特集1 楽しみませんか?もっと花のある暮らし(2)
花き産業の様々な取り組み
国内花き産業の活性化に向けて、様々な取り組みを進めます
国産花きの品種開発を見れば、民間や個人育種家を中心に盛んに行われており、その技術は世界最高レベルにあります。花きの国内市場は、国産品が約9割を占めていますが、長期的にみると輸入品の割合が増加傾向にあります。とくにカーネーションは、平成14年には84%を国産が占めていましたが、平成24年には48%まで下がっており、その分価格が安いコロンビアや中国からの輸入が増えています。 一方、花きの輸出は、平成14年には約13億円でしたが、平成24年には86億円と、アジア新興国向けを中心に順調に増えているなど、明るいニュースもあります。 「国産シェアの回復」と「輸出の拡大」をめざして
今後の花き業界のめざす姿は、育種者、生産者、市場関係者などが一致団結して、「国産シェアの回復」と「輸出の拡大」を果たし、“攻めの農政”を実現することです。「国産シェアの回復」を果たすためには、“花きの生産拠点の整備”や“流通体制の確立による花の日持ち性などの向上”などの実現が必要です。 また、「輸出の拡大」のためには、“輸出拠点となる施設園芸団地の整備”“安定供給のための産地間連携によるリレー出荷”などの実現が求められています。 これらの課題を解決することで、「生産者の所得向上」や「雇用の創出」「地域の保全」を図るとともに、平成32年には輸出額150億円を達成することが目標です。 また、平成32年に開催されるオリンピック・パラリンピック東京大会では、訪れる世界各国の人々に、花きでおもてなしをすることでアピールし、さらなる需要拡大を図ります。 参考: 国産花きの産出額は平成10 年の約6300億円をピークに平成24年には約3800 億円に減少。 また、輸入額は平成10年の370億円から平成24年には460億円に増加傾向。 |
花き産業と花きの文化の振興を図るため、「花きの振興に関する法律」が施行されました
花き産業は、「国産シェアの回復」と「輸出の拡大」に向けて、新品種の育成を加速させ、国際競争力を強化することは重要な課題です。また、花きに関する伝統と文化は、私たちの生活に深く関わり、心豊かな生活をしていくうえで大切な役割を担っています。 このようななか、花き産業と花きの文化の振興を図り、花き産業の発展と、心豊かな国民生活の実現を目的とし、平成26年6月に「花きの振興に関する法律」が成立、同年12月1日に施行されました。この法律により、(1)花きの生産者の経営の安定、(2)花きの流通方法や仕組の簡素化・効率化、(3)花きの輸出促進、(4)公共施設やまちづくりでの花きの活用等を進めていきます。 種苗法の特例があるって聞いたけど……
種苗法の特例として、花き産業の国際競争力を強化するため、品種開発と増殖技術の方法や仕組の改善に取り組んだ場合、品種登録にかかる出願料と登録料(1~6年目)が、表のように4分の3が軽減されます。花き産業の国際競争力を強化するため、品種登録にかかる出願料と登録料を軽減します 法律による花きの文化の振興について教えて
花きの文化の振興を図るため、国や地方公共団体の庁舎などで、まちづくりにおける花きの活用や、花きの癒やし効果を普及するため、介護施設や障害者施設などでの活用を進めていきます。公共施設における花きの活用や学校における花育活動など様々な取り組みを推進しています また、将来の花きの文化の担い手となる児童や生徒などに対する教育活動「花育」を推進していきます。さらに、家庭や職場など日常生活における花きの活用や、生け花や盆栽、花きにまつわる行事や習慣などの伝統の継承、フラワーアレンジメントや新しい物日の普及、花きの新たな文化の創造などに取り組んでいきます。 |
花にまつわる農林水産省プチ・トピックス
昨年の12月18日(木曜日)に、農林水産省で、本年度2回目となる「花き振興セミナー」を開催。このセミナーは、「花きの振興に関する法律」が施行されたことを踏まえ、花きの生産、流通、販売、文化など幅広い関係者を対象に開かれ、約500名が参加しました。冒頭、西川公也農林水産大臣が、「いい夫婦の日に私も初めて妻に花を贈った。新しい花きの文化を発展させ、花きの需要拡大を図ることで、花き業界を活性化させたい」と挨拶。「花き振興セミナー」を開催しました 川合花き産業・施設園芸振興室長から法律の概要や平成27年度の花き関連予算などについての説明、華道家で、池坊の次期家元池坊由紀さんのいけばな実演・講演などの後、花きの需要拡大に向け、活発な意見交換が行われました。 |