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農林水産省

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aff 2019年7月号
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生き物への興味から酪農の道へ(北海道)

渡邉剛さん(43歳)・北海道浜中町

渡邉剛さん(43歳)・北海道浜中町
酪農家。石川県金沢市生まれ。弘前大学農学部(現在の農学生命科学部)を卒業後、複数の職業を経て、2007年に浜中町に移住。研修を受けた後、2011年に酪農経営をスタート。

浜中町には研修牧場があった

幼いころから生き物に興味があり、弘前大学で家畜の繁殖を学んだ渡邉剛さん。卒業後、地元に戻りプログラマーや保険の外交員として働く中、やはり生き物に関わる仕事に就きたい思いが強まり、インターネットで北海道農業担い手育成センターの存在を知り、名古屋で開催された就農相談会に参加しました。

「大規模な酪農を行える北海道で移住先の候補地としていくつかの市町を見学しました。浜中町に決めた理由は、就農前に雇用形態で技術などを学べる研修牧場があったことです」

町の南側には、風光明媚な霧多布(きりたっぷ)岬がある。
町の南側には、風光明媚な霧多布(きりたっぷ)岬がある。

浜中町は約6,000の人口に対して3倍以上の乳牛がいるほど酪農が盛んです。高級アイスクリームの原料として選ばれるなど牛乳の品質にも定評があります。「自然環境は素晴らしくて、牧場の見学のため車で回ったとき、タンチョウヅルやキタキツネ、エゾシカを見かけて感動しました」

学生時代に知り合い、結婚した北海道士別市出身の季子(ときこ)さんとともに、2007年に浜中町へ移住。当初は社宅に住み、給与をもらいながら、研修牧場で約4年間、牛の飼育や牧草地の管理の方法などを学びました。

浜中町就農者研修牧場は、浜中町と浜中町農業協同組合により設立された、新規就農者を養成するためのトレーニング施設
(有)浜中町就農者研修牧場は、浜中町と浜中町農業協同組合により設立された、新規就農者を養成するためのトレーニング施設。

町のサポートのもと酪農家へ

牧場を手に入れ、念願の酪農の経営をスタートしたのが2011年です。このとき、リース事業を利用しました。この仕組みは、北海道農業開発公社(現在の北海道農業公社)が離農する農家から施設や農地を買い取り、新規就農者に一定期間リースした後、売却するものです。また、浜中町にはリース料の半額を5年間助成してくれる制度があり、これも利用しました。他にも5年間、固定資産税に当たる額が助成されました。

リース事業を介して高齢のため離農した生産者の施設を引継いだ。
リース事業を介して高齢のため離農した生産者の施設を引き継いだ。

最初に飼ったのはホルスタイン種58頭でした。次第に規模を拡大し、牧場は90ヘクタールに達し、ここで子牛を含め110頭を飼育しています。

「新規参入に当たっては役場やJAなど町の皆さんが親身に対応してくれました」と語る渡邉さんと奥さんの季子さん。
「新規参入に当たっては役場やJAなど町の皆さんが親身に対応してくれました」と語る渡邉さんと奥さんの季子さん。

牛の飼い方には牛舎でのつなぎ飼いと放牧があります。渡邉さんは放牧をメインにしており、特に、夏場は昼夜とも放牧します。「自由に動けるようにしてやるとストレスがかからないようです」と渡邉さん。エサに関しても牧草地に牧草のロールを置いてあります。これは青い牧草と乾いたロールのうち、好きなほうを食べられるようにするためです。

私生活も大切にしつつ
牧場の拡大を図る

力を使う仕事なので自分自身の体調管理も大事です。必ず餌をやらなければなりません。搾乳も毎日行います。「それでも、やったらやった分、牛は全部、返してくれるのでやりがいはあります」

酪農は休みがなく体がきつい仕事というイメージがありますが、酪農ヘルパー制度などを利用して休暇を取ることで労力の軽減を図れるようになっています。「私の場合は個人でヘルパーをされている方に月2回くらいお願いしています。妻と3人の子どもと10日間、沖縄旅行に行ったこともあります」

2年前に完成したご自宅。夜はプラネタリウムのような満天の星を楽しめる。
2年前に完成したご自宅。夜はプラネタリウムのような満天の星を楽しめる。

できるだけ自由な時間を持てるように心がけ、道内観光をしたり、趣味の陶芸に打ち込んだり、新天地での生活を楽しんでいるそうです。「浜中町は移住支援に力を入れていることもあり、41組が新規に酪農を始めていますが、この人たちとの交流もあります」

「飼育頭数をさらに増やし、将来的には肉牛も手がけてみたい」と言う渡邉さんは「やりたかったことを現実化した喜びはかけがえのないものです」と言います。

子牛にミルクを与える季子さん。「酪農は毎日の仕事にバリエーションがあって楽しい」と言う。
子牛にミルクを与える季子さん。「酪農は毎日の仕事にバリエーションがあって楽しい」と言う。

私のピカイチ

自宅に趣味の部屋を作り、電動ロクロを設置しました。陶芸や家具作りなどしてます。

自宅に趣味の部屋を作り、
電動ロクロを設置しました。
陶芸や家具作りなどをしてます。

どんな移住支援があるの?

浜中町就農者研修牧場

新規就農者を養成するためのトレーニング施設です。雇用形態で約3年間、実践的な研修を受けられ、哺育舎、分娩舎、乾乳舎、搾乳舎などの施設と研修生のための社宅があります。方針は「酪農の基礎から実践的技術・知識まで」。酪農経営に必要な基礎知識、営農技術、計数管理などを習得できます。

お問合せ先

大臣官房広報評価課広報室

代表:03-3502-8111(内線3074)
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