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特集1 農山漁村が元気になる! 再生可能エネルギー(4)

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小水力発電で元気に!

農業用水に水車を設置し、その電力でとうもろこしの加工を開始。
そのまま食べられる「つぶもろこし」などの加工品が大人気!
— 石徹白農業用水農業協同組合(岐阜県郡上市)


直径3m幅1mの上掛け水車。電力は農産加工施設の電気の一部に

直径3m幅1mの上掛け水車。電力は農産加工施設の電気の一部に

らせん型水車。電力はNPO法人の事務所内の電気に使用

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「地域活性化の主役は住民自身。エネルギーも、あくまで地産地消の姿勢で取り組んでいきたい」と話す平野さんと息子の源一くん

「地域活性化の主役は住民自身。エネルギーも、あくまで地産地消の姿勢で取り組んでいきたい」と話す平野さんと息子の源一くん

糖度の高さがうりのとうもろこしを生産・加工する地区のみなさん

糖度の高さがうりのとうもろこしを生産・加工する地区のみなさん
名峰白山の南麓に位置する岐阜県郡上(ぐじょう)市石徹白(いとしろ)地区では、豊富な水量を利用した小水力発電が行われています。

平成19年、地域活性化に取り組む地元のNPO法人「やすらぎの里いとしろ」が、小水力発電を導入しようと決めたことがはじまりでした。集落では昭和30年まで、小水力発電によって電気を賄っていた歴史があり、これを復活させることで高齢・過疎化している地区を再生させようと考えたのです。

平成20年には実験用として3機の水車を農業用水に設置。落ち葉や刈り草といったゴミが詰まるなどのトラブルに見舞われながらも、農産加工施設の電気の一部を賄うまでに。地元の農家による特産とうもろこしの加工が始まりました。

乾燥させた「つぶもろこし」を商品化したほか、冷凍したつぶをパン屋や飲食店に供給。さらに、とうもろこしの粉末と地元産のもち米を組み合わせた「もろこし餅」をイベントなどで販売しています。

当初からこのプロジェクトに関わってきたNPO法人地域再生機構の平野彰秀さんは、「水車の設置を機に子育て世代の家族が移住してきたり、視察が増えたことで、女性たちがカフェをオープンするなど、地域に活気がもどってくるのが目に見えてわかりました」と話します。

地区では今年4月に、石徹白農業用水農業協同組合を設立。農業用水を管理するとともに、農業用水の一部を活用した小水力発電所を建設中です。住民主体の取り組みから、今後も目が離せません。

加工施設は住民の雇用の場に

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  もぎたてとうもろこしの、うまさを凝縮した「つぶもろこし」

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