私を支えた「食」
古賀稔彦さん(柔道金メダリスト)
東京2020オリンピック・パラリンピック大会開催に向け、トップアスリートなどの地元食材を生かした
思い出深い「和食」を紹介します。
父との思い出の味、うなぎとうなぎのせいろ蒸し
幼少期から柔道一筋だった私の大好物は「うなぎ」です。うなぎは各種ビタミンが豊富で、栄養価が高い食材として知られています。うなぎは、柔道家としての体作りにも役立ちましたが、私にとっては家族との「思い出の味」です。
郷里の佐賀県三養基郡みやき町は南部に筑後川が流れており、古くからうなぎ漁が盛んな地域です。
小学生のころ、夏が来ると父と二人、深夜によく近所の川へうなぎ釣りに出掛けました。厳しい稽古の毎日を送る中で、父と過ごせる楽しい時間でしたね。
こうして釣ったうなぎは母が蒲焼き弁当にして、兄や私の試合時に届けてくれました。兄と私が東京に来てからは、代わりに母が父と釣りに行き、大会のときなどは母が来て、うなぎを振る舞ってくれました。頑張っている私たちへ両親からのご褒美、そんな喜びがありましたね。
特に好きなのは、「うなぎのせいろ蒸し」。中学生で単身上京した私にとって、年に数回、帰省したときにだけ食べられるご馳走でした。
帰るたびに柳川の親戚のおばちゃんがせいろ蒸しを作ってくれました。タレのしみ込んだ熱々のご飯に、蒸したうなぎと錦糸卵がのっていて……。白い湯気を浴びながら、ふかふかのうなぎを食べるのが楽しみでした。これを食べて「稽古も大会も頑張ろう」と、気合いを入れたものです。今でもうなぎを食べるときは、家族や郷里の思い出がよみがえりますね。
現役時代は厳しい減量もありましたが、バランスの良い和食に助けられました。何より、身近な人が自分のために作ってくれる、思いのこもった食事が私の大きなパワーになったと感じています。
応援・期待をパワーに変える選手が揃う
日本の選手にとって自国開催である東京2020大会には、大きなチャンスがあると思います。
時差や食事、気候の問題がなく、選手たちもベストコンディションで臨めるでしょう。個人戦では実力を最大限に発揮し、自分の試合ができるのではないでしょうか。また、東京2020大会から新たに加わった「混合団体戦」は日本の選手が得意な種目。団結力を発揮し、非常に強い柔道を見せてくれるでしょう。
柔道のルールとメダルへの道
東京2020オリンピックの柔道試合会場は日本武道館。1964年の東京大会で正式競技となった柔道の初の五輪試合が開催された場所でもある。2020年7月25日から8月1日の8日間(2019年1月時点)に渡り、熱戦が繰り広げられる。
体重別に男女各7階級に分かれる。勝敗を左右するのは、主に「一本」「技あり」「反則」の3つ。「一本」は最も大きなポイントで、「投げ」または「抑え込み」が決まった瞬間、試合終了となる。「一本」は(1)相手を制し、(2)背中を畳につける、(3)強さ(4)速さの4つの要素を満たすことが条件。「技あり」は(1)相手を制し、(2)から(4)のうちどれか一つが部分的に欠けたときに判定される。試合終了時、「技あり」が多い選手の勝利となる。また「指導」を3回で「反則」となり敗退となる。
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