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農林水産省

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特集2 鰻(1)

ウナギに関する疑問



夏のスタミナ源としても知られるウナギですが、その生態はごく最近まで謎のままでした。
古くから親しまれてきたウナギについてみなさんはどれほどご存じでしょうか?
まずはウナギに関する疑問を解き明かしてみましょう。

鰻重


Q.ウナギはどうして夏バテ予防に効くの?
ウナギには、ビタミンA、B1、B2、E、Dのほか、カルシウム、鉄分、亜鉛、脂質(DHA、EPA)、コラーゲンなど、夏バテ予防に必要な栄養素が豊富に含まれています。特にビタミンAは、100グラム食べれば成人の一日に必要な摂取量に達します。

Q.蒲焼きにどうして山椒をかけるの?
昔の養殖ウナギはエサの影響でとても臭みが強かったそうです。その臭みを消すために山椒が添えられ、現在も習慣として残っていると言われています。また、山椒が胃酸に働きかけることで、脂っこいウナギの消化を助けるという効果もあります。

Q.炭火で焼くとおいしいのはなぜ?
火力の強い炭は、ウナギの表面にたんぱく質の膜を張ってうまみ成分をぎゅっと閉じ込めます。遠赤外線が芯まで浸透することでアミノ酸を形成し、うまみ成分(グルタミン酸)を増加させる効果があり、外はサクッと中はふっくらと焼き上がるのです。

Q.「蒲焼き」「まむし」の語源は何?
諸説ありますが、ウナギを開かず竹串に刺して丸焼きにしていた形が「蒲の穂(がまのほ)」に似ていることから「がまやき」と呼ばれたことが由来とか。
「まむし」は関西でウナギを指す呼び名です。焼いたウナギをご飯の間に挟んで蒸す「間蒸し(まむし)」と呼ばれる食べ方が語源と言われます。

Q.土用の丑の日は年に何回もある?
土用とは四立(しりゅう)(立春・立夏・立秋・立冬)の直前約18日間のことで、12日周期で割り当てられる十二支の「丑」と重なるのが「土用の丑の日」です。2016年は計6日ありますが、夏は7月30日になります。

Q.外国でウナギは食べないの?
寿司ネタとして「蒲焼き」は世界中で食されていますが、東アジアをはじめ、ヨーロッパでもウナギを食べる文化があります。
●中国・台湾…薬味と一緒に蒸したり、煮込んだりした料理
●スペイン…稚魚をガーリックとオリーブオイルで軽くソテーしたものなど
●ベルギー…バジルなどのソースで煮込んだものやクリーム煮
●デンマーク…燻製にして黒パンに乗せて食べる
●フランス…ワインを使った煮込み料理「マトロット」が有名。ムニエルや網焼き、フライなど
●ドイツ…燻製にしたウナギがポピュラー。サンドイッチなどに使われる

Q.ウナギと食べ合わせの悪い食べ物って?
「梅干し」は食べ合わせが良くないと言われますが、医学的根拠はありません。梅干しが胃酸を分泌させることで食欲が増進するため、ウナギをたくさん食べないよう、ぜいたくや過食のいましめとして伝えられたという説があります。江戸時代の儒学者、貝原益軒(えきけん)の『養生訓』には、「銀杏」との食べ合わせが悪いという記載があり、いつの間にか「梅干し」と取り違えられたという説もあります。

Q.ウナギには毒があるって本当?
ウナギをはじめ、マアナゴ、ウツボといったウナギ目魚類の「血」には毒があります。新鮮な血液を大量に飲んだ場合、下痢やおう吐、発しん、呼吸困難などを引き起こし、最悪の場合、死に至ることもあるそうです。ただ、毒素はたんぱく質性なので、60度以上で5分以上加熱すれば完全に失われます。

Q.関東が「背開き」、関西が「腹開き」の理由は?
江戸時代中期、武士文化であった関東では、腹を開くのは切腹を連想させ縁起が悪いと嫌われたことから、背から開くようになったと言われています。一方、商人文化の関西では「腹を割って話せるように」と腹から包丁を入れていたそうです。


参考資料:株式会社クローバートレーディングのうなぎ辞典


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