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農林水産分野の最新研究成果を紹介! アフ・ラボ

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燃油の節約に強い味方登場!

漁船の燃料費節約に役立つツール「Dr.省エネ」誕生


漁船を使う漁業では、経費の約半分を燃料費が占めています。これをいかに削減するかが、漁業経営の大きな課題でしたが、この度、船の燃費に関するデータを、ひと目でチェックできる新ツールが登場しました。

Dr.省エネは(独)水産総合研究センター水産工学研究所ウェブから入れます

Dr.省エネは(独)水産総合研究センター水産工学研究所ウェブから入れます

省エネのために漁船の特徴を知ろう
自動車は、アクセルを踏んでエンジンの回転数を上げると速度も上昇しますが、船はエンジンの回転を上げても速度の上昇に限界があります。

船は走る際に4つの抵抗(造波抵抗、粘性圧力抵抗、砕波(さいは)抵抗、粘性摩擦抵抗)を受けます。その中でもっとも大きな抵抗は船首と船尾が作る波による造波抵抗です。この抵抗はスピードが上がるほど大きくなるため、アクセル全開で船を走らせても、速度は思ったように上がりません。

そこで、省エネルギーで航行するためにはどのくらいの速度がよいのかを知ることが大切です。

燃料消費の実態を調査するため、独立行政法人水産総合研究センター水産工学研究所と開発調査センターが共同で、研究をスタート。漁船の大きさや速度、航海時間、魚の獲り方の違いなどによる燃料消費の特徴を把握して、省エネに効果的な方法を見つけるため、さまざまな漁船で調査し、データを集めました。

これらのデータを基に開発されたのがスマートフォンや携帯電話、パソコン向けのソフト「Dr.省エネ」です。

手軽にスマホでわかるエコ運転による燃料削減効果
このソフトに漁船の種類やトン数のほか、燃料単価や、航行距離などを入力すると、航行する速度によって削減できるおおよその金額が把握できます。出漁前などに、このソフトを活用することで、最適な速度等がわかり、エコ操船ができます。

開発に携わった、(独)水産総合研究センターの研究員いわく「さまざまな年代の漁師さんの意見を聞くため、漁業現場を訪れること年80数回。とにかく、〝シンプルで使いやすい〞を目指し、開発しました」

わたしたち消費者がおいしい魚を食べ続けるためにも、漁業経営を強力にサポートする、こんな新しいツールが、どんどん登場すると嬉しいですね。

減速航行の効果がわかるよ


独立行政法人 水産総合研究センター
http://www.fra.affrc.go.jp/

調査例:遠洋かつお一本釣り漁船の燃料消費特性/船の4つの走行抵抗


文/宗像幸彦
写真提供/(独)水産総合研究センター