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農林水産省

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MAFF TOPICS(1)

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高品質な農産物を供給し続けるために

品種改良を促進する、国際条約(ITPGR)に参加


MAFFとは農林水産省の英語表記「Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries」の略称です。
MAFF TOPICSでは農林水産省のお知らせを中心に、暮らしに役立つさまざまな情報をお届けします。
農作物の品種改良などに不可欠な、種などの植物遺伝資源。
これが、「食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約(ITPGR)」に参加することで、入手しやすくなることに。

茨城県つくば市にある、(独)農業生物資源研究所の配布用種子貯蔵庫。温度-1℃、相対湿度30%に保たれている

茨城県つくば市にある、(独)農業生物資源研究所の配布用種子貯蔵庫。温度-1℃、相対湿度30%に保たれている
左から、ペットボトルに入った小豆、稲、大豆の種子。研究や教育用に配布しており、Webサイトから申し込みできる

左から、ペットボトルに入った小豆、稲、大豆の種子。研究や教育用に配布しており、Webサイトから申し込みできる
http://www.gene.affrc.go.jp/index_j.php
農業生物資源研究所パンフレット
「農業生物資源ジーンバンク」より

多様な「遺伝子」が豊かな食卓を支える
私たちがふだん食べている小麦や米などの農作物には、品種ごとに特性があります。おいしいけれど、病害虫に弱い品種もあれば、味は普通だけど、病害虫に強い品種もあります。もし、おいしくて、病害虫に強い品種があれば、農薬の量も、栽培(生産)コストも減らせると同時に、消費者にとっては、おいしいものが比較的安価に手に入り、生産者、消費者双方にメリットが見込まれます。

このため、相互に異なる有用な特性を持った品種をかけ合わせて、新しい品種を生みだす品種改良が行われます。例えば、さくらんぼは、自家受粉しない特性があるため、別の品種の花粉を付ける必要があります。そこで、山形県ではアメリカの品種「コンパクトステラ」と「レーニア」を交配して、国内初の自家受粉品種「紅きらり」を育成しました。

このように、品種改良では、多様な遺伝的特性を持つ種(たね)などの遺伝資源が重要であり、多くの種類を保存しておく必要があります。

各国が持つ貴重な遺伝資源を、利用しやすく
重要な遺伝資源ですが、在来種などの遺伝資源は、発展途上国に多く存在しており、環境の悪化、熱帯林の急激な減少などから、滅失の危機にさらされています。

このようなことから、我が国では、農業生物資源ジーンバンク(遺伝資源の保存)事業が1985 年に開始され、現在、植物の種子、動物の生殖細胞や微生物などの遺伝資源が保存されており、植物遺伝資源については、約22万点(世界第5位) を保有しています。

2004 年に発効した「食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約」(ITPGR)は、締約国に対し、食料安全保障等の観点から、特に重要な植物遺伝資源の保全、探査、収集等を義務付けると同時に、その利用を容易にし、また、その利用から生じた利益を保全活動に取り組む途上国等に対し、配分するための制度を設立することなどが主な内容となっています。

これまで、129カ国及びEUが締結しており、日本も今年(2013年)10月28日に締約国になりました。締約国になったことで、海外のジーンバンクからの新たな植物遺伝資源の直接の入手が容易となると同時に、海外の研究機関等からの要請があれば、遺伝資源を提供することとなります。

人類の財産といえる遺伝資源が、今後ともジーンバンク事業やこの条約により、次世代に引き継がれるとともに、さまざまなニーズにあった品種が生まれ、活用されることが期待されます。

外国品種の掛け合わせで、課題を克服

写真提供/山形県農業総合研究センター園芸試験場

大事な種を上手に使おうね

文/小林裕幸