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農林水産分野の最新研究成果を紹介! アフ・ラボ

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誰でも手軽に緑茶が入れられる

ドリップ式緑茶の開発


ヘルシーだと海外でも評判の緑茶。海外の人にも手軽にお茶を飲んでもらい、緑茶の輸出を促進するため、静岡県農林技術研究所茶業研究センター(以下、茶業研究センター)は民間企業と共同でドリップ式緑茶を開発しました。

緑茶を入れた後の急須や茶葉の始末が面倒で、緑茶離れになる人もいる。ドリップ式はそのまま捨てることができるのも利点

緑茶を入れた後の急須や茶葉の始末が面倒で、緑茶離れになる人もいる。ドリップ式はそのまま捨てることができるのも利点

フィルターと茶葉選びがポイント
緑茶は、カテキンやビタミン、ミネラルなどを含みノンカロリーであることから、近年海外でも健康食品として注目を集めています。

海外では緑茶はティーバッグで入れることが一般的です。ところが、ティーバッグを湯に浸たす時間が短くて味がしなかったり、浸し過ぎて苦くなったりして、緑茶はおいしくないと誤解をしている人も少なくありません。

そこで茶業研究センターでは、緑茶の輸出促進を視野に入れ民間企業と共同で、急須を使わず手軽に本格的なおいしい緑茶が飲める、ドリップ式緑茶の開発をスタートさせました。

開発されたドリップ式緑茶はカップの上に固定したときに、フィルターの底の茶葉がお湯につからないよう設計されており、お湯を注いで1分ほどで一定の濃さのお茶を入れることができます。

また、熱湯を使った場合でも、お茶の味を左右する、うまみ成分のアミノ酸や渋み成分のカテキンの濃度が、急須を使って入れた緑茶の濃度と同じになるよう、緑茶に適したフィルターを開発しました。

同時に、充填する茶葉の種類、粉砕の程度やブレンド比率を工夫しました。

急須で入れた緑茶と変わらないおいしさ
実際に、15人の消費者にドリップ式と急須のそれぞれで緑茶を入れてもらい、その成分を分析したところドリップ式緑茶のアミノ酸、カテキン、カフェインは急須で入れた緑茶とほぼ同程度の濃度だった、というデータが得られました。さらにそれらの濃度のばらつきは、急須よりもドリップ式のほうが小さいという結果が出ました。

「『誰でも手軽においしい緑茶を入れられる』が開発目標でしたが、ドリップ式緑茶は急須のように蓋をしないので、緑茶の良い香りが部屋中に広がり、その楽しさも味わえるという予想しなかったメリットもわかりました。」(茶業研究センター小泉豊さん)

ドリップ式緑茶は昨年、米国で行われた世界50カ国約220の企業と関係機関が出展する、北米唯一のお茶専門の展示会「ワールドティーエクスポ2011」の2011ベストニュープロダクトアワード・イノベーション部門で金賞を受賞、高品質と認められました。

現在、共同研究者の茶商が市販を行うとともに、委託生産体制を整備し香りに特徴のある品種を用いた、ドリップ式緑茶の開発などさまざまな研究が始まっています。

ドリップ式本体の上部を矢印方向に切り取る

2カ所をつまむように押し広げる

ドリップ式本体の上部を矢印方向に切取る

  2カ所をつまむように押し広げる
カップの縁に爪をかける

カップの縁に爪をかける
  少量の湯で茶葉を約10秒間蒸らし、茶葉が開いてから湯を2~3回注ぐ

少量の湯で茶葉を約10秒間蒸らし、茶葉が開いてから湯を2~3回注ぐ

写真提供:杉本製茶株式会社 http://www.shizuoka-tea-no1.net/