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農林水産分野の最新研究成果を紹介! アフ・ラボ

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省力栽培が可能になった!

メロンの新品種「フェーリア」


メロン栽培では余分な側枝(そくし。わき枝)や果実を取り除く作業が重要です。長時間かがんで行うこの作業を軽減できる新品種の開発に成功しました。

「フェーリア」の果実はやや縦長、果肉は淡緑色で食味に優れている

「フェーリア」の果実はやや縦長、果肉は淡緑色で食味に優れている

「フェーリア」には両性花(左)はなく、雌花と雄花がつくため、自然着果しにくく、摘果も少なくてすむ(花弁を取り除いて撮影)

「フェーリア」には両性花(左)はなく、雌花と雄花がつくため、自然着果しにくく、摘果も少なくてすむ(花弁を取り除いて撮影)

側枝の多くが20cm未満で伸長が止まる

側枝の多くが20cm未満で伸長が止まる

新品種開発までの背景
メロン栽培では、着果の安定性や果実の品質向上のために、さらには葉が茂りすぎて風通しや日当たりが悪くなることで成長を遅らせてしまうことのないように、側枝を切り落として、育てたい果実だけを着果させる作業を行っています。

しかしこの作業は、常にメロンを見回り、側枝をチェック・除去しなければならないため、多大な時間と労力が必要です。特に支柱などを使わない地這(じば)い栽培では常にかがんだ姿勢で作業をしなければならないため、生産者の大きな負担となっていました。

わが国の主なメロン産地である茨城県や熊本県では、冬から初夏にかけて半促成作型(※1)でメロン栽培が行われていますが、生産量が多いことから、特にこの側枝や果実の管理作業の省力化が求められていました。このたび、側枝の除去作業を軽減でき、半促成作型に適した新品種「フェーリア」が開発され、注目を集めています。

大規模産地の救世主 省力化を実現した新品種
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所で開発されたメロンの新品種「フェーリア」の最大の特徴は短側枝性です。短側枝性とは、成長を始めた側枝の多くが途中で自然に伸長を止める性質のこと。「フェーリア」は、高温や強い日照下でなければ多くの側枝が20cm未満で伸長が停止するため、側枝を切り落とす必要がありません。この作業が軽減されることで整枝作業の時間を5割程度短縮できるようになります。

さらに「フェーリア」にはもうひとつの優れた性質があります。一般的なメロン品種は両性花型で、1つの花に雌しべと雄しべが存在することから、自然に着果しやすく、余分な果実の摘果に労力を要してきました。これに対し、1つの花に雌しべまたは雄しべの片方だけしかつかない単性花型である「フェーリア」は自然着果が少なく、余分な着果を除去するという面においても労力が抑えられ、さらなる軽作業化を実現しました。

従来品種に比べ、うどんこ病(※2)などの病害にも抵抗性があり、食味も優れている「フェーリア」は、現在まで重労働とされてきたメロン栽培の救世主として期待されています。



(※1)12~2月頃に種をまき、4~6月頃に収穫する栽培方法。特に生育前半にハウスなどで加温して育てる。
(※2)感染すると葉の表面が菌に覆われて白くなり、生育悪化や果実の品質低下につながるメロンの重要病害。