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農林水産省

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特集2 食材まるかじり(2)

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全国郷土寿司カタログ (1)


北から南へ、日本全国に広がる多彩な郷土寿司をご紹介します。
故郷のおすしを思い出して作ってみてはいかがでしょう。
知らない土地の名物おすしを、お取り寄せしてもいいですね。
マップ
腹子飯(はらこめし) ハタハタずし

江戸前ずし

宮城県
腹子飯(はらこめし)
ご飯の上に醤油などで煮たサケの切り身とイクラをふんだんにのせた郷土料理で、阿武隈川を遡上するサケを使った亘理町(わたりちょう)の「腹子飯」が有名。昔は漁師たちの祝い飯だったそうだ。ご飯は酢飯ですし仕立てにするだけでなく、鮭の煮汁で炊き込みご飯にしたり、普通の白米を用いたりと地域や家庭によってさまざまなスタイルがある。

秋田県
ハタハタずし
特産品のハタハタを酢でしめ、ご飯、麹、ニンジンやカブなどの野菜、塩や酒などと一緒に3~4週間漬け込んだすしで、「なれずし」の一種。ハタハタを保存する方法として、江戸時代に考案された食べ方で、秋田沿岸部では、ハタハタの漁期が始まる晩秋からいっせいに作られる。ハタハタを1匹そのまま漬けた「丸ずし」と、切り身にして短時間で漬ける「切りずし」がある。
写真/三高水産 TEL.0185-27-2578

  東京都
江戸前ずし
江戸時代に、すし屋を営む華屋与兵衛(はなやよへい)が考案したといわれる握りずし。江戸近海で獲れた魚介類を酢や醤油に漬けるなど下ごしらえをし、握ったご飯の上にのせて屋台で売ったのが大流行したという。今では衛生管理や保冷技術が進化し、生の魚介類をそのまま使った握りずしが多いが、「江戸前」と言ったら、マグロの漬け(づけ)や酢でしめたコハダ、煮物など、ひと手間を加えたものが正しいとされる。写真は江戸時代の握りずしを再現したもの。
写真/ミツカングループ TEL.0120-261-330

島ずし

太巻きずし・祭りずし

笹ずし

東京都
島ずし
八丈島など伊豆諸島の郷土料理で、地魚(マグロ、カツオ、カジキ、シイラ、トビウオ、カンパチ、イサキなど)を醤油や酒、砂糖などで作ったたれに漬け込み、酢飯で握った握りずしのこと。たれに漬けた魚の色から「べっこうずし」と呼ばれることもある。ワサビの代わりに、練りがらしを使うのが特徴だ。八丈島出身者が多く移住した沖縄の大東諸島にも、同様の作り方をする「大東ずし」がある。

千葉県
太巻きずし・祭りずし
江戸時代に農民が祭りや祝い事のために考案した巻きずし。酢飯とともに、かんぴょうや卵焼き、シイタケ、季節の野菜や魚などを加えて海苔で巻くもので、切り口を花の形や動物の模様にすることもでき、「飾り巻ずし」「花ずし」などと呼ばれることもある。温暖な気候に恵まれ、米や海苔、野菜や魚介類がふんだんに取れる房総地方らしいおすしだ。

  新潟県・長野県
笹ずし
クマザサの葉に酢飯をのせ、その上にワラビ、タケノコ、ゼンマイといった山菜やクルミ、油揚げ、ヒジキ、錦糸卵、川魚などをのせて包んだ郷土ずし。上杉謙信と武田信玄の合戦の時代に、山奥での食事の器代わりに、抗菌作用のある笹の葉を使ったのが由来だという。新潟県から長野県では酢飯をひと口大に軽く握ってのせるが、石川県では同じクマザザを使い、押しずしにしたものを「笹ずし」と呼んでいる。

朴葉(ほおば)ずし

ブリのすし

カブラすし

長野県・岐阜県
朴葉(ほおば)ずし
朴の青い葉に、サケや川魚、しめサバ、キャラブキ、ミョウガ、シイタケ、錦糸卵、紅ショウガ、蜂の子の佃煮などをのせて包んだ、岐阜県飛騨地方から中部、東海地方にかけて作られている郷土料理。農家や林家が「手を汚さずに食べられる」とお弁当がわりにしたのが始まりだといわれる。昔は、青い葉が取れる春から夏に作られていたが、今では通年販売されている。
写真/岐阜県観光連盟 TEL.058-275-1483

  富山県
ブリのすし
富山といえば、「ますのすし」が有名だが、昭和30年頃から駅弁で売り出され、人気を集めてきたのが北陸名産の寒ブリを使った「ブリのすし」。丸い器に笹を敷き詰め、酢飯とブリの切り身、酢漬けのカブラ(カブ)、ニンジンをのせ、さらに笹で包んで押しずしにしたもの。酢飯にショウガを混ぜてある。表面の薄いカブラの中にブリの切り身が透けて見える見た目も美しいおすし。
写真/株式会社源 TEL.076-429-3322

石川県
カブラすし
切れ込みを入れたカブラを塩漬けにし、同じく塩漬けにしたブリの切り身と、細切りにしたニンジンや昆布をカブラに挟んで米麹につけ、発酵させたもの。「なれずし」の一種で、独特のコクと乳酸の香りが特徴。酒の肴として全国的にも有名。ブリの水揚げ最盛期を迎える冬の風物詩で、家庭でもよく作られる。ブリの代わりにサケやしめサバ、ニシンなどを使うこともある。

フナずし

手こねずし

 
滋賀県
フナずし
ご飯で発酵させる「なれずし」で、日本のすしの原型と言われるもの。琵琶湖に生息する大型のニゴロブナの内臓(メスの卵巣は残す)を取り除き、3カ月間塩漬けにしたのち、塩を洗ってご飯に漬け込み、半年から2年ほど漬け込んで作る(日本のおすしの中で完成まで最も時間がかかる)。漬けたお米は発酵ですっかり溶けてしまう。薄くスライスして酒の肴にしたり、お茶漬けや雑炊、お吸い物などにして食べる。塩味と強い乳酸菌のにおいが特徴だ。

  三重県
手こねずし
醤油などで作ったたれにカツオやマグロの切り身を漬け込み、酢飯の上にのせて食べる郷土料理。上に海苔や大葉、ショウガ、ミョウガなどの薬味をのせて食べる。昔、海に出た漁師が、釣ったカツオが腐らないようにとぶつ切りにして醤油漬けにし、酢飯にのせて手で混ぜたのが始まりとされる。また伊勢志摩地方は海女など働く女性が多く、時間をかけずにすぐ食べられるのが喜ばれたという説もある。
 

江戸前すし屋のルーツは屋台
おすしの豆知識

江戸前すし屋のルーツは屋台
江戸時代、江戸の町では、おすしは「握ったすし飯の上に魚の切り身をのせ、箱に詰めて押す」という箱ずしの形が主流でした。しかし、魚の脂分が抜け出てしまう製法に不満のあったすし屋の華屋与兵衛は、「握り早漬け」という、握った酢飯に、下ごしらえした魚の切り身をのせただけのすしを考案します。これが握りずしの原型。当初は木箱を何段も重ねて行商していましたが、人気が出るにつれて「屋台」で握る方法がとられるようになりました。この「江戸前ずしの屋台」は江戸から明治へ時代が移ってもしっかり定着。今も江戸前ずしのお店のカウンターの上に、(室内だというのに)屋根型のひさしがあるのは、その当時の「屋台」の名残です。