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特集1 麦(5)

[TOPICS] 麦に関する最新情報



“国産志向”でますます注目度が高まる国産の小麦・大麦。
最新のトピックを紹介します。


[国産小麦]
自家製パンで味わうパン向きの新品種


パンに向く品種はないと言われてきた国産小麦。近年、たんぱく質含有量の多い小麦が各地で生産され、超強力系の「ゆめちから」などが人気を集めています。

自宅でパンを焼く人のあいだでも「もっちりとした食感がおいしい」と、国産小麦が好評です。ホームベーカリーを販売するパナソニックが昨年、製品愛用者を対象に調査したところ、すでに約2割の人が国産小麦を使っていることが判明したそう。「今後どんなパンを焼きたいか」という質問に対しても「国産小麦で焼いてみたい」という声が多かったことから、昨年より、取扱説明書に「国産小麦アレンジレシピ」を掲載しています。

「たんぱく質の含有量11%以上の小麦粉を選ぶことが上手に焼くコツです」と同社の商品企画担当・内田さやかさん。種類が増えた国産小麦を、自家製パンで味わってみてはいかが?


国産小麦を使ってホームベーカリーで焼いたパン・ド・ミ。もちもちとした食感が楽しめる 国産小麦を使ってホームベーカリーで焼いたパン・ド・ミ。もちもちとした食感が楽しめる




[需要拡大]
健康食として注目を集める大麦製品


近頃、大麦の健康機能成分が注目されており、押麦等の食用大麦の販売額が拡大しています。大麦はビタミンB1を多く含むことから、かつては脚気予防の食材として人気でしたが、現在、脚光を浴びているのは、水溶性食物繊維「β(ベータ)- グルカン」です。

平成25年、日本健康・栄養食品協会は、大麦β-グルカンの健康機能性について、さまざまな研究を精査した結果、「コレステロールの正常化」「食後血糖値の上昇抑制」「満腹感の持続作用」といった効果があることを発表しました。

特に「食後血糖値の上昇抑制」は、大麦β- グルカンが水に溶けるとゼリー状に固まる性質によるもの。消化中の糖質の吸収が緩やかになり、血糖値の上昇を抑制すると言われています。

米と一緒に炊く押麦のほか、麦を混ぜた雑穀ミックス、朝食に人気のグラノーラ、ノンカフェインの麦茶、大麦麺など、大麦製品が多数販売されています。


麦類(押麦等)の販売額の推移(全国)
資料 : 日本経済新聞デジタルメディア社による全国のスーパーマーケットなど331店におけるPOSデータから集計

大麦を使った商品が続々と登場している
大麦を使った商品が続々と登場している
撮影協力/石橋工業、豊橋糧食工業、西田精麦、はくばく

麦ごはん
写真提供/はくばく




[地産地消]
地元産小麦粉で町おこし


福岡県・筑前町は、良質な小麦の産地です。この麦の里が5年前に始めたのが「筑前麦プロジェクト」という、地場産の小麦粉による町おこし。薄力系の「筑前麦太郎」と強力系の「筑前麦夏ちゃん」の2種類の小麦粉を商品化し、これらを用いたメニューを町内の飲食店で販売して、地産地消で地域を盛り上げる試みです。

小麦の製粉には、製粉会社の高い技術と設備が必要。しかも大量に製粉しないとコスト高になるため、筑前町の10トンという収穫量では難しいと考えられていました。

しかし、筑前町商工会が熱心に働きかけ、地元のJA筑前あさくらと全農が福岡市の大陽製粉に相談。「筑前町産の小麦で地元を盛り上げよう」という地産地消への熱い想いに共感した同社により、筑前町産100%の小麦粉が実現したのです。

中華料理「永徳酒家」の日永田保徳さん・勧さん親子。筑前小麦を使った料理を提供
中華料理「永徳酒家」の日永田保徳さん・勧さん親子。筑前小麦を使った料理を提供

うどん・そば店「味由」で腕を振るう店主の大津正之さん
うどん・そば店「味由」で腕を振るう店主の大津正之さん

田村和幸さんがオーナーを務める「パティスリー・ブロンジェリー・ハル」では、ケーキなどに使用
田村和幸さんがオーナーを務める「パティスリー・ブロンジェリー・ハル」では、ケーキなどに使用

「和食処いけだ」では、店主の池田潔さんが作るだご汁が好評
「和食処いけだ」では、店主の池田潔さんが作るだご汁が好評

イメージキャラクターの麦太郎と麦夏ちゃん
イメージキャラクターの麦太郎と麦夏ちゃん



Column

もっと「国産」を!
静岡県の学校給食で提供 国産小麦100%のパン&麺


もっと「国産」を!静岡県の学校給食で提供国産小麦100%のパン&麺

地産地消を推進している学校給食ですが、国産小麦のパンや麺を取り入れている地域は全国でもまだ多くありません。近年、パンに向く国産小麦の品種が登場し、生産量が増えて価格も安定してきたことで、状況は変化。いち早く動いた静岡県学校給食会は今年度より県内の小中学校で、国産小麦100%のパンと麺の提供を始めました。

「これまでは外国産小麦に県産小麦を2割配合していましたが、北海道産ゆめちからと県産イワイノダイチを6対4で配合した国産小麦100%に切り替えました。同じ配合のものをパンと麺、両方に使用しています」と話すのは、同会の事務局次長兼物資課長の石上達也さん。

静岡県学校給食パン協同組合と連携して提供している給食パンは、角食パン、山食パン、ロールパンのほか、動物の形をしたもの、静岡県特産のお茶が入ったものなど、バリエーションも豊富。「もちもちしておいしい」と子どもたちにも好評だとか。中華麺やうどんなども、献立に応じて4種類を作り分けています。パンは月に5~6回、麺は2回の頻度で給食に登場。食育を進める大きな原動力になっています。


国産小麦のパンを使った給食献立1

給食を配膳する子どもたち

給食風景 国産小麦のパンを使った給食献立2




取材・文/大沼聡子



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