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農林水産分野の最新研究成果を紹介! アフ・ラボ

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Googleマップを使った新システム

稲の生育状況と病虫害を予測


東北地方の農家を対象に、稲の栽培管理をパソコンや携帯電話で閲覧できるシステムが開発されました。

パソコンと携帯電話のトップ画面
パソコンと携帯電話のトップ画面。
圃場設定ができ、ログインすればいつでも水田の状態を閲覧できる。
稲の品種は5個まで設定可能

高温障害発生予測モデル。オレンジ色は稲の高温障害の危険期を示している

高温障害発生予測モデル。オレンジ色は稲の高温障害の危険期を示している

葉いもち病の対策カレンダー。日付の背景色の赤は感染好適(感染しやすい)条件、黄は準感染好適条件を意味している

葉いもち病の対策カレンダー。日付の背景色の赤は感染好適(感染しやすい)条件、黄は準感染好適条件を意味している
気象被害から稲を守る
稲は気象条件によって収穫量や品質に大きな影響を受ける作物です。夏に低気温が続くと冷害で米が実らなくなるなどの重大な被害が発生し、逆に高気温が続くと高温障害により米の品質低下につながってしまいます。

このため、冷害が予測される場合は水田に水を多めに溜め、太陽熱で暖めて保温し、高温障害が予測される場合は、水を流し続けることで水温の上昇を防ぐといった対策が古くから行われています。

しかし東北地方では近年、夏の天候の変動が大きくなっており、稲が気象被害を受ける危険性が高まっています。そこで、さまざまな気象条件に対し、速やかに対策を行うための新システムが開発されました。

いつでも簡単 稲の栽培管理
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センターが新たに開発したのは「Googleマップによる気象予測データを用いた水稲栽培管理警戒情報システム」。パソコンや携帯電話でGoogleマップ上の自分の水田をクリックして品種・田植え日・苗の葉の枚数を入力することで、気象庁による気象予測データと品種や作業履歴の情報から、その水田における1週間先までの稲の生育状況や気象被害、病害の発生が予測できるという画期的なシステムです。

このシステムは自宅からだけでなく、作業の合間でもパソコンや携帯電話からいつでも情報を閲覧できる他、水田の冷害、高温障害の危険性が予測された時には、メールで警戒情報を段階ごとに自動配信します。

また、農家の集約が進み、大規模水田が増えつつある東北地方では、農家の省力化を目的として、苗を植えるのではなく、直接種もみを播く直播(じかまき)栽培を行っている水田も同様の生育予測と警戒情報がわかります。さらに、イネいもち病(※1)やイネ紋枯(もんがれ)病(※2)の病害予測システムも完備。感染しやすい気温や条件が続けば、病害の発生を予測し、メールで知らせてくれます。

このシステムのユーザーはパソコン・携帯電話から水田の様子、警戒情報に対する対策、システムへの質問などをシステム管理者へ送信できる他、ユーザーどうしの情報交換も可能なので、稲の被害回避技術の普及や高度化の点からも期待されています。

(※1)カビの一種であるイネいもち病菌の胞子が付着し、草丈が伸びず枯死したり、穂が実らず枯れて白くなる「白穂(しらほ)」などを引き起こす。
(※2)菌が稲の株元につき発病する。葉が枯死、倒伏し、収量と品質低下が生じる。


問い合わせ先
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター 企画管理部情報広報課
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/tarc/2010/tohoku10-03.html