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特集1 応援しよう!農山漁村でがんばる女性たち(4)

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父が成功させた養殖業を継いで

川魚のおいしさを伝えるために商品開発にも注力


3人の子育てをするうちに食の大切さを実感し、餌にこだわって川魚を養殖してきた父の姿勢を改めて見直し家業を継いだ、岩本いづみさんに話を聞きました。
高校3年生、高校1年生、中学1年生の3人の息子をもつ岩本いづみさん。
高校3年生、高校1年生、中学1年生の3人の息子をもつ岩本いづみさん。
静岡県富士宮市の富士宮事業所の養殖場は猪之頭(いのかしら)湧水群の中にある

管理釣り場向けに出荷するニジマスの選別作業

管理釣り場向けに出荷するニジマスの選別作業。岩本さんもこうして水槽の中に入ることがあるそうだ

富士宮事業所の養殖場では年間240トンのニジマスが生産される

富士宮事業所の養殖場では年間240トンのニジマスが生産される

オオイワナのリエット

岩本さんが考案した「オオイワナのリエット」は、フランスパンや生野菜に乗せて食べると美味。1瓶2,100円。人気があり、今品切れ中なのが残念

ニジマスの缶詰「鱒財缶」。バジル味3缶セットで1,200円。イメージキャラクターは公募で決めた

ニジマスの缶詰「鱒財缶」。バジル味3缶セットで1,200円。イメージキャラクターは公募で決めた

母親から実業家へ
岩本いづみさんは、静岡県内3カ所でニジマス、イワナ、サクラマスなどの養殖業を営む柿島養鱒(ようそん)株式会社の2代目です。川魚の養殖業を一代で築いた父・柿島敬(たかし)さんの仕事ぶりは、本誌平成23年12月号で紹介されています。

富士宮市(ふじのみやし)にある養鱒場の倉庫で、挨拶もそこそこに餌の説明を始める岩本いづみさんの左手のひらに、ふと目がいきました。何やら数字が書いてあります。「移動中にメモ帳を取り出せない時には、ここに書いてしまうんです」と岩本さんは笑いました。3つの養殖場を行き来し、さらに岩本さんが積極的に進めている商品開発の打ち合わせなども重なり、多忙な毎日を送っています。

岩本さんが本格的に養殖業に就いたのは平成18年。それまでは夫と3人の息子とともに千葉県に住んでいました。後継ぎになるはずだった弟の撤退や次男の喘息が悪化したこともあり、実家のある静岡県に戻ってきたのです。

おいしい魚を使ってオリジナル商品を開発
幼い頃から父の仕事を見て育ち、養殖業で最も重要なものが、水と餌であることは分かっていました。餌へのこだわりは父親譲りですが、3人の子どもの健康を支える母親として、食の安全と栄養は最も気を使うところです。

「魚も同じです。良質な餌を与え、手と目をかけて育てた魚は味が違います」

情報のアンテナを張り巡らせ、いいといわれる飼料はすぐに取り寄せ、成分をチェックしたうえでペレット(固形加工した餌)にして、魚に試食させます。餌の主原料となる魚粉は自ら味見をするといいます。大量に廃棄される食品残さにも目を向け、再利用できるとなると業者にかけ合い、飼料化を進めているそうです。

水産資源の減少や魚食離れが進んでいるといわれて久しい日本の現状を危惧し、魚をより身近においしく食べてもらう方法を模索し、岩本さんは柿島養鱒の新たな加工販売の道を切り開いてきました。こうしてイワナのリエット(ペースト)やニジマスの缶詰といった柿島養鱒オリジナルブランドの商品が生まれたのです。

柿島養鱒株式会社 http://kakishima-troutfarm.com/  
女性を応援する対策事業 http://www.maff.go.jp/j/keiei/kourei/danzyo/

【column】農山漁村でがんばる女性たちへ(2) キーワードは6次産業化

岩本さんのように生産だけでなく、食品加工から流通・販売にも関わる農山漁村の6次産業化は、女性が能力を発揮しやすい分野であり、女性の起業の柱になり得ます。

農林水産省では、平成24年度から6次産業化関連等の一部事業において、女性が優先的に利用できる予算枠を設け、女性による新商品開発や販路拡大、加工施設の導入などの取り組みを支援するとともに、女性のネットワークづくりや企業経営者等との交流機会づくりを促進するなど、女性のための施策を充実させました。

農林水産省は6次産業化をキーワードに、事業のアイデアをふくらませ、新たなものづくりに挑戦する女性たちを応援します。

photo:Keita Suzuki