今年6月に発生した山形県沖を震源とする地震でも最大震度6強を観測するなど、
いつ、どこで起きるか分からない災害に対して、私たちが唯一できることが「備え」です。
例えば、日常備蓄(ローリングストック)など日常生活の中でできる備えもあります。
大げさに考えず、家族のスタイルに合わせて、できることからはじめてみましょう。
災害を想定した備えが大切
まずは命を守ろう
平成30年7月豪雨では、西日本を中心に生活を支えるインフラにも大きな被害が発生し、断水は最大で約26万戸、停電も最大で約8万戸にも及びました。この被害を教訓に、内閣府(防災担当)では、今年3月、災害発生の危険度の高まりに応じて、住民などが取るべき行動を5段階に整理しました。
警戒レベル3で高齢者などは避難、警戒レベル4で全員避難とするなど、避難のタイミングを明確化することで人命を守ることを最優先とした行動を促しています。
発災後3日までは備蓄がカギ
大規模災害時、避難所などへの支援が本格化するのは、3日後くらいと考えておきましょう。例えば、2016年4月に発生した熊本地震では、発災後3日目に避難者数がピーク(約18万4,000人)を迎えた一方で、同日の食料供給量は約13万食と大きく不足していました。このことからも、この期間は備蓄品などを活用して生活することを想定しておくことが必要です。
さらに、道路が寸断されやすい山間部、津波などの大規模災害が想定される沿岸部、被災者が膨大となる大都市圏などでは、十分な支援が開始されるまでに1週間程度かかることもあります。
最低3日分、できれば7日分が、防災備蓄の目安です。
日常生活の中で備える
最低3日分の備蓄の必要性をお話ししました。さて、皆さんは何を準備しますか。
備蓄食品には、大きく分けて「非常食」と「日常食品」の2種類があります。「非常食」とは、災害時の備えとして用意し、主に災害時に使用するもの。一方、「日常食品」とは、日常から使用し、かつ災害時にも使用するもの。そして、日常食品を補充する、備える、食べるというサイクルを「日常備蓄(ローリングストック)」といいます。言い換えれば、日ごろから食べているものの中で、少し賞味期限が長いものを多めに買っておき、消費しながら補充するという手軽な方法です。費用・手間・賞味期限管理、いずれも軽減されるので、備蓄をライフスタイル化する方法として適しています。
また、大規模災害時には電気やガス、水道といったインフラが寸断されることも十分に考えられます。懐中電灯やカセットコンロの他、非常用トイレ、さらに情報の入手に欠かせない携帯ラジオや携帯充電器なども準備しておくとよいでしょう。
避難に備える
自宅が地震による津波、大雨による浸水や土砂災害など、「その場にとどまると危険」な災害の発生地域にある場合は、命を守るための避難の準備が不可欠です。安全な避難場所と避難ルートを確認し、自宅を素早く飛び出すための「非常用持ち出し袋」を用意しましょう。このリュックを作る目的は素早く安全に移動することなので、「背負って走れる重さ」にとどめることが重要です。
備えは家庭の事情に合わせて
災害時に支援物資として配布される食品は、アルファ米のご飯やパンの缶詰など、炭水化物を中心とした主食品が主となります。
外部からの支援が本格化されるまでは量も限られるため、乳幼児・高齢者など食事に配慮が必要な家族がいる場合は、個別の準備が必要になります。乳幼児であれば液体ミルク、子どもがいる場合は好きなおやつ、高齢者であれば柔らかいご飯など。また、水分補給と栄養補給を兼ねることができ、子どもや高齢者も食べやすいゼリー飲料もおすすめです。
こうした備蓄品を、日常備蓄で準備することが重要です。この他、アレルギー対応の非常食も多いので、配慮が必要な場合はこうした備蓄品を準備します。さらに、ペットを飼っている場合は、ペットフードも避難所では入手できないため準備しておきましょう。
詳しく分かるポータルサイト
食品の家庭備蓄の一層の普及を図るために、家庭備蓄に関するさまざまな情報を集約したポータルサイトです。備蓄に適した食品の選び方、ローリングストック法などによる日頃の活用方法、収納テクニックや災害時に役立つ簡単レシピなどの実践的な内容を取りまとめた「災害時に備えた食品ストックガイド」も公開しています。また、備蓄の必要性、実際に備蓄する際のポイント、家庭備蓄を継続するコツなどが分かりやすく説明された動画を制作しましたので参考にしてください。
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