特集1 ユネスコ無形文化遺産への登録が決定!大切に伝えたい。わたしたちの「和食(washoku)」(1)
昨年12月4日、「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、大きな話題となりました。わが国が誇る「和食」は、国内はもちろん、世界からも注目されています。そこで、今回は、無形文化遺産に申請した目的や、登録にいたった経緯をわかりやすく紹介するとともに、次世代に「和食」を継承するためのさまざまな普及・啓蒙活動などをレポートします。 |
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ユネスコの無形文化遺産ってなに?
ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)は、諸国民の教育、科学、文化の協力と交流を通じて、国際平和と人類の福祉の促進を目的とした国際連合の専門機関です。無形文化遺産とは、ユネスコが取り組む遺産事業の一つで、芸能や伝統工芸技術など〝形のない文化〞を対象とします。有名な「世界遺産」も、ユネスコの遺産事業の一つですが、こちらは姫路城や富士山など、〝建築物〞や〝自然〞など〝有形のもの〞を対象とするのが大きな違いです。 現在、無形文化遺産には、土地の歴史や生活風習などと密接に関わる文化、281件が登録されており、日本では、「歌舞伎」や「能楽」などが登録されています。 どうして「和食」が選ばれたの?
「和食」は、世代を超えて受け継がれてきた慣習であることや、日本各地で「和食」の保護のための取り組みが行われていることなどが評価され、今回の登録にいたりました。食に関するユネスコの無形文化遺産としては、「フランスの美食術」「地中海料理」「メキシコの伝統料理」、トルコの「ケシケキの伝統」に加え、昨年、「和食」のほか、韓国の「キムジャン: キムチの製造と分配」、トルコの「トルココーヒーの文化と伝統」、グルジアの「クヴェヴリ」が新たに登録されました。 文/久保木薫、柳本 操 写真/松木雄一、タカオカ邦彦、多田昌弘 イラスト/池田須香子 |