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農林水産省

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aff 2019年5・6月号

ぶどうの品種

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世界に1万種類以上あるといわれるぶどう。品種改良の取り組みにより、
粒の大きさや風味などが異なるさまざまな品種が今も生まれています。

日本産ぶどうの輸出が拡大中

日本のぶどうの品質は海外でも高く評価されるようになり、輸出量は2014年からの4年間で3倍近く増え、2018年には1,492トンに達しています。輸出先の大半を占めているのが、香港や台湾、シンガポールなどのアジア諸国。これらの地域では果物を贈答品に用いる風習があり、ピオーネやシャインマスカットなどが人気です。

ぶどうの輸出量

さらなる輸出拡大を図ろうと、粒が外れにくいとか、日持ちが良いなど輸出に適した品種の開発が進められています。また、生食用のぶどうだけでなく、日本産ワインも海外での人気が高まる中、日本政府は表示基準を作り2018年10月から国産ぶどうのみを原料に使用し、国内で製造されたワインだけが、「日本ワイン」と表示できるようにしました。

果皮の色で黄緑、赤、黒に分けられる

ぶどうには欧州種と米国種という系統による分類がありますが、ここでは色味(黄緑系、赤系、黒系)で分類し、それぞれの代表的な品種を紹介しましょう。色の違いはアントシアニンという色素の蓄積によるものです。

黄緑色

黄緑系に多いのが、渋みが少なく、爽やかな香りの品種です。

ナイアガラ

生まれ
米国
主な産地
北海道、長野県
特徴
糖度が高く、果汁が豊富で特有の芳香がある。
ナイアガラ
写真提供/松本自然栽培ぶどう園

ロザリオビアンコ

生まれ
山梨県。1987年品種登録
主な産地
長野県、山梨県
特徴
果汁が多く、酸味が控えめでまろやかな甘みがある。
ロザリオビアンコ
写真提供/小林一夫ぶどう園

赤色

酸味の少ない品種が多いのが赤色系の特徴です。

赤嶺(せきれい)

生まれ
山梨県で発見
主な産地
山梨県
特徴
果肉は歯切れが良く、甘みが強く、ほどよい酸味がある。
赤嶺(せきれい)
写真提供/保命園

デラウェア

生まれ
米国で発見
主な産地
山形県、山梨県、大阪府
特徴
実は小粒で強い甘みと酸味のバランスがいい。
デラウェア
写真提供/JA松本ハイランド

黒色

コクのある味わいの品種が多いのが黒色系です。

ピオーネ

生まれ
静岡県
主な産地
岡山県、山梨県
特徴
甘みと酸味のバランスが良く、上品な風味。
ピオーネ
写真提供/JA松本ハイランド

キャンベル・アーリー

生まれ
米国
主な産地
北海道、岩手県
特徴
実はやや小粒で、甘みは控えめ。
キャンベル・アーリー

人気のぶどうの変遷

生食のぶどうが好まれる日本では、新たなぶどうが次々と登場し、人気品種が移り変わってきました。かつてはデラウェアなど赤色のぶどうが隆盛を誇っていましたが、やがて黒色の巨峰がシェアを伸ばし、トップの座に躍り出ます。昨今は、種なしで皮ごと食べられる品種の人気が高まり、2006年に品種登録されたシャインマスカットは年々支持を集めています。皮が薄いにもかかわらず割れにくく、日持ちも良いことから生産者の間でも人気となり、栽培面積を急速に増やしています。

シャインマスカット
シャインマスカット
マスカットの香りを楽しめる上、皮に渋みがなく皮ごと味わえる。
約30年で変わった品種の割合

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