このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

特集1 花(3)

早朝から夜間まで大忙し 花屋さんの一日


東京・台東区にある「花ふじ生花店」に密着取材。
花を販売するプロの方が、どのようなお仕事をしているのかをリポートします。

鮮度のいい花を長持ちさせることに注力
昭和3年から続く花ふじ生花店。一日のはじまりは、まず入荷から。社長の小幡昌広さんが、仕入れた花を自ら店舗に運びます。

鮮度を大事にするのがモットーの小幡さんは、可能な限り少ない単位で花を仕入れるようにしているため、週5~6回は市場へ。

「当店のお客様は7~8割がリピーターです。皆さん花の鮮度を褒めてくださいます」(小幡さん)

仕入れた花は本店分と支店分に分けて、すぐ販売できるように下準備を行います。

このほか、店内の温度や、容器の水の管理も重要。これらを怠ると、鮮度の良い花も、お客様が購入した後に長持ちしないからです。

販売にとどまらず、花を生け、飾るのも仕事
店頭での接客、販売だけでなく、1日に数十件は、個人や法人のお客様のところへ配達も行います。ギフト用の花束やアレンジメントをはじめ、開店祝い用の注文など、用途に合わせて制作します。

さらに、花を生けたり飾ったりする仕事もこなします。

「地域にある各施設の飾りつけを請け負うほか、フラワースクールも開講しています」

小学校の花育(はないく)の一環として、子どもスクールを実施するなど、さまざまな地域貢献も行っています。

[入荷]
朝、社長自らトラックで市場へ。仕入れた花を店舗に運ぶ。通常月、水、金が切り花、火、木、土は鉢物を仕入れる。 ※仕入れ日は、地域や店舗によって違います。 朝、社長自らトラックで市場へ。仕入れた花を店舗に運ぶ。通常月、水、金が切り花、火、木、土は鉢物を仕入れる。
※仕入れ日は、地域や店舗によって違います。


[花の準備]
バラの処理
仕入れた花をきれいに整える。バラはナイフで少しずつトゲを除去。道具は事前に消毒済み。
仕入れた花をきれいに整える。バラはナイフで少しずつトゲを除去。道具は事前に消毒済み。
矢印
水を吸いやすくするように、茎の断面を大きく処理。下端をナイフで斜めに。
水を吸いやすくするように、茎の断面を大きく処理。下端をナイフで斜めに。

湯あげ
湯あげという作業を行う花もある。茎の端を熱湯に15~20秒つけてから、冷たい水へ移す。
湯あげという作業を行う花もある。茎の端を熱湯に15~20秒つけてから、冷たい水へ移す。



ガーベラの処理
茎が傷みやすいガーベラは手早く処理。本店分と支店分に分けて包んでいく。
茎が傷みやすいガーベラは手早く処理。本店分と支店分に分けて包んでいく。
矢印 雑菌の侵入を防ぐために、ガーベラは茎の切り口に焼きミョウバンをつけてから、水上げ処理を行う。
雑菌の侵入を防ぐために、ガーベラは茎の切り口に焼きミョウバンをつけてから、水上げ処理を行う。


[ディスプレイ]
トゲや茎などの処理を終えたものを並べて、値札をつける。段差をつけて一本一本見えるように陳列。回転が早いため、並ぶ花は日々変わる。 トゲや茎などの処理を終えたものを並べて、値札をつける。段差をつけて一本一本見えるように陳列。回転が早いため、並ぶ花は日々変わる。


[配達]
配達も重要な業務。ギフト用の花束はもちろん、生け花の稽古用の花なども届ける。 配達も重要な業務。ギフト用の花束はもちろん、生け花の稽古用の花なども届ける。


[接客・販売]
ニーズや予算に合った花を選ぶ。ここでは、お客様の「60代の母親の誕生日。3,000円で」の注文に対応。
ニーズや予算に合った花を選ぶ。ここでは、お客様の「60代の母親の誕生日。3,000円で」の注文に対応。
矢印 季節ならではの花を中心に9種をセレクト。丸いブーケにしていく。
季節ならではの花を中心に9種をセレクト。丸いブーケにしていく。
矢印
茎の下端をティッシュとビニール、アルミホイルで保水しておく。
茎の下端をティッシュとビニール、アルミホイルで保水しておく。
リボン、ラッピングペーパーに花ふじオリジナルの「花束の栞」をつけて完成。作ったのは、スタッフの鈴木 薫さん。
リボン、ラッピングペーパーに花ふじオリジナルの「花束の栞」をつけて完成。作ったのは、スタッフの鈴木 薫さん。


[閉店]
店外の鉢物を収容して施錠。通常19時~20時に閉店。 店外の鉢物を収容して施錠。通常19時~20時に閉店。

花屋さんに聞きたい!

●花を買うときにどう頼めばいいの?
買う目的や値段、好みの色合いを教えてください。プレゼントなら、贈る相手の性別や年齢。相手の好きな花がわかるのなら、その情報も。実は「お任せ」がいちばん困ります。

●切り花の観賞期間は?
目安は、夏は4~5日、冬は1週間~10日。気温が25度を超えると、保ちが悪くなります。

●持ち帰ったらどう飾ればいいの?
花瓶に合わせてコンパクトに。水を吸いやすいよう、茎を短くカット。ブーケならそのまま花瓶に生けるといいでしょう。エアコンの風や日光が直接当たらない場所に置き、水は1日1回は替えて。

family's flower DECO.
family's flower DECO.
花ふじ生花店
花ふじ生花店
右/鉢物や観葉植物も扱う(TEL:03-3872-8653)。左/花ふじ支店。親しみやすい雰囲気のお店。ミニブーケ500円(税別)~などを自分用に買う方も多い。

フラワービズ/フラワーフライデー フラワービズ/フラワーフライデー
全国花き振興協議会では、花やグリーンを飾って、リラックスしたオフィス環境を作る「フラワービズ」を推進中。週末は自宅で花を楽しむ「フラワーフライデー」の普及活動もしています。

くらしに花を
http://kurashi-hana.com/[外部リンク]



取材・文/Office彩蔵
撮影/長谷川 朗


読者アンケートはこちら