特集1 日本の森林(もり)を育むのは、あなたの“木づかい”~木材の利活用のすすめ~(5)
内装をとことん“木づかい”
床はもちろん、洗面所、キッチンの引き出し、本棚、CDラックまで木質化!
すると、自宅にいながら、木の香りに包まれ、まるで“森林浴”気分……
— 株式会社北村建築工房(神奈川県横須賀市)
南東に面したリビング。
テーブルは自作。CDラックや本棚も木製造作 |
廊下の梁型を隠すように設置された本棚 リビングに面した和室。縁に腰掛けることもでき、床下は収納スペースとして活用 |
3年前に神奈川県葉山町のマンションを購入した天羽(あもう)太郎さん一家。築36年の建物の内装を入居前にフルリノベーションしました。室内をコンクリートむき出しの状態まで解体し、間取りも風通しがよくなるよう変更。内装材に活用したのは無垢材をはじめとする自然素材です。 「床には奈良県の吉野杉の無垢材を使っています。スギには蓄熱や湿気を放吸湿するすぐれた性質があるので、冬でも床が冷たくならないし、雨の日でもベタッとしない。足触りの気持ちよさが特徴です。だからわが家では素足で過ごすのがおすすめですよ」 改装を手がけたのは天羽さんが勤める工務店・(株)北村建築工房。自然素材を最大限に生かした「木成りの家」を提案しており、注文住宅を請け負っています。 これまで何棟も「木成りの家」づくりに携わってきた天羽さんですが、つねに「つくる側」で「使う側」ではありませんでした。実際の住み心地はどうなのか、それを体感するのも自宅をリフォームした理由の1つだと語ります。 「改めて、暮らしの中に木を取り込むことの相性のよさを実感しています。つくり手としての実感が、伝える力にもなっています」と天羽さん。 使い込むほどに味わいが増し、傷やしみも重厚さにつながる木。「木成りの家」は、家族とともに時間を積み重ねていく家です。
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