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農林水産分野の最新研究成果を紹介! アフ・ラボ

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新しい殺菌技術を開発

茶殻やコーヒー粕を殺菌材に!


普段は飲んだ後に捨ててしまう茶殻やコーヒー粕を利用した殺菌技術が開発されました。

新しく開発された殺菌用資材。左は茶殻、右はコーヒー粕を原料とするもの

新しく開発された殺菌用資材。左は茶殻、右はコーヒー粕を原料とするもの

大腸菌に対する殺菌効果の比較

大腸菌に対する殺菌効果の比較。左の検出プレートは無処理のもの、右のプレートは新しい殺菌技術で10分間処理したもので、各プレートに大腸菌を塗付した。右では大腸菌を示す青い点が消滅している
リサイクル資源を利用した低コスト殺菌技術
近年、ノロウイルスなどによる食中毒が多く発生していますが、ウイルスや細菌によって引き起こされる食中毒は、健康を損なうだけでなく、時として生命をも奪ってしまうことがあり、大きな問題となっています。

そのため食品加工施設等では殺菌処理を行いますが、よく使われる塩素系殺菌剤は塩素臭が残ることもあるなど課題もありました。一方、安全と言われているオゾンを利用したオゾン殺菌は、装置の導入コストが高いという課題がありました。

このため、安全で低コストの殺菌法が必要とされていましたが、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構  野菜茶業研究所において、飲み物として使用した後の茶殻やコーヒー粕を利用した殺菌技術が開発されました。

幅広い分野での応用に期待
この技術の特徴は、茶殻やコーヒー粕に鉄を含む原料を混ぜ反応させて殺菌用資材を作り、これに過酸化水素を混合させることにより、強力な酸化力を持つ物質ヒドロキシラジカルを発生させ殺菌を行うというものです。この物質は、殺菌後は消滅し無害化するので安全なため、カット野菜などの食品の殺菌はもちろん、農業分野における種子消毒や青枯病(※1)やうどんこ病(※2)への対応、牛舎内や植物工場内の洗浄殺菌などでの利用が見込まれています。さらには農業分野だけでなく、汚染土壌の浄化など、幅広い分野に応用できるのではないかと期待されています。

現在は、企業と協力し、2~3年後の実用化を目指した研究が進められています。新しい殺菌技術の利用はもちろんですが、将来的には、家庭やお店から出る茶殻やコーヒー粕を回収して殺菌材を作るというリサイクルの点からも実用化に期待が高まっています。

(※1)トマトなどナス科植物に被害が多い。菌に感染すると水分を吸収できなくなり、枯れてしまう。
(※2)葉や茎がうどん粉をふりかけたようにカビで白くなり、生育悪化や果実の品質低下につながる。

青枯病に対する茶殻・コーヒー粕を利用した殺菌技術の効果

青枯病に対する茶殻・コーヒー粕を利用した殺菌技術の効果

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/vegetea/028225.html