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農林水産分野の最新研究成果を紹介! アフ・ラボ

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製パン適性が高く、めん類にも向いた小麦

早生で耐寒雪性が強い「ゆきちから」


東北地域では、収穫期が比較的早く、しかも寒さや雪に強い、パンや中華めんに向いた小麦「ゆきちから」の生産が広がっています。

「ゆきちから」は、耐寒雪性が強いため、寒冷地である東北地域の根雪日数110日以下の平坦地に適応している

「ゆきちから」は、耐寒雪性が強いため、寒冷地である東北地域の根雪日数110日以下の平坦地に適応している

「ゆきちから」は、耐寒雪性が強いため、寒冷地である東北地域の根雪日数110日以下の平坦地に適応している

左から、ゆきちから、キタカミコムギ、コユキコムギ、ナンブコムギ。これまでの品種に比べ、耐寒雪性に加え耐倒状性も強くなっている「ゆきちから」

左から、ゆきちから、キタカミコムギ、コユキコムギ、ナンブコムギ。これまでの品種に比べ、耐寒雪性に加え耐倒状性も強くなっている「ゆきちから」
雪や病気に強い品種として開発
小麦は国内で消費される量の約9割を輸入に頼っています(平成23年度)。なかでもパンや中華めんとして利用される強力粉は、ほとんどを外国産小麦に依存しています。しかし近年、国産小麦を利用したパンの要望が高まり、製パン性の高い国産品種が求められていました。
そこで、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター(旧 東北農業試験場)で研究が進められ、東北地域(寒冷地)向けの早生で多収、耐寒雪性、耐病性の強い小麦として誕生したのが「ゆきちから」です。

「ゆきちから」の研究の歴史は、昭和50年に赤さび病(※1)に強いうどん用小麦を作ることを目的とした人工交配からスタートします。しかし、めん用小麦としてはほかにもっと良い小麦があったため、この品種はいったん開発が中止されましたが、パン用小麦の要望の高まりとともに研究が復活。平成14年に品種登録を出願し、平成17年に登録が行われています。

「ゆきちから」は、赤さび病、うどん粉病(※2)、縞萎縮病(しまいしゅくびょう・※3)に強く、さらに耐寒雪性や耐倒状性に優れており、雪や寒さの影響を受けやすい東北地域での栽培に適した品種となっています。

東北地域での生産と消費が広がる
すでに「ゆきちから」は、秋田県を除く東北地域の5県で奨励品種等になっており、東北地域での作付面積は平成23年産で1,680ヘクタール(東北農政局生産振興課調べ)と、これまで広く栽培されてきたナンブコムギに次いで東北地域第2位の面積となっています。

また、一般に製パンに向く強力粉はめん用小麦より粉の色がくすんでいますが、「ゆきちから」は明るく白い色の粉になることから、ラーメンやうどんに利用してもきれいな仕上がりを見せます。これによりパン原料として利用される以外に福島県の喜多方ラーメンや山形ラーメン、さらに岩手県の南部生パスタなどで利用が進み、地元で生産した「ゆきちから」を使用していることをアピールした商品も多く誕生するなど、東北地域の地産地消品種として消費が進んでいます。

みなさんも東北地方を訪れたら、「ゆきちから」を利用したパンやめん類をぜひ味わって、国産小麦のおいしさを実感してみてはいかがでしょう。

(※1)さび病の一種。金属のさびのようなかびが葉一面に発生し、穀粒がやせるなど収量や品質の低下をもたらす。
(※2)うどん粉のような白いかびに覆われ、生育の悪化をもたらす。
(※3)土壌伝染性のウイルス病。葉に縞模様が現れて成長が停滞し、収量の低下をもたらす。


独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/tarc/2002/tohoku02-38.html