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農林水産省

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農林水産分野の最新研究成果を紹介! アフ・ラボ

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農業の未来を支える「農業新技術2013」その3

多品目の収穫が可能な小型汎用コンバイン


農林水産省は毎年「農業新技術200X」と題して、農業に関連した新しい重要な技術を選定し、その普及推進を図っています。今月号では、コンパクトで機動性に優れ、多品目の収穫に使用できるコンバインを紹介します。

4tトラックに積載される小型汎用コンバイン。機体重量は3.4~3.7tで、従来機より約1t軽い

4tトラックに積載される小型汎用コンバイン。機体重量は3.4~3.7tで、従来機より約1t軽い

小型汎用コンバイン(左)と従来機。全長は1.5m、刃幅は0.3m縮小されている

小型汎用コンバイン(左)と従来機。全長は1.5m、刃幅は0.3m縮小されている

1台でいろいろ収穫できるよ
汎用性を持ち、小回りの利く収穫機が求められている
農家のなかには、米とともに麦、大豆、ソバ、ナタネ、などを栽培する人がいます。収穫には、コンバインを使うのが一般的ですが、複数台所有するのは、穀物の生産コスト増につながります。

1台で多品目の収穫が可能な、汎用コンバインが市販されていますが、機体が大きく、重量も4t以上あります。長距離の移動には、大型のトラックが必要となり、幅の狭い農道や、小さい圃場には適応できません。そこで、(独)農研機構と三菱農機(株)によって開発されたのが、4tトラックに積載可能な小型汎用コンバインです。

脱穀部の小型化に苦心試行錯誤を経て、実用化へ
機体が小型化され、公道の自走も可能です。また、稲、麦、大豆、ソバ、ナタネなど、多様な作物の収穫も可能です。

脱穀負荷の大きい稲を含む、これらの作物を、高能率に収穫するには、本来、大型の脱穀機構が必要です。開発に携わった(独)農研機構の梅田直円(なおのぶ)さんは、「機体の小型化にあたり、脱穀部の設計に苦労しました。特に稲は、地域や品種によって、生え方や籾の脱粒性が、他の作物とは違うため、何度も試験を重ねました」と、語ります。

また、大豆の収穫にあたっては、粒の汚れが品質低下につながる恐れがあるため、揺動選別部にフッ化樹脂コート(撥水加工)を施すことで、汚れが付着するのを抑えています。

このコンバインは、すでに実用化され、平成23年度より、各農機メーカーから同タイプの機種が、販売されています。


導入メリット

農林水産技術会議 http://www.s.affrc.go.jp/docs/new_technology.htm
独立行政法人  農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター
http://www.naro.affrc.go.jp/brain/index.html

文/宗像幸彦