豊かな森林が広がる日本の山地では、初夏の新緑、秋の紅葉など四季折々、変化に富んだ景観を堪能できます。
そんな山や森林の楽しみ方を山の達人の皆さんに教えていただきました。
山の楽しみ方が広がっている
山や森林でのアクティビティは多種多様です。登山やハイキングの他、キャンプ、バードウォッチング、森林浴、さらに夏なら体1つで渓谷を下るキャニオニング、秋なら紅葉狩り、冬ならスノーシューをはいての雪上ピクニックなどがあります。
最近では、山中でスタンプラリーを行う「山スタンプ」、自然の中で食事を楽しむ「山めし」など楽しみ方が広がっています。
山歩きの新しいかたち「山スタンプ」
スタンプラリーは達成感を味わえるイベントとして人気ですが、これをスマートフォンでできるサービスがあります。
「ヤマスタ」は、対象の山に登り、山頂や山小屋など特定の場所に行くと、デジタルスタンプを集めることができるスマホアプリです。場所によって異なるデザインのスタンプが出てくるので、やる気が高まります。
山で食べるご飯は格別!「山めし」
登山中の食事は、おにぎりなどの簡単に食べられるものが多くなりがちです。しかし、食にこだわり、山で使える調理用のガスストーブなどの道具を持参し、山中でさまざまな「山めし」のレシピにチャレンジする人たちがいます。パスタやカレーなど本格料理も作れるようです。
体を動かしてお腹が減った後、絶景を眺めつつ味わう食事も、山登りの大きな楽しみになります。
愛好家が急増中の「苔登山」
特定の動植物に興味を持って山に入り、観察や撮影を行う人も少なくありません。例えば苔です。
10年ほど前、カラフルでおしゃれなウエアに身を包んだ「山ガール」が話題になりましたが、今や苔の美しさにひかれて山を訪れる「苔ガール」が登場しています。
木に触れ合う「ツリークライミング」
一般の木登りのように幹をよじ登るのではなく、木を傷めないように枝にロープをかけ、これを使って登るアクティビティが「ツリークライミング」です。
大木と触れ合うことで自然の素晴らしさを体感でき、高い場所から普段と異なる景色を楽しむこともできます。
安全を保つためロープの他、ヘルメットやハーネス(安全帯)など専用の道具を用いて、脚の屈伸運動を利用して登るものです。小学生でも体験できますが、専門家の指導を受ける必要があります。
日々の疲れを癒す「森林ヨガ」
1982年に、森林の癒しの効果に着目し、林野庁などが「森林浴」を提唱しました。
森林の中に身を置くだけで、木々の爽やかな芳香に爽快感を覚え、気持ちがゆったりして癒されるはず。このような効果を生かすのが「森林セラピー」です。
近年では森林の中でヨガを行う「森林ヨガ」も注目されています。空気の良い、緑豊かで開放的な空間でヨガの呼吸法やポーズを行うことにより、よりリラックスでき、癒されるようです。
素晴らしい被写体の山や森林を「撮影」
季節によって表情を変えていく山や森林。そして、そこに生息する動植物も素晴らしい被写体です。
スマートフォンでも美しい写真が撮れますが、一眼レフカメラや交換レンズ、三脚などを山に持ち込む人も。
初心者であれば、講師が同行してくれる写真撮影のツアーもあり、山をテーマにした写真のコンテストにチャレンジするのも良いでしょう。
山歩きの魅力について、(公社)日本山岳ガイド協会理事長の磯野剛太さんは「雄大な自然を眺める感動や山頂に到達する達成感を味わえ、起伏に富んだ登山道を歩くことで足腰の筋肉を鍛えられます。有酸素運動ですから、健康維持やダイエットにも効果的ですね。さらに、現代社会において衰えがちな自然をとらえる五感、歩く力、危機回避能力などを取り戻せます」と言います。
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