このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

チャレンジャーズ チーム力で輝け 第76回

  • 印刷

愛知県 合同会社 酪

新鮮な牛乳のおいしさをもっと広めたい! 二軒の酪農家ファミリーが手作りする「牛乳ぷりん」


農林漁業生産(第1次産業)と、加工・販売(第2次、3次産業)を一体化させることで、新たな産業を生み出す6次産業。
今回は、搾りたての生乳の味を生かしたプリンを開発した、酪農家のチーム力を紹介します。

北村道子さん、小笠原正秀さん、北村克己さん(写真左から)。牛乳プリンは、ミルク、たまご、抹茶、ほうじ茶、こうじ、チーズの6種類。各300円

北村道子さん、小笠原正秀さん、北村克己さん(写真左から)。牛乳プリンは、ミルク、たまご、抹茶、ほうじ茶、こうじ、チーズの6種類。各300円

小笠原牧場の経営規模は成牛260頭、うち搾乳牛は220頭。北村牧場は成牛60頭、うち搾乳牛は50頭
小笠原牧場の経営規模は成牛260頭、うち搾乳牛は220頭。北村牧場は成牛60頭、うち搾乳牛は50頭

合同会社「酪」は搾りたての生乳を使い、ソフトクリームなども開発している
合同会社「酪」は搾りたての生乳を使い、ソフトクリームなども開発している

加工は北村さん親子が担当。パートを雇い、「牛乳ぷりん」や「生キャラメル」を手作りしている
加工は北村さん親子が担当。パートを雇い、「牛乳ぷりん」や「生キャラメル」を手作りしている
愛知県西尾市で酪農を営む、小笠原正秀さん(57)・和美さん夫妻と、正秀さんを師匠と仰ぐ北村克己さん(37)・道子さん(62)親子は、乳製品の加工を手掛けたいと思い、着々と準備を進めてきました。

正秀さんと克己さんは、愛知中小企業家同友会の勉強会で経営を学び、道子さんと和美さんは、九州や静岡県の乳製品加工の先進地へ、視察に行ったりしました。それは、〝乳を搾っておしまい〞の酪農ではなく、「新鮮な牛乳のおいしさをもっとたくさんの人に知ってもらい、酪農の価値を高めたい」という思いを抱いていたからです。

そんな4人の背中を押す契機となったのが、地元に道の駅がオープンしたことです。「道の駅で私たちの乳製品を売ろう!」と、平成21年、4人で合同会社「酪」を設立しました。

性別と年齢の異なる4人の意見から、消費者のニーズが……
4人は商品を作るにあたり、加熱殺菌した牛乳ではなく、搾りたての新鮮な生乳を使うことにこだわりました。そして、生乳のおいしさを生かせる加工品として、プリンを選びました。

もっとも苦労したのは味の加減です。年代も性別も異なる4人は、味の好みもバラバラ。意見がまったく一致しないまま、何度も話し合いました。「もっと甘いほうがいい」「これでは甘すぎる。後味がさっぱりしているほうが受けるのではないか」「もう少し生乳のおいしさを出せないか」――。正秀さんは、「男性陣と女性陣、上の年代と下の年代、それぞれからいろんな意見が出てくることで、多様な消費者ニーズの一端が見えたような気がします」と、振り返ります。

最後はそれらの意見を、加工担当の道子さんが集約。なによりも生乳のおいしさが味わえるように、甘さを抑えた「牛乳ぷりん」が完成しました。商品パッケージのデザインやポップ作りは、学生時代に美術を学んだ和美さんが担当しています。

生乳の濃厚な味わいが受けて、リピーターが増加中
販路開拓は、正秀さんと加工も担当する克己さんが担っています。「牛乳ぷりん」は地元の道の駅「にしお岡ノ山」のほか、現在、2か所の農産物や水産物直売所でも販売されています。地元住民や観光客を中心に、「甘さ控えめで、濃厚な生乳の味がおいしい。無添加なのも魅力です」というリピーターが増えています。

道の駅「にしお岡ノ山」には、「酪」専用のコーナーが
道の駅「にしお岡ノ山」には、「酪」専用のコーナーが

チーム力を発揮する秘訣はコレ!
小笠原さんと北村さんファミリーは、合同会社を設立して6次産業に取り組む際、将来の夢を文章にしておたがいの考えを共有しました。そして、単に作りたいものを作るのではなく、「経営の向上を図りたい」「酪農を地域産業に育てたい」「新たな酪農文化を創造したい」などの目標を実現するべく団結。良質な商品づくりをめざしました。


〈合同会社 酪〉
愛知県西尾市花蔵寺町西島104
TEL : 0563-52-2235
http://rakubokujou.web.fc2.com/ 〈道の駅「にしお岡ノ山」〉
愛知県西尾市小島町岡ノ山105番地57
TEL : 0563-55-5821
http://okanoyama.com/


文/佐々木 泉  写真/綿貫淳弥