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農林水産省

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特集1 とり(5)

安心して食べられる鶏肉を食卓へ



宮崎県 宮崎家畜保健衛生所


安全な鶏肉を安定的に消費者に届けるためには、鶏の病気の発生やまん延を防ぐことが重要です。
安心して食べられる鶏肉を生産するための「防疫」について紹介します。


鳥インフルエンザ感染の有無を確認するためのモニタリング検査。
鳥インフルエンザ感染の有無を確認するためのモニタリング検査。
家畜保健衛生所の職員が、養鶏農家に直接聞き取り調査を行う。
家畜保健衛生所の職員が、養鶏農家に直接聞き取り調査を行う。

宮崎家畜保健衛生所職員のみなさん。前列右から4人目が恒吉雅治所長。
宮崎家畜保健衛生所職員のみなさん。前列右から4人目が恒吉雅治所長。
養鶏場を巡回し、適正な環境が維持されているか確認し、指導を行う。
養鶏場を巡回し、適正な環境が維持されているか確認し、指導を行う。


伝染病のまん延を防ぐ鳥インフルエンザ対策も
生き物である家畜は、病気にかかることもあります。病気の発生とまん延を防ぐことは、畜産農家にとって大きな課題の一つです。

そこで、畜産農家をサポートして病気のまん延を防ぐ機関が、「家畜保健衛生所」です。都道府県ごとに設置され、伝染病の定期検査、日ごろの飼養環境や衛生管理に関する巡回指導、管轄地域内で発生した病気についての検査・衛生指導、飼養衛生管理基準の巡回指導などを行っています。

ブロイラーの飼養羽数、産出額ともに全国1位を誇る養鶏県、宮崎県の場合、この家畜保健衛生所で、最も力を入れて取り組んでいるのが「高病原性鳥インフルエンザの対策」です。

高病原性鳥インフルエンザは、人にも感染の可能性がある感染症で、鶏の病気のなかで最も恐れられている家畜伝染病の一つです。国内では平成16年に79年ぶりに発生し、以降養鶏農家はその対策に追われています。現在、宮崎県の家畜保健衛生所では管内すべての養鶏場を巡回して、飼養環境の調査・指導を行っています。

具体的には、農場・人・車両などの消毒、入場者の記録、防鳥ネットの整備、衣服や長靴の交換など、ウイルスが持ち込まれないための対策が確実に講じられているかどうかをチェックします。

また、モニタリング検査を行って抗体の動向を調べたり、海外での発生状況、発生予防に関する情報発信や万が一の病気の発生に備え、防疫演習を行うことも重要な業務です。

平成27年以降、国内では発生のない鳥インフルエンザですが、中国やロシアなどでは発生が確認されていて、今後も世界的な課題であることは間違いありません。国内発生防止のため、家畜保健衛生所などの関係機関は、畜産農家との連携を強化しながら、地道な取り組みを続けています。

※取材/平成28年10月



取材・文/千葉貴子


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