このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

行って実感、見て納得 食の工場探訪

  • 印刷

ますのすしミュージアム

富山県の押しずしの歴史と製法が学べるミニ博物館

今、工場見学がブームです。
個人でも見学できる工場や見学館の中から、食に関わる身近な製品が製造される現場を紹介していきます。

ますのすしミュージアム

ますのすし

ますのすしミュージアム
富山県富山市南央町37-6 源本店内
TEL.076-429-7400

見学時間:9:00~17:00、無休
所要時間:約30分(入場無料・自由見学)
http://www.minamoto.co.jp/03_shoptour.html

タカノフーズ
団体ツアー客の観光スポット
「ますずし」は富山県の郷土料理で、県が推奨する「とやまブランド」のひとつである。富山市内には、ますずしを作っている店が40軒ほどあり、店ごとにそれぞれの味や製法があるという。中でも株式会社源(みなもと)の「ますのすし」は、駅弁として販売されているため、知っている方も多いのではないだろうか。朱色の平仮名で「ますのすし」と書かれたパッケージ。素朴で味わいのあるマスの絵は、日本洋画壇の重鎮、中川一政が描いたものである。

同社が、ますずしの歴史や製法を広く伝えるために、本店に併設した「ますのすしミュージアム」は、予約なしで気軽に立ち寄れる見学施設である。レストランや売店もあり、ツアーの団体客が訪れることも多いという。

円形の押しずしの作り方に感嘆
エントランスを入ると、正面に「ますのすしミュージアム」の入口がある。通路にはマスの生態や同社の歴史が書かれたパネルが展示してあり、奥に進むと左手に「ますのすし伝承館」と呼ばれる部屋があった。熟練した職人が昔ながらの手作業で、日本近海で漁獲された3kg級のサクラマスを使って「伝承館ますのすし」を作る様子をガラス越しに見学できる。

現在、駅弁として売られている最もポピュラーな「ますのすし」の製造過程は、館内の一番奥まった場所にある通路から見学する。ちょうど酢飯の下に敷く10枚の笹を放射線状に手際よく並べる「笹付け」の作業が行われていた。隣はパッケージ詰めのライン。ほかの工程は通路に設置されている2台のビデオで見ることができる。

同施設には、1970年代に全国で売られていた駅弁の掛け紙、江戸時代から昭和に至る間に使われていた弁当容器や旅の携行品なども展示されている。「ミュージアム」の名のとおり、工場見学だけでなく、食文化の一端に触れることができるのだ。また、あらかじめ予約すれば、「ますのすし」作りを体験できる。

エントランスを入ると右手がレストラン、左手が売店、正面に「ますのすしミュージアム」の入り口がある

(1)エントランスを入ると右手がレストラン、左手が売店、正面に「ますのすしミュージアム」の入り口がある

  行きがけに左側に展示されているマスの生態を学び、帰りに右側に展示されている同社の歴史を読むのがオススメ

(2)行きがけに左側に展示されているマスの生態を学び、帰りに右側に展示されている同社の歴史を読むのがオススメ

「ますのすし伝承館」と呼ばれる部屋では、ガラス越しに職人の熟練の技を見ることができる

(3)「ますのすし伝承館」と呼ばれる部屋では、ガラス越しに職人の熟練の技を見ることができる

  「ますのすしの歴史や製法」「富山の自然と祭り」などのビデオが流れている映像コーナー

(4)「ますのすしの歴史や製法」「富山の自然と祭り」などのビデオが流れている映像コーナー

1つの曲物(容器)に10枚の笹を敷く作業をしていた。

(5)1つの曲物(容器)に10枚の笹を敷く作業をしていた。笹には防腐効果があるため、昔から弁当やすしに使われてきた。笹を敷いた容器は、多い日には2万個を用意する

  笹は新潟県産の天然笹

笹は新潟県産の天然笹。洗浄して、きれいに葉を切りそろえる。2万個の弁当を作るには20万枚の笹が必要だ

パッケージライン

(6)パッケージライン。蓋をして適度な圧がかかるように、自動的に竹とゴムで押さえこむ工程をビデオで見学

  1970年代に売られていた全国の駅弁の掛け紙がズラリ。知っているものを探すのも楽しい

(7)1970年代に売られていた全国の駅弁の掛け紙がズラリ。知っているものを探すのも楽しい

弁当箱や旅の携行品は歴代の社長のコレクション

(8)弁当箱や旅の携行品は歴代の社長のコレクション。珍しいものがたくさん陳列されていた

  広々とした売店には「ますのすし」や「ぶりのすし」といった同社の製品だけでなく、富山県の銘酒や菓子類も販売されている

(9)広々とした売店には「ますのすし」や「ぶりのすし」といった同社の製品だけでなく、富山県の銘酒や菓子類も販売されている



地図

ご指南役は源本店の店長・佐々木浩晃さん

ご指南役は源本店の店長・佐々木浩晃さん。もともと調理師で、営業本部に配属される前はマスをさばき、「ますのすし」を作る側だったそうだ
挑戦しました!
「ますのすし」手作り体験教室
ますのすし伝承館の職人がおろしたマスを使って、「ますのすし」の手作り体験ができます。
ここで作業工程をざっとご紹介しましょう。

職人が手作業でおろしたマスを酢に浸ける

(1)職人が手作業でおろしたマスを酢に浸ける。塩加減や酢の調合は季節に応じて変えているという

  まず曲物に10枚の笹をすき間なく、放射線状に敷き詰める。ちょっとコツが必要

(2)まず曲物に10枚の笹をすき間なく、放射線状に敷き詰める。ちょっとコツが必要

敷いた笹が動かないように酢飯を詰める。米は富山産コシヒカリ。酢飯の量はおよそ330gだ

(3)敷いた笹が動かないように酢飯を詰める。米は富山産コシヒカリ。酢飯の量はおよそ330gだ

  酢飯の上に、マスの端が少し重なるように並べていく

(4)酢飯の上に、マスの端が少し重なるように並べていく

厚みのある切り身なので、端が少し重なっただけでこんもりする

(5)厚みのある切り身なので、端が少し重なっただけでこんもりする

  笹を中心に向かって折り曲げて、マスにかぶせていく

(6)笹を中心に向かって折り曲げて、マスにかぶせていく

素早く蓋をしたあと、青竹ではさみ、適度な押しを保つためにゴムをかける

(7)素早く蓋をしたあと、青竹ではさみ、適度な押しを保つためにゴムをかける。このゴムの強さは計算し尽くされたものだという

  重石を乗せて待つこと5分

(8)重石を乗せて待つこと5分

所要時間約1時間

所要時間約1時間。定員は数名から20名まで。体験料は1人1,575円で、自作の「ますのすし」は、もちろんお土産として持ち帰れます。素材は「特選ますのすし」(1,700円)で使われる厚みのあるマス。ボリュームもあってお得感いっぱいです。体験日の1週間前までに予約が必要ですが、時間のある方はぜひチャレンジしてください。

 


Photo:Akira Taniguchi