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特集1 竹のおはなし(3)

生産者が語る竹の魅力


竹の栽培から品種改良、植栽などに力を注ぎ、現代に合った竹のある暮らしを提案し続けている生産者を訪ねました。

見事なモウソウチクの林が続く。春にはタケノコ狩りでにぎわうそうだ
見事なモウソウチクの林が続く。春にはタケノコ狩りでにぎわうそうだ

竹が活動を休んでいる冬場が間伐の適期。切り出された竹があちこちに積まれていた

竹が活動を休んでいる冬場が間伐の適期。切り出された竹があちこちに積まれていた

「美しい竹林を維持するためには間伐の手間を惜しまないこと」と語る若山太郎さん

「美しい竹林を維持するためには間伐の手間を惜しまないこと」と語る若山太郎さん

手入れが行き届いた若山農場の竹林

手入れが行き届いた若山農場の竹林

開花する周期が長い竹類の品種改良は難しい。苦労の末に誕生した背丈の低いヒメアケボノモウソウチク

開花する周期が長い竹類の品種改良は難しい。苦労の末に誕生した背丈の低いヒメアケボノモウソウチク

ホテルのロビーに植えられたヒメアケボノモウソウチク(写真提供:若山農場)

ホテルのロビーに植えられたヒメアケボノモウソウチク(写真提供:若山農場)

タケノコ狩り・採りたてタケノコの直売、贈答用の発送は4月中旬から5月中旬まで

タケノコ狩り・採りたてタケノコの直売、贈答用の発送は4月中旬から5月中旬まで

Photo:Keiko Urata
多品種を栽培する竹の専門農場
東北自動車道の宇都宮インターチェンジから数分という場所に、美しい竹林が広がる農場があります。「竹 筍 栗(たけ たけのこ くり)」と書かれた看板が目印の若山農場です。若山農場はこの地で70数年間に渡って、竹と栗だけを作り続けてきました。代表の若山太郎さんはこの農場の3代目。

ほ場は約18ヘクタール、若山さんの言葉を借りれば「東京ドームの4.5倍ほど」。どこまでも平らで広大な土地で、モウソウチクを中心にマダケやハチク、キンメイモウソウチクやヒメハチク、カンチクなど造園で用いられる種類を含め、15種類もの竹を栽培しています。現在は竹材、竹苗の販売のほか、タケノコ狩り、栗拾い、タケノコや栗の直売も行っています。

青々とした竹が規則的に並ぶ見事な風景です。ドラマや映画、テレビのコマーシャルなどの撮影に利用されるというのも分かる気がしました。

マダケの特性がもたらしたもの
竹林を散策しながら、若山さんは竹材の利用が減少している現状を憂え、その意外な理由を話してくれました。

高度経済成長期以降に竹材の需要が減ったのは、プラスチック等の代替材の台頭が目覚ましかったからですが、若山さんのお話では、それに追い打ちをかけたのが、マダケが一度に枯れたことだったといいます。

マダケは加工性に優れているため、良質な竹材としてさまざまな製品に使われていました。そんなマダケはほぼ120年に一度花を咲かせ、すぐ枯れてしまうとのこと。日本国内のみならず世界中のマダケが花を付け、一気に枯れてしまったのが、昭和40年代の高度経済成長期のまっただ中だったといいます。このため、加工用のマダケは品薄になってしまいました。いくら成長が早いといっても、竹材として市場に出せるようになるまでには多くの歳月が必要です。そのため、加工用の竹材の供給が間に合わず、代替材に取って代わられてしまったと言います。

一新した竹のイメージ
「確かに今、竹材の需要は減っているけれど、新しい植栽アイテムとして、特に都市部の若い人たちから注目されています」と若山さんは続けました。

若山さんは造園師としても仕事をしており、建物と庭、竹の調和を常に頭に描いていました。若山さんの頭の中には、先代が50年の歳月を費やして品種改良をした「ヒメアケボノモウソウチク」の存在がありました。モウソウチクは高さ10m以上に成長しますが、ヒメアケボノモウソウチクは平均で4m程度までしか成長しません。伸び過ぎることもなく管理もしやすく、しかも美しい品種として、都市部の店舗やホテルの中庭をはじめ、ファッションビルの装飾などに植えられるようになり、個人住宅での需要も増えてきたといいます。

「竹は幹まで緑で、色がとてもきれいです。直線的なシルエットはデザイン的にも優れているうえに、日本らしい和の演出ができます。それでいて近代的な建物とのバランスもいい。夏は緑陰をもたらし、風にそよぐ笹鳴りの心地よい音は、人々のストレスを軽減してくれます」

若山さんは「確実に竹のイメージが変わってきている」と言います。都市部の若い人を中心に、スタイリッシュな新しい植栽アイテムという意識が根付きはじめているのだそうです。身近な場所で目を楽しませる植栽として、竹が広く受け入れられるようになり、同時に加工された竹製品の良さが見直されていくことに、若山さんは希望を持っていると語ってくれました。


若山農場・竹研究所
栃木県宇都宮市宝木本町2018
TEL.028-665-1417


植栽用の珍しい竹たち

キンメイモウソウチク    ヒメハチク金明系    ヒメハチク    カンチク(笹類)

キンメイモウソウチク
 

ヒメハチク金明系
  

ヒメハチク
 

カンチク(笹類)

竹林浴を楽しもう!

(1)京都市洛西竹林公園(京都府)

京都市洛西竹林公園(京都府)

京都市洛西竹林公園(京都府)
山々に囲まれた京都は、盆地特有な気候から良質な竹を採取できる一大産地として知られています。そんな京都にある「京都市洛西竹林公園」は国内有数の竹林公園です。遊歩道を散策しながら全国各地から収集した多く竹や笹の生態を観察できる生態園、学術的に貴重な竹類の数々が植栽されている見本園、京銘竹、エジソン電球、竹の生理・生態を解説したパネルなどが展示されている資料館などがあり、竹に関するさまざまな知識や情報が得られます。

京都府京都市西京区大枝北福西町2丁目300-3
TEL.075-331-3821
http://www17.ocn.ne.jp/~park/

(2)エコパーク水俣(熊本県)

熊本県水俣市にあるエコパーク水俣の「竹林園」は竹を中心に構成された回遊式日本庭園です。生命力が旺盛な竹に水俣の環境復元と再生への願いを託し、約4ヘクタールという広大な園内に国内外から集められた160種類を超える竹類が植えられています。

熊本県水俣市汐見町1-231-12
TEL.0966-62-7501(水俣公園管理事務所)
http://minamata-kouen.com/

(3)竹林の小径(静岡県)

竹林の小径(静岡県) 静岡県伊豆修善寺の観光名所になっているのが「竹林の小径」です。この一帯に生い茂っていたモウソウチクの林を保全・維持するために散策路を設け、環境を整備。温泉街を流れる桂川沿いの美しい竹林の中に石畳の道が続きます。

静岡県伊豆市修善寺
TEL.0558-72-2501(伊豆市観光協会修善寺支部)

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