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特集1 食生活(1)


健康寿命を延ばし、豊かな人間性を育むため、政府が推進してきた食育。4月から農林水産省が中心となって、食生活の改善、食文化の継承、生産者と消費者の交流などの事業を通して子どもから高齢者までを対象とする食育に取り組んでいきます。食育が今、新たな段階を迎えようとしています。

[Senior]ひとり暮らしが増加 孤食の高齢者が陥る栄養不良




健康的なことで知られる日本型食生活。そのあり方に影を落としているのが、世帯の変化です。例えば、増加する独居の高齢者が陥りやすいのが低栄養の悪循環です。


低栄養素の悪循環


ひとり暮らしの高齢者を孤独死させないために
健康に生きていくために必要な栄養素をとれない状態を「低栄養」といいます。これに陥りやすいのが高齢者です。

国立長寿医療研究センターの平成24年の調査によれば、在宅療養患者の高齢者の約7割が「低栄養」または「低栄養のおそれあり」の状態でした。

低栄養には恐ろしいサイクルが待ち受けています。加齢とともにかむ力や飲みこむ力が弱くなると、繊維質の多い野菜や肉など咀嚼しにくい物を避けるようになりがちです。また、食事の量や品数が減ると、低栄養の状態になってしまい、身体機能が低下します。活動量が減ると、食欲がわかなくなり、さらに栄養不良が進んでしまうのです。

現在、夫婦のみの世帯や単身の世帯、ひとり暮らしや夫婦など高齢者(65歳以上)のみの世帯が増え続けています。ひとり暮らしの高齢者の場合、どうしても食事がおろそかになりがちです。高齢者の孤食による低栄養、その末の孤独死という悲劇を防ぐための対策が必要です。


日本の年齢(5歳ごと)別人口 2014年
日本の年齢(5歳ごと)別人口 2014年
資料:総務省 統計局「総人口,日本人人口」(平成26年10月の人口推計/2015年4月17日公表)
日本の世帯数と高齢者(65歳以上)がいる世帯
日本の世帯数と高齢者(65歳以上)がいる世帯
資料:厚生労働省「国民生活基礎調査」


健康寿命の延伸のためにも重要な高齢者の食生活
これに対して政府が実践を推進しているのが「食育」です。

これまでに自治体、教育関係者、農林漁業者、食品関連事業者、ボランティアなどが熱心に取り組んできた成果として、食育という言葉は広く認知され、社会の関心も高まりました。今後は子どもから高齢者まで生涯を通じた取り組みが求められます。

取り組みの一例をあげれば、農林水産省では、これまで介護食品と呼ばれてきたものを、食機能に問題がある人だけでなく、健康維持上、栄養補給が必要な人向けの食品として幅広く捉え直しました。この新しい介護食品の愛称を「スマイルケア食」とし、すべての方が食べる楽しみをもって、質の高い生活を送れる社会を目指して普及に努めています。
スマイルケア食



取材・文/下境敏弘



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