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農林水産省

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特集1 水産日本の復活!(1)

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わが国の周辺水域は、世界で最も生産性の高い水域の一つであり、漁獲される魚種も非常に豊富です。そのような恵まれた環境の中、日本の漁業・養殖業生産量は、過去には世界1位を誇った時期もありました。世界の食用水産物の消費量は、人口増や中国の経済発展などにより年々増加しており、今後も市場が広がることが見込まれます。今回は、このような状況をにらみ、水産業を成長産業に変え、「水産日本の復活」を実現させるための施策を具体的に説明しつつ、さまざまな取り組み例もレポートします

「水産日本復活」のための3本柱
※1 「浜の活力再生プラン」とは……漁村地域の個々の現状に合わせて、浜ごとに「将来自分たちのあるべき姿」「取り組むべき課題」を、地域自らが考え、漁業所得の向上に取り組むプラン。
※3 HACCP:食品の製造において危害の防止につながるとくに重要な工程を継続的に、監視・記録を行う工程管理システム


広い排他的経済水域、高い潜在力を持つ豊かな日本の海
わが国周辺水域が含まれる太平洋北西部海域は、生産性が高く世界の主要な漁場の一つとなっています。また、植物プランクトンの栄養源である「硝酸塩」や「リン酸塩」などの栄養塩が豊富です。さらに、寒流の親潮や暖流の黒潮などの海流がぶつかることから、多種多様な魚介類の宝庫となっています。

各国の排他的経済水域面積と国土面積の順位

※2 排他的経済水域とは……日本の沿岸から200海里(約370km)内の水域で、日本が漁業をしたり、水産資源などの天然資源を採ったりする活動を、他の国に邪魔されずに自由に行うことができる水域。

資料:米国国務省「LIMITS IN THE SEAS」、海上保安庁HP
米国中央情報局「The World Factbook」、FAO「Fishstat(Capture production)」農林水産省「漁業・養殖業生産統計」

50年間で2倍の伸び、広がる世界の水産物需要
世界の食用水産物消費量も、中国の経済発展などにより年々増加しており、世界の1人あたりの年間水産物供給量は約50年で2倍に。国連の予測によれば、2040年の世界の人口は90億人に達し、世界の水産物の総需要量は、今後も増加する見込みです。

世界の主な漁場と海域別漁獲割合

資料:FAO「Fishstat(Capture production)」

文/(株)ブーン
写真/(株)ブーン
写真提供/(株)紀文食品、(株)山安


続いて、今後“攻めの水産業”を展開し、「水産日本の復活」に向けた戦略を、詳しく紹介します