森県八戸市で行われた「第20回全国水産・海洋系高校生徒研究発表東北地区大会」で、地元沿岸が大きな被害を受けたことから、地域を元気にしようとスジメ、ワカメ、コンブなど海藻類の種苗生産、商品開発に努めてきた活動の足跡として「『宮古に元気を届け隊』活動の記録~今、私たちにできること…~」を発表し、最優秀賞を獲得しました。12月に新潟県糸魚川市で開催される全国大会に出場します。

アマモ育苗キット。発芽したアマモ

アマモ育苗キット。発芽したアマモ

小学生に作り方を教える小浜水高の生徒たち

小学生に作り方を教える小浜水高の生徒たち

協力し合ってアマモの苗を定植する

協力し合ってアマモの苗を定植する
福井県立
小浜水産高等学校

環境回復に向けた取り組みで、
平成23年第13回日本水大賞で文部科学大臣賞を受賞
明治28年、福井県簡易農学校の分校として水産科が設置され、長い歴史を誇る水産専門校が誕生しました。それが小浜水産高等学校です。同校の「ダイビングクラブ」では、「きれいな海に潜りたい」という生徒の一言をきっかけに、平成16年からかつて湾内に群生していたアマモ(海草)場を再生する活動「アマモマーメードプロジェクト」を開始。

アマモの苗を育てるために、生徒が講習会を開き、住民、漁業者、小・中学生に「アマモ育苗キット」というアマモの種子と砂、海水を入れた瓶でアマモを育ててもらい、育ったアマモの苗を3~4月にかけて生徒やボランティアのダイバーが海底に定植。6年間の定植活動によって、約1,000m2のアマモ場が再生でき、海底の底質が変化して多様な生物が確認されるなど、環境が大きく改善されました。

この取り組みによって、平成19年に日本水産学会高校生の発表最優秀賞を受賞したほか、平成23年第13回日本水大賞で文部科学大臣賞を受賞しています。

長門市神田小学校で「鉄炭団子」作りをした記念写真

長門市神田小学校で「鉄炭団子」作りをした記念写真

先生と一緒に海洋調査をする生徒たち

先生と一緒に海洋調査をする生徒たち

シーカヤックに乗って「鉄炭団子」を投入する

シーカヤックに乗って「鉄炭団子」を投入する
山口県立
水産高等学校

平成22年度第19回全国水産・海洋系高等学校
生徒研究発表大会で最優秀賞を受賞
日本海南部地区の水産・海洋系高等学校6校の代表として、「平成22年度第19回全国水産・海洋系高等学校生徒研究発表大会」に出場した山口県立水産高等学校水産科学部の生徒3名が、「ながとふるさと緑化プロジェクト~地域と一緒に取り組む環境教育~」と題する取り組みの発表で最優秀賞を受賞しました。

同校水産科学部は部活動の一環として磯焼けの防止を目的に、平成18年4月から藻場再生のための実証実験を行ってきました。鉄イオンが藻場の再生を促す可能性に着目し、鉄と炭を混ぜて団子状にした「鉄炭団子」を投入することによって、鉄イオンを海中に供給し、藻場が再生する様子を分析してきました。「鉄炭団子」の主な材料は使用済みの「使い捨てカイロ」です。

また、ウニの駆除と海藻の種苗育成による海の藻場再生に関する研究と、海洋環境に対する意識向上のための啓蒙活動にも力を入れています。

カッターレース大会

カッターレース大会

カッターレース大会

水産庁が後援・表彰する
水産・海洋高等学校の全国大会

全国水産・海洋高等学校
カッターレース大会
水産・海洋高等学校の伝統的スポーツであるカッター競技。

この大会は生徒の育成及び漕艇技術の向上を図り、参加校相互の親睦を深めるとともに水産教育の重要性とすばらしさを広く一般にアピールすることを目的に、艇長、艇指揮各1名、漕ぎ手12名の計14名が乗り込む手漕ぎのボートで、500m折り返しの1,000mコースでスピードや漕艇技術を競います。

平成23年第13回全国水産・海洋高等学校カッターレース大会は、7月25~27日に大分県立海洋科学高等学校が主管校となり、臼杵市大浜港外で行われました。全国から選抜された20校が競い、長崎県にある国立口之津海上技術学校が見事優勝を果たしました。準優勝は宮崎県立宮崎海洋高等学校、第3位が主管を務めた大分県立海洋科学高等学校でした。
カッターレース大会

カッターレース大会

ダイビング技能コンテスト全国大会
水産・海洋高等学校では、海中調査や沿岸の海洋生物の生態調査、また養殖施設の保守などに潜水技術が必要となるため、選択科目や部活動にスキューバダイビングを導入している学校が数多くあります。

授業や部活動で身につけたスキューバダイビングの技術を競う大会が「ダイビング技能コンテスト全国大会」です。平成23年第14回全国水産・海洋高等学校ダイビング技能コンテスト全国大会は、8月22~23日に茨城県立海洋高等学校で開催されました。器材のセッティング、シュノーケルや足ヒレをつけて泳ぐリレー、おぼれている人の救助など5種目でスピードや技術を競い、参加校14校の中、総合の部で優勝したのは愛知県立三谷水産高等学校、2位は新潟県立海洋高等学校、3位は山形県立加茂水産高等学校でした。

茨城県立海洋高等学校、新潟県立海洋高等学校、秋田県立男鹿海洋高等学校の3校には水深10mの潜水プールがあるので、持ち回りで大会会場を提供しています。
全国水産・海洋系高等学校生徒研究発表大会
水産・海洋高等学校の生徒が、「課題研究」「総合実習」などの授業や日頃、自主的に行った水産・海洋に関する調査、研究、実験・実習、作品製作などの日頃の活動の成果を発表する晴れ舞台です。全国大会の参加校は、北海道、東北、関東・東海、日本海北部、日本海南部、四国、九州の7地区から選ばれた代表校と主管校の計8校。

それぞれの地域の特色を生かした魚介類の種苗研究から、沿岸の環境問題、水産物による地域活性化活動など、テーマは多岐にわたります。生徒たちが口頭での発表に加え、必要に応じて標本、模型、視聴覚機器(OHP、スライド映写機、ビデオプロジェクタ、パソコン)などを使って、堂々と発表する姿は頼もしい限りです。

平成22年度第19回全国水産・海洋系高等学校生徒研究発表大会では、山口県立水産高等学校水産科学部が「ながとふるさと緑化プロジェクト~地域と一緒に取り組む環境教育~」をテーマに研究成果を発表し、最優秀賞を受賞しました。平成23年度の全国大会は、12月9日に新潟県糸魚川市で開催されます。