このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

特集1 緑茶(5)

緑茶の未来を見据えて 私が"フレーバー茶"にこだわるわけ



「日本茶の入り口をやさしくしたい」という思いで、多種多様なフレーバー茶を開発したフランス人茶商。

店内に並ぶフレーバー茶の茶箱。フレーバーは果物が中心。
店内に並ぶフレーバー茶の茶箱。フレーバーは果物が中心。
ワインのように楽しめる、緑茶ベースの「水出しボトル〈桃〉」500ミリリットル・・税込み2,916円。
ワインのように楽しめる、緑茶ベースの「水出しボトル〈桃〉」500ミリリットル・税込み2,916円。

日本橋COREDO室町1にある、ダントン氏の日本茶専門店「おちゃらか」には、40種類以上のオリジナルフレーバー茶が並ぶ。

日本橋COREDO室町1にある、ダントン氏の日本茶専門店「おちゃらか」には、40種類以上のオリジナルフレーバー茶が並ぶ。
http://www.ocharaka.co.jp/[外部リンク]


日本の緑茶の可能性を広げる新しいお茶
「日本のお茶はおいしくて飲みやすい。なのに、とっつきにくいイメージがある。パッケージも分かりづらく、実にもったいない」と語るのは、日本橋に日本茶専門店を構えるフランス人の茶商、ステファン・ダントンさん。

日本茶の魅力にほれ込んだダントンさんが作ったのは、日本茶をベースにしたオリジナルのフレーバー茶でした。

「もっとお茶を知ってもらうために、『目・鼻・口』で楽しみ、味わってほしい」という思いを込めて開発されたフレーバー茶は、巨峰や焼きリンゴ、焼き芋など、さまざまな種類が揃い、どれも印象的な香りと、用いる果実などの鮮やかな色が特徴です。

巨峰なら鮮やかな青色の花びらがブレンドされていて、ブドウの香りと相まって、飲む前から巨峰のイメージが頭の中に浮かんできます。

ダントンさんが目指すのは、奇抜なお茶を開発することではなく、あくまで日本茶の普及です。「戦前のように日本茶をたくさん輸出し、魅力を世界に広げたい。そのためにも、『お茶は難しい』というイメージを払拭して、もっともっと多くの人に気軽に親しんでもらいたい」と話します。

既存の枠にとらわれない自由な発想で、フレーバー茶という方法を用い、日本のお茶を変えようと試みています。その信念と行動力に賛同する茶農家も増え、静岡県や鹿児島県などで、地方自治体との共同事業を行っています。

「日本茶の入り口をやさしくする」ためにつくったオリジナルのフレーバー茶は、今や多くの人に愛され、海外からの反響も大きくなっています。その成果の一つとして、シンガポールと台湾に日本茶のカフェをオープンする計画も進行中です。

「もっとお茶にはストーリーが必要」というダントンさんは、フレーバー茶を通じて、お茶の新しい物語を描き始めています。

ステファン・ダントンさん ステファン・ダントンさん
日本茶専門店「おちゃらか」オーナー。静岡をはじめとした全国の茶農家と協力し、日本茶ベースのフレーバー茶の開発・販売を行っている。



取材・文/相川いずみ


読者アンケートはこちら